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迎撃機として雷電の航続力は(例えばキ44と比較して)過大な気がするのですが、雷電のこの航続力はどのような思想に基づいて要求されたものなのでしょう。 また陸海軍で迎撃機に対する思想の違いなどはあったのでしょうか。 毎度低レベルの質問で申しわけありませんがお願いします。 ねんど |
- 陸軍機の試作は「陸軍航空兵器研究方針」に従って行われました。
昭和13年度の同方針上で、はじめて重・軽単戦の種別が分けられましたが、このときには重・軽戦闘機の行動半径は同等に設定。同15年度版では重戦闘機の行動半径(400キロ)の方が軽戦闘機(300キロ)よりも大きく考えられています。
海軍機の試作は「航空機種及性能標準」に従います。
昭和13年度と15年度には、
・艦戦 正規高力1時間 巡航(過荷重)6時間
・局戦 正規高力1時間 増設槽により巡航5時間以上
と、されています。
つまり、この時期陸海軍とも、とくに航続力の短い迎撃専用機を作ろうとはしていないのです。
海軍機の方が一般に航続力が大きく設定されているのは、洋上飛行をする必要上だと思います。局戦といえども島嶼を基地とするものです。
片
- 片 様
曖昧な質問ですみませんでした。
このようにはっきり回答していただけると自分で調べるにも方向性が得られて助かります。
ありがとうございました。
陸海軍の違いや諸外国との違い、迎撃ミッションの実際などをもう少し調べて見ます。
ねんど
- キ44や雷電の時代、むしろ邀撃任務が単発戦闘機の主任務なのであって、長距離侵攻は別途複座・双発の専用機が考案されようとしていたことをお含みおきください。
つまり、これらの機体は「特殊な邀撃専務機」としてではなく、より「戦闘機の本筋」に即したものだったのでした。
そこにあるのは、「艦上運用のために性能を制限された艦隊防空機零戦と、その余力を高速に向けた雷電の差」であり、「搭載武装を機銃に限定したキ43と、高速戦闘で一撃で敵機を破壊できる機関砲を積むことにしたキ44の差」であったりするのだということです。
片