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「B−24はB−17に比べて被弾に脆い」という解説を米軍大型爆撃機を扱った本によく書かれていますが、一体どの辺がB−17と比べて脆いのでしょうか? 同じ程度の米軍大型爆撃機だけに不思議です。(見た感じ太っちょな胴体部分と推測できるのですが・・・。) また、代表的なタイプでもB−24DからH、G、Jと防御火器こそゴテゴテ増加していってますが、防弾そのものはどうなっていったのでしょうか? 航空ファン |
- >一体どの辺がB−17と比べて脆いのでしょうか?
主翼です。
まなかじ
- B-17の主翼構造は、設計年次(1934年)を考えれば仕方のないところですが、冗長で重量もかさみ、工数も多い(ただし、大型工作機械を使う箇所は少ない)ものです。すなわち、
・小骨をトラス状に組んで作った桁とリブ
・波板を裏打ちして曲げ強度を確保した表皮
・低アスペクト比(7.59)
という特徴があります。
一方、これより5年新しい設計のB-24の主翼は
・押出し型財+フランジの桁、プレス加工のリブ
→一枚板なので被弾時に全体に一気に亀裂が進行する
・単純な一重の厚板外板
→被弾損傷時のバックアップがない
・高アスペクト比(11.55)
・主翼下面に脚収納室の大穴
→一部破壊時に強度の余裕がない
という、飛行機としては合理的な反面で打たれ弱いという構造になっています。
Schump
- > 防御火器こそゴテゴテ増加していってますが、防弾そのものはどうなっていったのでしょうか
B-24D、E、H、Jの防御機銃はD型の一部の12.7o11門を除いて12.7o10門で変わりが無く、銃座のタイプがころころ変わっていたようです。
防弾については、XB-24Bから乗員保護用の防弾板が取り付けられたほか、主燃料タンクが全てセルフシーリング式の防弾タンクとなり、D型の途中からは潤油タンクもセルフシーリング式の防弾タンクになったとのことです。
T216
- 質問者です。皆様ご回答ありがとうございます。私の予想外で主翼が弱点だったのですね。まなかじ様の結論、Schump様の両者の主翼構造の解説、T216様のB−24の改修内容解説とご説明いただき今までの謎が解けました。
特にB−17とB−24の主翼構造の差は「セルフシーリングタンクになったからといって極端に「撃たれ強くなる」訳ではない」というのがよくわかりました。
航空ファン
- 脆いと言えるか分かりませんが。
B24は不時着水すると、すぐに沈んでしまったそうです。
なんでも爆弾倉の扉がスライド式だったので、浸水しやすかったとか。
ツカドン
- 関連ですが、@によればB-24の翼幅はB-17より約2m長いようです。アスペクト比が11.55ということは平均翼弦長が約3mになります。グライダーなみのアスペクト比で、飛行安定性は良かったと思われます。翼構造の脆弱さもあるでしょうが、翼幅が長い分だけ被弾率は高かったと思います。
文献@「図説 飛行機大辞典」エンツオ・アンジェルッチ著佐貫亦男訳 講談社 昭和49年7月30日第1刷
ラインバッカー