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3399 Bf109はG型以降、P51ムスタング戦闘機と積んでいるエンジンではタメのようにみえるのですが、武装、航続距離、使い勝手と、上下運動性能以外の何を見てもP51に負けている(ように見える)のがなんとも不思議です。デザインされた時期の違い、の一言で片付けていいものなのでしょうか? よほど革新的に異なった存在なのでしょうか? 

まるき

  1. いや・・・エンジン馬力だけで同じ飛行機出来るなら苦労しないと思うのですが。開発時期に関わらず。
    タメ・・・というと、「同時期のエンジンなのに」と解釈しますが、P51に関しては、ご存知のように社運がかかっていたので人一倍野心的に機体が設計されています。しかもそれが大成功だったんです。多少紆余曲折はありますが、それこそ換装されて機体とエンジンの特性がマッチしてからは向かうところ敵なしとなりました。
    総合性能はエンジンの最高馬力や最高回転数(航空機はこっちのほうが大事かな?)だけでなく、エンジンの特性でも変ってきますから、まさに最高の組み合わせだったのでしょう。

    どうも

  2.  使い勝手の悪さ…Bf109 がハの字主脚で離着陸事故多発を引き起こした事については、艦上型の Me155 では脚取り付け位置を広げ、発展型の Me209V5 では内側引き込みを採用し、次世代機の Me309 では前脚式を採用していますから、変えられるものなら変えたかったというのが本音なのでしょう。しかし Me155 は空母がポシャッて醜怪な高々度戦闘機 Bv155 となって果て、Me209V5 は凡庸な性能に終わり、Me309 は救い難い失敗作となったため、欠点を承知で 109 を改良し続けること強いられたように思います。
     Bf109G 以降は旧式化したエアフレームにツギハギを当てながら無闇に強力なエンジン(これがまたボアアップとか高回転化とかヤバそうなチューンに加えて水やニトロを噴射して緊急出力を稼いだシロモノ)を載せたため、最高速度と上昇力だけは優れているものの重量増加で低速運動性は悪化、高速域では古い機体設計が祟ってすぐに舵が重くなりやっぱり運動性悪化と、バランスをどんどん失っていったように思います。

     ただ、P-51 も D 型でバランスが完成の域に達し、発展型である H 型はいささかピーキーな機体になったようです。
    ささき

  3. #武装
     Me109G-6以降のMG131×2+MG151/20×1という武装は、案外強力です。というのも、MG131の発射速度(毎分900発+)はP-51のM-2(毎分550〜650発)よりも高く、しかもドイツには13mm炸裂弾頭がありましたから、瞬間的な破壊力ではMG131×2はM-2×4に匹敵しえます。さらにM-2には旋回射撃中の給弾不良という持病があり、P-51D以降の6丁装備は1〜2丁の発射不能を見込んでの数だともいわれますので、ますます差は縮まります。さらにMe109には強力なMG151/20が加わりますから、総合的にはむしろ勝るかもしれません。

    #航続力
     被弾時に発火しやすい翼内タンクや重量バランスが狂って操縦できなくなるので満タンにできない後部燃料タンクを装備してまで航続距離を伸ばしたP-51は危険な設計の機体です。しかもそのせいでうすらでかくなった機体を離陸させるためにフラップを大きくした結果、補助翼面積が不足したため、特に低速時の横操縦性が悪く、離着陸時に危険な挙動があったともいいます。

    #使い勝手
     主翼を取り外しての鉄道輸送ができず、増槽未装着時ですらパイロットに燃料切り替えコックの操作を強い、エンジンは不気味な振動を発し、後方警戒レーダーやら主車輪カバー開閉アクチュエーターやらの余計な装備品が多くて整備が面倒な機体の使い勝手が良かったとは思えません。

