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一式陸攻が「中攻」と呼ばれるわけは何ですか。中型攻撃機?中型爆撃機? ねのひ |
- 「中攻」という言葉は、本来九五式大型陸上攻撃機に対して九六式陸上攻撃機を呼ぶ時に使われたものです。大型攻撃機でない中型の攻撃機という意味で「中攻」と呼ばれた九六陸攻への呼び名がその後継機に当る一式陸攻にも使われる事が多かったということです。
BUN
- 昔の海軍では次のように区分していました。参考までに。
単発−小型機。 双発−中型機。 4発以上−大型機。
蒼空
- 九五式「大型」陸上攻撃機が双発であり、一式「大型」陸上練習機もまた双発であるように、単発=小型ではありませんし、中型=双発でもありません。単発三座機を中型に分類する場合もあります。
もともと正規の区分ではなく、その区分は機体により、時期により、区分が行われる場所によります。
BUN
- 海軍部内では当時そのように教育を受け、そのように区分していました。
機体の大小でなく、発動機の数によると。二式大艇・九七大艇・中攻は
一式・九六式を含めていました。運用上別段支障はありませんでした。
蒼空
- ご経験は重要だと思います。
しかし、上記の兵器は内令兵で通達された制式呼称ですし、それ以外に蒼空さんのおっしゃる通りでない用例が蒼空さんの勤務されていた戦争末期にさえ残っているのであえて反論させていただきました。
BUN
- 1.と2.で、ねのひさんへの回答は終了ということにしましょう。
これ以上の議論は、ねのひさんにも迷惑と思います。
蒼空
- 感想
海軍部内で一般的におこなわれていた発動機数による区分と、制式呼称制定時等の区分との二つの区分が併存していたというのは、大変興味深い話です。蒼空さんの貴重な体験に裏付けられた知識とBUNさんの浩瀚な知識とが相まってはじめて得ることができるものでしょう。お二人に感謝いたします。
カンタニャック
- 生きている史料のような蒼空さんのおっしゃる事はとても勉強になります。
しかし大型中型の区分は「中攻」のG4Mが「中型」ととらえられる一方、同じ機体であるG6Mの呼称に「大型」という言葉が用いられるように、誰が見ても曖昧な部分があるということです。予科練末期の教育で発動機数で大、中、小を分けて解説したとしても何の不思議もありませんが、それが全てではなさそうだ、という話です。
BUN
- 余談
うちの会社では、部門により同じ製品にいくつもの
呼称があったり、違う分類方法があったりする。(笑)
社内システムが違うと、同じことをさせるのに違う
コマンドになってるなんてことも。(笑)
SAW
- 本題からそれちゃいますが、
昭和14年〜17,8年までの陸攻搭乗員の練成教育は、「大型機講習」と呼ばれていました。
川崎まなぶ
- 回答からそれますが、
連山や富嶽の開発に備え「大型機講習」が実施されたと聞いています。
海鳥