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一式陸攻は無理すれば2tぐらいは爆装できたと聞きますが、その場合どのくらい航続距離があったのでしょうか? みどり |
- G4M1の許容全備重量は14000kgで、これ以上の重量での離陸は禁止されています。しかし、規定上の攻撃過荷重状態(燃料ほぼ満載・800kg爆装)での全備重量が12500kgで、まだ1500kg余裕があるように見えるところから、そのようにいわれたのではないかと思います。つまり、理論上でなら、14000kgで離陸可能な滑走路があるならば、2000kgの爆弾を積んでも、燃料満載で離陸可能ということを云っているのだと。
しかし、2000kgもの爆弾をどこにどう吊ったものか。爆弾倉自体がそれを許したものなのでしょうか。
片
- 失礼。朝一なので寝惚けました。
全備12500kgの状態では、燃料は満載の80%です。
片
- 話がそれますが、桜花搭載機の陸攻パイロットの手記に
「桜花が重すぎて下手に旋回すると、たちまち(陸攻が)失速してしまう」
と書かれてあったように記憶いたします。
ほづみん
- >3
質問の「2tぐらいは」説の起源が桜花にあるような気もします。
桜花一一型で2tちょいの重量なので、と。
MB
- 桜花装備の一式陸攻G4M2Eは、原型であるG4M2(量産機)に比べ自重そのものが800kgも増加しており、その上に2270kgの桜花を懸吊することになります。つまり、2tではなく3tも重いのです。最大全備重量を15500kg程度に保とうとするならば、燃料は50%しか積めません。また、この状態では最大速度が30kt低下するとされており、空力・重量面からの航続力低下も相当大きかったはずです。
片
- やはり標準搭載量を大幅に超えるような爆装は無理がありますか・・・
あと、思ったのですが800kgという爆弾搭載量は雷撃機としての標準なのでしょうか?
つまり、運動性を確保するために爆弾搭載量を減らしたのであり、純粋に爆撃機として運用するならもうちょっと増やせたのではと思うんですが・・・
みどり
- #1の片さんが既に言われているように、1式陸攻は60kg×12又は250kg×4又は500kg,800kg,魚雷×1のどれかを積めます
しかし、逆に言えば、爆弾懸吊架や爆弾倉の大きさ等が、それだけしか積めない様になっています
ですから、上記以上に積もうと思えば、それなりの改造を施さなければなりません
その上で、燃料搭載量をB-25、B-26並にすれば、もう少し爆弾を搭載できたでしょう
セミララ
- 雷撃機としても、途中で1トン魚雷を積めるようにするために、わざわざ爆弾倉を拡大したりしています。
「純粋に爆撃機として運用」ということの意味は難しいですが、対米戦開始以来の一式陸攻は、爆撃任務を成功させるために、むしろできるだけ高高度を飛びたくて苦労しています。それが、敵戦闘機による捕捉を避け、対空砲火から逃れるための手段でした。陸用爆弾を多少多めに積むよりも、高高度性能を確保することの方が直接の死活問題だったのです。
片
- 5番であげた例で云えば、G4M2E は速度が30kt落ちているのと同時に、実用上昇限度が2000mも下がって、7250mしかなくなっています。
G4M1の406号機以降の火星一五型装備といい、G4M2B、M2D、M3Dと、高高度へ行ける発動機を得たくて様々に試行錯誤が積まれているんです。
片
- 後継機であるG7M1泰山の最終案の爆弾搭載量が、60kg×12又は250×6又は500×2又は800×1又は魚雷1トンになっています。
この数字は18年3月のもので、その時点で必要とされていた中型陸攻の基準値が読み取れます。可能爆弾搭載量が1500kgに増加しているにもかかわらず、80番を二発積もうとかいうような大胆さはなく、せいぜい25番が二発増えるくらいのものなのです。
片