    #比較そのもの
     そもそもMe109はE‐3型、大目に見てもF型で発展の限界に達した機体(後知恵ではなく、Me209V4〜309の開発時期をみれば当時のドイツ空軍・メッサーシュミット社がそう認識していたと分かります)なので、G型以降については見なかったことにしてあげたほうが親切というものです。
     E型にしても、翼面積が3割方大きく、武装・エンジン出力・防弾が同程度の空冷機である零戦52型と同じ最大速度にとどまっていることから考えると、あまりいい飛行機ではないような気もします。
     エンジン出力・翼面積・武装と性能のバランスから考えると、Me109は九七戦やI-16中期型と同等であったB〜D型の頃をもって他機種と比較するのが適当かもしれませんね。
    Schump

  4. 日本では陸軍の荒蒔少佐が捕獲したP-51Cに乗ってますね。
    速度、旋回、上昇、急降下、全ての面で四式戦を凌いでいたそうですから、
    かなりバランスが取れた機体なのでしょう。
    (武装無しの状態で、というのもあり得るけど)
    Me109との性能差は、プロペラの大きさ≒効率も関係あると思うのですが。
    P-51→直径3.4m四翅 Me109G→直径2.8m3翅
    フッフール

  5. E型と零戦52型の最大速度を比較してもねー。すでにE型で零戦52型と同等以上の速度が出たとも言えるし。零戦はもっと悪い飛行機だと言ってるように読める。

     主脚の取り付け方法で事故が多発したと言うけど、他より少し多かった程度で慣れれば問題にならない程度。あの構造で修理は他の機体より簡単だったから、プラスもあった。

     空で、分が悪かったのは錬度の高いパイロットを揃えられなくなったことと、物量。
    ジク

  6. まあ、1-5までBf109に否定的な意見がWAR BIRDS的だなーとおもいつつ。

    確かに、Bf109は古い機体です。空力的には、ぜんぜんP51の方がいいでしょう。
    また「Fの方がGよりよかった」「着陸が難しい」という意見がある反面G型に搭乗して、「戦闘機のサラブレッドだ!」という意見もありますし、戦争末期のBf109(G-14以降のタイプ)は明らかに、英国で捕獲され比較テストされたG-6とは違うものだという報告もあります。確かに舵が重いといわれますが、ドイツでのテストでマッハ0.8までのダイプでも引き起こしができ,また着陸も癖があり難しいといわれますが、ちょっとしたコツをつかむと簡単であり本当の問題は、早期に複座型を作らなかったことと、末期には40時間程度の飛行時間で一線部隊で、Bf109に乗って戦わなければなかないことが大きな原因ではないでしょうか?
    まあツギハギながらも、一部の性能面で速度、上昇力などP51D上回ることのできたこと自体が私はすばらしいと思います。そのころには上記のとおりパイロットの質が低下し(訓練時間が無かったため才能あるパイロットであっても・・・・)悲劇的でしたけどね。(Fw190A-9だろうが、Fw190D-9だろうが・・・)
    まあ実際、戦争の終末期の時点で、P51Dv.s.Bf109Kでは、勝負はパイロット次第だと思います。

    P.S.ちなみに、P51と同じエンジンのスピットファイヤ\や、マーリンつきのBf109と比較しても面白いですよ。
    バウアー中尉

  7.  「完成の域に達した」と書きましたが、翼面荷重、馬力荷重、翼面馬力などの「数字だけ」で見ると P-51 は重いヒコーキで、燃料タンクやラジエター配置のため米軍機としては対弾性も低く、あれだけの名声を確保できたのが不思議に思うこともあります。

     実際、1対1で巴戦をやる能力だけなら Bf109G は P-51D より勝っているでしょう。Bf109G 復元機に試乗したパイロットは「Bf109 は癖もあるが低速〜中速域で舵がよく効き、操舵に対する反応が速く、旋回中に速度が落ちると前縁スラットが出て更に食い込んで行くことができる。P-51 の反応は Bf109 に比べると大味で鈍重だが、速度が上がるにつれ鋭くなってゆき、高速では Bf109 を上回る。高速域でのエネルギー空戦に徹すれば優位を維持できるだろう」と述べています。

