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米海軍は「40mm艦載機銃は特攻機阻止には威力不足」と判断し、76mm砲へ換装したそうですが、航空機搭載機銃は「20mm機銃が当たれば戦闘機ならバラバラになる」「30mm機銃は重爆にとっても脅威」などと言われます。これは、20mmや30mmの威力は誇張されているもので、単発機相手でもある程度の弾数が必要だったからなのでしょうか?それとも射程距離の問題なのでしょうか?あるいは機載と艦載では同口径でも威力に違いが出てくるものなのでしょうか? レギオン |
- >20mm機銃が当たれば戦闘機ならバラバラになる
誇張です。単発戦闘機でも 20mm 弾を複数被弾して帰還した例は幾らでもあります。
ささき
- 例として、日本海軍のポピュラーな艦載対空機銃である「九六式25o対空機銃」とポピュラーな機載機銃である「九九式一号20o機銃」と「九九式二号20o機銃」そして試作型ですが「五式30o機銃」のスペックを比較してみます。
おまけとして「九三式13o対空機銃」とその航空機転用型である「三式13o機銃」も挙げてみます。
初速 発射速度 弾薬包重量
九六式25o対空機銃…………900m/秒 220発/分 250g
九九式一号20o機銃二型……600m/秒 520発/分 192g
九九式二号20o機銃四型……750m/秒 500発/分 210g
五式30o機銃一型……………750m/秒 500発/分 350g
九三式13o対空機銃…………800m/秒 450発/分 119g
三式13o機銃一型……………800m/秒 800発/分 119g
これを見る限り、艦載対空機銃は初速を、機載機銃は発射速度を重視している傾向があると思えます。
つまり、同じ距離であれば艦載機銃の方が威力があるでしょうが、九六式25o機銃の射撃開始距離が3500mである(最大射距離は7500m)のに対し、空戦における一般的な射撃距離が200m内外とされることを考えれば、この差は当然のものと言えるでしょう。
発射速度についても同様で、一瞬の射撃機会を捉えて激しく動き回る敵機になるべく多数の弾数を送り込みたい機載機銃と、他の対空機銃座や高角砲と共同で次から次へと突入してくる敵機に対して切れ目無く段幕を張ってなるべく遠距離で撃墜したい(近づかれると搭載兵器を投下されたり、機銃の俯角の下に入り込まれて射撃不能になることもある)艦載対空機銃の差であると言えるでしょう。
因みに機載機銃の威力についてですが、日本海軍の実験によるとB-17の操縦席に張られたもの匹敵する15.6o厚の防弾鋼板を九九式一号機銃は距離200mで、九九式二号機銃は距離300mで貫通できたそうです(共に徹甲通常弾使用)。
これを考えれば、射距離や角度によるでしょうが主翼や胴体のフレーム、燃料タンクなどに20o以上の機銃弾が命中すれば、大きなダメージを受けることは明白だと思います。
T216
- 基本的に「打ち上げ」るため、エネルギーが奪われる高角機銃と、場合によっては機体速度のエネルギーがプラスされる機載機銃の差もあると思います。
炸薬の威力に関しては・・・わかる方にお願いします。
だーくまたー
- 40mm機銃の威力不足とは「対空威力」の不足です。
数発当たれば(場合によっては一発で)飛行機に致命傷を与える事は40mm機銃ならば充分に果たせます。
単に、有効射程が精々3000m前後であった為、敵機が体当たり・雷撃・爆撃の最終進入を開始した後にしか応戦できず、また命中を与えても、投下・体当たりを完全阻止できる保証が無かったのです。
可能な限り遠い間合いから射撃して、敵機の突入を未然に阻止し、対処時間を最大限に延ばし、一発でも多くの有効弾を吐き出すという観点から見た場合、40mm機銃と射撃装置は、単体としては非常に優秀なハードウェアではありましたが、戦場が要求する対空戦闘システムとしては、恐ろしく贅沢な事を言うと、まだ少し足りなかったのです。
SUDO
- ありがとうございました。
レギオン