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3438 紫電改21型の翼面荷重は170.2kg/m二乗とある本に載ってたんですけど、空線フラップを最大にすると翼面荷重はどのくらいになるのですか?

モンタナ

  1. > 紫電改21型
     細かいことですが、正式には「紫電二一型」、通称「紫電改」ですよね。

     で、管制装置等は異なるのですが、強風/紫電/紫電改のものと同じ原理である包絡線式空戦フラップを装備した烈風を設計した堀越二郎氏の計算では、このフラップをいっぱいに使うと、翼面加重150s/uの飛行機の相当翼面加重を100s/uくらいに引き下げるのと同じ効果があるそうです(ただしこれはあくまで計算上の話で、実際にはこの計算と同じ効果が出るとは限らないと思います)。
     参考までに。
    T216

  2. 烈風の初期には、翼面荷重150s/u、空戦フラップ使用時の相当翼面荷重120s/u程度での設計を要求されています。堀越さんがあげられる「100」とは何なのだろうと思って『零戦』の初期の版を見てみると、「一二〇瓩/平方米」とありました。どこでどうなって数字が変わったのか、新しい数版はみんな「一〇〇キロ/平方メートル」になってますね。
    空技廠飛行実験部で紫電改を担当した志賀少佐は、空戦フラップの装備のところで「この時翼面荷重一五〇kg相当」と書き残しています。


  3. > どこでどうなって数字が変わったのか、新しい数版はみんな「一〇〇キロ/平方メートル」になってますね
     ふむ、版を重ねる際に出版社が数字を書き間違えたか、それとも「零戦」出版後に堀越さんが計算し直してみたら前に上げていた計算値が違っていたので訂正したのでしょうか。
     紫電改の例から考えて、烈風の場合は初版の「零戦」に記されていた「計算上150s/uを120s/u相当にまで引き下げる効果があった」と考えた方が自然ですね。
    T216

  4. ご参考までに、1997年10月10日第一刷発行の「零戦」、朝日ソノラマ版(単行本)、では空戦フラップ使用時120キロ/平方メートルと記載されています。
    早房一平

  5.  私も混乱していたのですが、私の持っている1993年11月10日二版発行(初版は1992年8月10日発行)の朝日ソノラマ版「零戦」では、十七試艦戦計画要求書の写し(P460〜461掲載)には「翼面加重150s/uを空戦フラップ使用時の相当翼面加重120s/u程度を目標」とあり、堀越氏の空戦フラップの説明文(P464〜467掲載)には1.に記した「翼面加重150s/uの飛行機の相当翼面加重を100s/uくらいに引き下げるのと同じ効果がある」と記述されています。
     片さんが指摘されているのは、堀越氏のフラップ説明文にあるフラップ使用時の相当翼面加重値が初版では十七試艦戦要求書と同じ「120s/u」なのに、その後の版ではなぜか「100s/u」に変わっているのはどういうことなのだろうか、と言うことですね。
    T216

  6. 話をどうでもよいことに引き込んでしまって恐縮です。
    早房さん、その版の本文もやはり「一〇〇」になってます。
    どこかでミスプリされたのが、その後の版にずっと引き継がれてしまっているのです。『零戦』という書物そのものが、本文そのものが改訂を繰り返されて最初のものと最近のものとでは内容もかなり変わっているという、なかなか泣かせられる本なのですが、その上にロングセラーゆえにこうしたことも発生しています。細部の数値などには注意が必要です。


  7. 空戦フラップの採用の段落の最後の方、計算式のあとにある、「例えば翼面荷重150キロ/平方メートルの飛行機の相当翼面荷重を100キロ/平方メートルくらいに引き下げるのと同じ効果がある」。という部分のことですね。 4であげたのは要求の方でした。
    早房一平

  8. あら書いてる内に・・・、どうも「例えば」という部分が引っ掛かります、150キロが100キロというのは、あくまで「例え」なのかなと。
    早房一平

  9. 「計画要求書」自体は、学研『烈風と烈風改』に全文再録されています。『零戦』に掲載されているものは、単に要約を施しただけでなく、機銃の携行弾数などが、歴史的事実としての「計画要求書」とは違っていたりします。(これは、昭和28年の初版からずっと引き継がれています。同じ項の中で『九九式一三粍機銃」とあったものが、その後「三式一三ミリ機銃」に直されているにもかかわらず)
    そういうところの事情を考えるという興味のあり方もあるでしょうが、それよりもしかし、原質問に戻って、相当翼面加重150くらいの空戦フラップが、「たいへん好評であった」と伝えられていることに注目する方が面白いのではないかと思います。


  10.  空戦フラップ使用時の元要求が120瓩/平米程度とされているが、飛行試験の結果、空戦フラップ使用の場合零戦三二型(翼面荷重118瓩/平米:馬力荷重ハ43搭載烈風と殆ど変わらず)よりも縦横とも機動性良好と言われたので、堀越氏が100瓩/平米前後程度に引き下げる効果がある、と脳内意訳したのではないかと邪推します。
    或非国民

  11. >10
    空戦実験は20年に入ってからのことですから、対戦相手の零戦は140〜150s/uです。空戦フラップ使用の空戦実験に使われたA7M2の2号機は、下げ角を増大し、子フラップをスロッテッドにするなど、フラップ関係が改造されています。この時期、A7M2の翼面過重が150近辺になっていたのはただの偶然で、本来ならば130の主翼用に設計されたフラップでしたからね。むしろ能力不足を改善する必要があったのです。


  12. あ・・・烈風の話になってる。(笑)

    紫電改にもどりますが、いずれも記憶モードですが、
    「空戦フラップ使用で1翼面荷重130kg/m二乗に相当。」
    というのを記憶しています。またパイロットの手記で
    「零戦零戦よりやや旋回半径が大きい。」
    というのもきいたことがあります。
    バウアー中尉


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