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モーニング連載中のジパングで反跳爆撃が出てきていたんですが。 それによると雷撃の命中率が10%を超えるくらいなのに反跳爆撃の命中率は60%を超えていました。 いくらなんでも命中率に差がありすぎだと思うのですが。 ほんとにそんなに差があったんでしょうか。 あったとしたらなぜこんなにも差が出たんでしょうか。 倉本 |
- 1943年3月2〜3日のビスマルク海海戦(連合軍呼称)において、3月3日の爆撃でA-20攻撃機12機、B-25爆撃機18機が反跳爆撃を行い、それぞれ225キロ爆弾20発中11発(命中率55%)、37発中17発(命中率46%)を命中させ、総合命中率49%を記録したそうです。
これは上空直援機がいる実戦での数字ですから、訓練時や上空直援機がいない状況であれば60%近い数字が出るかも知れません。
ただ、このビスマルク海海戦時に日本側は反跳爆撃を初めて受けており、有効な対応が出来ていないであろうということを考慮すべきかも知れません。
因みに、マレー沖海戦での雷撃の命中率は41%(上空直援機なし)、珊瑚海海戦での雷撃命中率は11%、ミッドウェイ海戦での雷撃命中率は30%、南太平洋海戦での雷撃命中率は6%だったそうです(全て日本側の数字。珊瑚海、ミッドウェイ、南太平洋各海戦における米側の雷撃命中率は0%)。
あと関連過去ログがありましたのでこちらもどうぞ。http://www.warbirds.jp/ansq/21/B2001613.html
T216
- >1
珊瑚海の米軍は祥鳳に魚雷当ててますから0%って事はないですよ。22機が雷撃して7本命中だから命中率は約32%になります。
大塚好古
- > 2.
大変失礼しました。
祥鳳雷撃のことは失念していました(汗
T216
- ゴミレス。架空戦記で反跳爆撃を初めて知った時、「水線下に命中するので魚雷のような効果がある」との記述に爆弾が海面を跳ねていくのに水線下に当たるとは矛盾しないか?と思ったものです。真実は過去ログにあるように勢いを失って沈む位置にうまく目標がくれば水線下に当たるわけです。
>祥鳳の命中弾ですが守りは薄かったにしても魚雷7発に爆弾13発ってやけに多いような気がしますが…(アメリカ側の記録をそのまま使っている?)
ロックマン
- > 1.
訂正です。
南太平洋海戦の日本側の雷撃命中率は第一次攻撃隊10%、第二次攻撃隊0%、第四次攻撃隊14%で、総合命中率は約7%でした。
で、珊瑚海海戦の米側の雷撃命中率を計算してみると、第一次攻撃隊32%、第二次攻撃隊0%で、総合命中率は16%となりました。
T216
- > 4.
祥鳳は右舷後部に最初の被雷を受けたときに動力・電源が故障し、操舵不能になったところへ雷撃機が殺到したことと、米側の攻撃隊の規模と考え合わせるとそれくらい命中してもそれほど不思議ではないと思うのですが。
T216
- 爆撃とは基本的に、投下した時点で落下地点が確定します。
ある目標に命中させるには、高度・速度から決まったタイミングがあり、それを外したら当たりません。
雷撃の場合は、この制限が緩和されます。
正しい見越し角度さえ与えれば、距離に関わらず、当たります(射程内なら)
反跳爆撃の場合も非常に近いものが有ります。
ジャックポットは距離として決まってますが、それより近距離での投下なら、爆弾は上部構造物等に引っかかります。よって任意の正確なタイミングを外してしまっても、投下すれば命中するかもしれない訳です。
反跳爆撃の雷撃に対して有利な点は、爆弾の速度が速いので照準時の見越し角度を大きく取らなくても良いのです。目標自体が大きな船舶ですから、多少舳先の先を狙って落とせば(距離が設定距離以内なら)たぶんどっかに引っかかります。
