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70年代にイスラエルが「ラム・プロジェクト」という国産軍用機開発計画をぶち上げたと記憶しています。成果らしいものは見られないので失敗したものと考えていますが、何か情報をお持ちでしたら教えてください...記憶によれば、ラムA=制空戦闘機 ラムB=戦術爆撃機 ラムC=対地(対戦車)攻撃機でした。 たん |
- イスラエルの国産戦闘機「ラビ」のことでは?対外輸出も考えていたのですが、この戦闘機に用いられる予定であった高度技術の流出を恐れたアメリカの圧力により、構想だけに終わりました。要するに、政治的理由により開発計画が中断したというわけで。その後、このラビの設計図が中国に渡り、現在開発中のF12戦闘機のベースになっているとも言われています。
で、ラムというのは、78年頃西側諸国の軍事情報筋から出されたソ連の新型機開発計画のことではないでしょうか。対地攻撃機のRam‐J、大型の防空戦闘機Ram‐K、小型の前線用戦闘機Ram‐Lの三種類で、それぞれSu25、Su27、Mig29に相当します。
制式名だけでなくミグかスホーイかどこの設計局が作っているのかもわからなかったので、新型機の試験が行われているラメンスコイエ基地(モスクワ郊外にある)にちなんで「ラム」のコードネームを用いたと言われています。
この頃は諸説紛々で、Ram‐Kが可変翼機構を持つとされていたり、主翼上にエンジンポッドを装着するRam‐Jの想像図が出るといった具合でしたが、80年代になって不鮮明ながらも実機の写真が撮られるなど、段々正体がわかり始めました。
ちょっと古い本ですが、エアワールド89年別冊「Su27、Su25」にフランカーとフロッグフットの変遷としてRam‐K、Jの頃の想像図などが載っています。
アリエフ
- ラビと中国のJ-10については、
http://www.warbirds.jp/kiyochan/airpreza09.html
も参照してください。
ABCの別は機体そのものの違いではなく、機体が小柄なので燃料タンクやセンサーの外付けで多用途化を図っていたことによる「装備例」のことかもしれません。
70年代末から80年代前半のアメリカ航空業界はちょうど戦闘機開発の端境期(F-14〜18が成熟し、ATFはまだ基礎研究)にあり、メーカーが新技術(FBW、複合材料、第2〜2.5世代超音速ターボファン等)に習熟する機会を与えるため、アメリカ政府が「アメリカから技術供与を受けることを前提に」イスラエルに開発費の補助をしていた節もあります。
Schump
- ありがとうございます。ははぁ...ソビエトの話であれば完全に記憶違いということになりますね(赤面)
当時の航空ファンの3ページ程度の記事で(80年ごろだったか...)、A、B、CについてはそれぞれF-15モドキ、F-16モドキ、A-10モドキの推定図付きでした。当時はクフィルが大々的に紹介されていた時期と離れておらず、「イスラエルは自信つけたなぁ」等とのんびり考えていたものでしたが...最初から勘違いしていたのかも。
たん
- 3のようなお話でしたら、イスラエルでもないし、ABCも間違いですね。
ついでですがラム・シリーズ?の知られている機体を挙げておきます。
ラムA〜G:不明
ラムH:ツポレフTu-144D
ラムI:不使用
ラムJ:スホーイT-8(Su-25原型)
ラムK:スホーイT-10(Su-27原型)
ラムL:ミコヤンMiG-29
ラムM:ミャシシチョフMya-17
ラムN:不明
ラムO:不使用?
ラムP:ツポレフTu-160
ラムQ:不使用
ラムR:ブラン
ラムS:不明
ラムT:ヤコブレフYak-141
なおラム(Ram)の他にも、タガンログでテスト中を発見されたタグ(Tag)のシリーズもあったようです。
便利少尉
- ちなみに、1980年代中ごろに発行されたふるい飛行機図鑑(子供向け)には<ミコヤン ミグ−29 ソビエト>という題でF-15とMig-25の相の子のような図が掲載されていました。性能のほとんどは<不明>とあります。<西側のF-15に匹敵する戦闘機>と書いてありました。
ごみでした。
居眠り将軍
- 質問者です。
一旦はソビエト開発機のNATOコード名との混同で全て納得したのですが...1988年にキャンセルされたLAVI試作機の番号は"B01"とか"B02"ですよね。
机上計画だけかもしれませんが、やはり(ラムではなく)LAVI-A、LAVI-Cもあったのでは?誰か80年ごろの航空ファンをお持ちで、私が記憶している(と信じている)記事の有無は確認できないでしょうか?
たん
- ラビ試作機(B01〜B03)の"B"については、「複座練習機型がBで、単座実戦機型はA」と解するのが自然です(→2.と合わせて「Lavi A装備例A/B/C」か?)。
しかし、話はそう単純ではなく、「BはBomberのBで、ストライクイーグルのごとく航法・兵装制御のために後席があるのだ」という(では単座戦闘機型は"Lavi F"なのか?)考え方もあります。確かにイスラエル空軍では複座型F-16をわざわざ改造して爆撃機化しているので、用途により単座と複座を使い分けるというのもじゅうぶん考えられます。
さらには、「単座戦闘機型」「複座爆撃機型」「複座練習機型」の3種類(→ABC?)を作るつもりだったとも考えられますが、いずれにしろ確証はありません。
ちなみに試作機では後席を撤去して計測機器やFBWやFCSの試作ユニットを乗せて飛ぶことが多かったようです。
Schump