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3445 ゲーム関係では高性能機になっている震電ですが、この形式(エンテ)の
成功例を知りません。
 たしか重心変動にシビアでカーチスが開発を諦めたとかの話があったような・・・・。
 もし、エンジン冷却やら振動の問題を解決できたとしたら 震電は本当にF8Fやシーフェリーなんかと勝負できたのでしょうか
ほんとかいな?

  1. もし、...ならば、と言う質問は誰が答えても、正しいとは言えないと思うけど。
    ギグ

  2. (1) XP-55 アセンダーと震電の空力設計は別物ですので、アセンダーの例を取って震電の参考とすることは不適当です。

    (2) 震電はその仕様・兵装とも対重爆迎撃に特化しています。もし震電が実戦配備されたとしてもその本業は敵重爆の撃破であり、対戦闘機戦闘は原則として回避する運用が取られたものと思います。

    (3) 単純に飛行機として震電を評価すると、出力 2000hp・全備重量 5t・主翼面積 20m^2 という値はフォッケウルフ Fw190D-9 に近い値で、日本の戦闘機としては異様に重い機体です。旋回戦には全く向きません。垂直面に限定するとしても馬力荷重が比較的高い(2.4Kg/hp)ので、うっかりエネルギーを失うとより軽い相手に頭を抑えられます。これで F8F やシーフューリーと戦うのは雷電で F6F や P-51 と戦うのに似ており、優位高度からの一撃離脱に徹するしかないでしょう。

    ささき

  3. ささきさんの(2)に補足。
    19年7月に、海軍の航空行政側は様々な開発機に優先順位をつけ、ランクの低いものは開発中止にするなどの措置を講じる基準にしています。このとき烈風などは、「紫電改艦戦として見込みなき時生産す」と乙指定(「状況により採否決定」というカテゴリー)に含められるなど、それぞれの機種の「存続理由」もある程度明記されています。
    震電は、ここで「甲」類に分類され、付記として「Me163の代機」とされています。Me163とはのちの秋水ですが、本家ドイツでのMe163の用法を思い浮かべていただいてもよいでしょう。震電は、この技術的に困難が予想されるロケット邀撃機開発のバックアップとしての存在とされているのです。
    この時点で、対戦闘機戦闘をまともに考えて開発継続にGoが出されているのは、紫電改だけ、といって良いと思います。もちろんそれはN1K2−Jそのものではなく、さらに発動機を換装し、改造を施した紫電改を想像すべきなのですが。


  4. Fw190Dに近いと旋回戦には全く向かないのですか?

    少しの性能差ならパイロットの腕次第でしょう?
    ギグ

  5. 捕獲されたFw190Dを連合軍がテストした結果は「旋回半径が大きいこと以外はすばらしい性能」と言った内容でした。そうするとやっぱり旋回戦には不向きであったと思います。
    また機体の苦手な性能の部分で戦うのは危険ではないでしょうか?(F6Fで零戦に旋回戦を挑むような物でしょう)
    ただ、Fw190は高速でロール性能が良く、格闘戦性能は高いと評価されていますので、震電が一概に対戦闘機戦が苦手になったかどうかはわからないと思います。
    ブルーヒップ

  6.  元々Fw190シリーズの旋回性能は良くなく、その中でもD-9は悪かったと聞きます。
     震電は高速性能を得るために旋回性能を犠牲にしています(空戦フラップの要求が途中で取り下げられたのは有名です)。
     どちらも対爆撃機任務を期待されているのですから、当然と言えば当然ですが。
     3.でささきさんが書き込まれているように、震電とFw190D-9の翼面過重と馬力過重はほぼ同じで、F8F-1の翼面過重と馬力過重と比較すると、どちらも震電とFw190D-9の方が20%以上大きい値です。
     これは、零戦二一型とF4F-3の翼面過重の比率と、零戦二一型とF4F-4の馬力過重の比率より大きいものです。
     空戦性能は翼面過重と馬力過重だけで語れるものではありませんが、参考になるのではないかと思います。
    T216

  7. 先尾翼形式(エンテ)の場合水平飛行時に主翼に働くモーメントの関係で尾翼がそれなりに大きい上向きの揚力を持つことになるので実質的な翼面加重はカタログデータよりも小さくなると思われます(そんなに違いはないかもしれません)。
    又、形状から見てプロペラ効率が致命的に悪いと思われるので、Fw190Dシリーズよりも馬力の低いAシリーズを参考にしたほうがいいかと思います。
    酔鏡

  8. >>7
    推進式プロペラについては
    ・プロペラの後ろに障害物がないから効率が良い。
    ・プロペラに入る気流が乱れているのでそれほど効率はよくならない。
    という二つの意見があるように思えるのですが、実際のところどうなのでしょうか?
    致命的な程プロペラ効率が悪化するような構造を高高度戦闘機に採用するとは思えませんが…。
    有精卵

  9. プロペラ効率は翅数を増やすほど低下します。特に上昇時に顕著に現れます。
    6翅は震電のような特性の機体には好ましくなく、しかし、この点の向上計画はありました。


  10. ほんとにあやふやなのですが、量産型には四枚ペラを使う予定だったというのを聞いたことがあります。プロペラは殆どのドイツ機のように三枚か、多くて四枚が理想的なのでしょうか?
    フッフール

  11. 私が「致命的」と表現したのは主翼によって大幅にエネルギーを失った乱流か、下手をすると主翼後縁で剥離して渦になっている流れをかなり吸い込むためです。
    >二つの意見
    B-36で問題がおきていないようなので、主翼が大きな迎角をとらず空気の流れが乱れていない場合には前者の影響が強く、主翼の迎角が大きいなどで前方からの気流が渦になっているような場合には後者の影響が強いということになると思います。
    日本では風洞実験時にプロペラをつけなかったと聞いたことがあるので、この問題は十分な検討がなされていないと思われます。
    酔鏡

  12. 皆様ありがとうございます。
    あまりに特異な機体で 架空戦記なんかでは 低空(雷撃機の高度)で
    F8Fと渡りあったりしていたものですから、ほんまかいな?と。
    (空力や戦闘機戦闘はまったく わかりません。)
    震電、出ても冷却不良(星型の上や下の気筒はあれで冷えるのか?)震動(雷電ですら・・名前通りとかいわれたら(TT) 出ないで 幻の名機で
    いるのが一番良いのかも(泣)


     
    ほんとかいな?

  13. この形態の唯一の成功例であるスウェーデンのサーブ21の評価はどんなものなのでしょう?
    さーぶ

  14. >13
    http://www.canit.se/%7Egriffon/aviation/text/21saab.htm
    DB605 液冷 1475hp で最高速度 650Km/h というのは同じエンジンを積んだ Bf109G-2(666Km/h)と大差ありません。J21 が 109G より一回り大きく重いことを考慮しても、わざわざ特異な形態を取ったメリットが出たとは評価しがたいですね。上記ページにも「戦闘機としては成功しなかったが、攻撃機としては有用だった」と評価されています。

    It was never a success as a fighter, but those designated A 21 (A = Attack, ground attack) or even B 21 (B = Bomb) made good service.

    J21 はリヤエンジンのため「レシプロ機をジェット換装して実用化した唯一の例」とも評価されますが、上記ページによれば「当初の予定では 20% の変更で済むはずだったが、結局 50% 近くが新設計となった」とされており、その性能も決して優れていたとは言いがたく、増槽なしでの行動時間が 46 分、兵装・増槽を満載しての行動半径は 190Km に過ぎなかったそうです。
    ささき


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