更に魚雷は故障の問題があります(落としても真っ直ぐ走らないなんてのはよくある)
以上の点から
爆撃:投下タイミングがシビア
雷撃:照準難易度と回避されやすさ、機械の信頼性
がそれぞれ反跳爆撃よりも劣るのです。
急降下爆撃等は投下タイミングの許容範囲が多少大きいので水平爆撃より命中率で勝る事になります。
SUDO
- 普通の爆撃は目標を点で狙います。反跳爆撃は面で狙えます。その差が
命中率に現れます。
蒼空
- ありがとうございます。
すると反跳爆撃は命中しやすい爆撃法なんですね。
それでは追加の質問です。
それほど命中率に優れた爆撃法なのにどうして標準にならなかったのでしょう。
標準にならなかったからには何かの欠点もあったはずですよね。
雷撃や急降下爆撃にない反跳爆撃の欠点とは何なんでしょうか。
ここで言う標準になるとはそれまでの方法はまったく使われなくなり新しい方法だけが使われるようになることを言います。
つまり雷撃や急降下爆撃は使われなくなり反跳爆撃が使われるようにならなかったのはなぜかということです。
倉本
- >9
威力が無いからです。
http://www.warbirds.jp/ansq/21/B2001613.html
で記されているように、魚雷的な効果を発揮させるには、定まったピンポイントの投下が要求されます。
定まった速度、定まった高度、定まった距離で投下された場合のみ、魚雷にも似た効果を発揮する事ができるのです。
これは、照準難易度としては、水平爆撃等と事実上変わりません。そして、この条件を外した場合、目標のどこかに引っかかるかも知れませんが、それは他の爆撃手段よりも、爆弾は低速で当たり、更には船体上部で炸裂することになります。
爆弾が低速なので船体奥深くで炸裂し難い。
爆弾の移動ベクトルの都合上、船体下部に向かい難い>炸裂場所が船体下部になりがたい。
よって炸裂エネルギーや爆弾の破片が船体に致命傷を与える公算が他の爆撃手段よりも低くなります。
また最高の爆撃が出来ても1000ポンド爆弾です。炸薬量はあまり大きくなりません。水中爆発の船体への破壊威力は概ね炸薬量の二乗根と、爆発地点から船体までの距離の三乗根に比例します(実にイイカゲンな計算ですが)
反跳爆撃では、魚雷と違って、船体に当たった瞬間に爆発する訳ではありません。水面に爆弾が落下した瞬間に遅延信管が起きて、数秒後に炸裂ですので、どうしても船体に接触した状態で爆発とはいきません。
爆弾は魚雷よりも炸薬量で劣る上に、完全ゼロ距離で炸裂するともいえないので。つまり水中爆発威力で魚雷に大きく劣ります。
つまり反跳爆撃とは、50点の威力は期待できるけど、満点の威力は、実体として期待しがたい攻撃方法だったのです。
よって、ダメージさえそこそこ与えれば撃沈できる輸送船や、動きが速くて狙いにくい軽艦艇(ダメージにも弱い)には有効な手段でしたが、大型艦には(しかも大型艦は舷側に装甲がある)他の手段が望ましい訳です。
SUDO
- 素朴な疑問なんですが、爆弾の遅延信管の遅延時間って1秒とかそれ以下だと思っていたんですが、そんなに数秒も遅らせるのはなぜでしょうか?
どうも
- >11
想像ですが、時限信管みたいな構造なんじゃないでしょうかね。
SUDO
- あ、なるほど。
どうも
- どうも
私も同じ質問を少し前(3489)にしてまして・・・
特に日本側で爆装零戦で緩降下爆撃の代わりに反跳爆撃の採用の
可能性についての質問だったのですが、考察しているうちに
遅発信管と舷側装甲による攻撃効果の変位、それから銀河での
実験失敗や爆弾形状への工夫が必要なこと。
などから、例えばマリアナやレイテでは
1.日本側では確立できていない攻撃法である
2.成果が不確実
なことから撃沈指向から撃破指向へ移行している中で
スタンダードになり得なかった攻撃法だったのではないかと思われます。
八十島