     しかし欧州戦線に参加した米軍戦闘機パイロットの戦記を読む限り必ずしも「エネルギー空戦」「反復一撃離脱」には固執しておらず、むしろ Bf109/Fw190 に対し果敢に巴戦を挑みしばしば地上すれすれの低空にまで降りています。米軍パイロットの大多数にとって独戦闘機との遭遇は希であり、終戦までに5機撃墜を果たし「エース」の称号を得る為の貴重なチャンスだったようですね。彼等の戦記はたった1機の敵機を一個小隊4機で追い回し、交互に射弾を浴びせて引き裂きなぶり殺しにする記述で満ちています。

     P-51 の名声は機材そのものの性能もさることながら、「必要なとき、必要な場所に、必要な数を投入できた」事によって得られたところが多いのかも知れませんね。

    ささき

  8. >完成の域に達した」と書きましたが、翼面荷重、馬力荷重、翼面馬力などの>「数字だけ」で見ると P-51 は重いヒコーキで、

    記憶モードなのですが、「理想的翼形を追求するために重量の増加を忍んだ。
    翼形の設計が悪ければ重たい駄作機となる可能性があった。」と書いた文献を読んだ記憶があります。
    しかし、翼形の出来具合とかだと「数字に出ない性能」ということになるんでしょうか。
    SAW

  9. P-38, P-40, P-47, P-51B, Spitfire V, Fw190の各速度域でのロールレートを比較している表を見たのですが、P-51Bがロールレートで上回っているのはP-38, P-47、360/mph以上でのSpitfire Vでした。B型なんでそのままではないかも知れませんが、P-51は見た目よりちょっとどんくさい飛行機なのかも。
    西

  10. 5は、Bf109肯定派の意見であります。
    ジク

  11. お久しぶりです。
    皆さん以前はお世話になりました。

    どうも 109 と P51 の話題で盛り上がってる模様。
    ちょっと混ぜてもらおうかと。

    まずエンジンですが、全然タメではないでしょう。
    DB605 はマーリンからみると結構大きいんじゃないですか?
    でも馬力は大差ないと。緊急出力だけは以上に高いですが。
    Bf109K の最大速度は異常なまでの DB605 の緊急出力によって得られているものですよね?

    まあ、パイロットの体感速度は P51 の方が高いと思いますよ。
    Bf109K って最大速度を少々過ぎたあたりでほとんどコントロールを失うんじゃあなかったですかね?
    機体と相談しながら慎重にダイブすれば高速からでも引き起こせるかもしれませんが、急角度でダイブする P51 を追尾するのは実質不可能でしょう。
    うまく低空まで追い詰めれば 190K の方が速いってことになるでしょうけど。

    109は(パイロットからみた)機体の扱い易さでいうと、個人差はあるものの飛行特性的には F 型が好まれたようですね。
    同時期の高速機と比較すると旋回性能で、高運動性能機と比較すると速度で分があったからでしょう。
    (Yak-3 は別。とにかく高度をかせいでおかないと危険でしょう。)
    P51 と比較すると、速度ではどうしようもないですが(相手が低空を低速で巡航していれば話は別でしょうがね・・・)、旋回では優位だと思います。
    P51 の高速時の旋回角速度は相当なものがありますが、何回か旋回を繰り返して速度を失ってくれば圧倒的に 109F 有利でしょう(まあ当然 P51 はダイブで逃げるでしょうが)。
    また両者のエネルギーが十分なときは縦旋回戦になりやすいですが、これも 109 有利でしょう。
    しかし機体の重い P51 のズーム上昇は驚愕のものがあるので、スプリットS から入る縦旋回戦では驚異的角速度を発揮しそう・・・

    G 型も初期のものは結構嫌われたようですが、G10あたりの速度とことに上昇力はすばらしく、そこらあたりが評価されているようですね。
    でも P51 を撃墜するに当たっては例え1対1でもエネルギーが同等以上でないと厳しいでしょうね。
    上昇力だけでは勝てませんから。ただ、離脱の際には役立つでしょう。
    P51 からもエネルギーが同等である程度距離があれば上昇で離脱できるでしょう。
    むしろ問題は Yak-9 や La-7 やらではないでしょうかね。
    高度次第ですが、上昇力は大差なく、速度性能・降下性能・旋回性能のすべてで負けてるような気がします。
    ソビエトの 20mm はなかなか高性能なので、武装面でも負けてますね。
    ドイツの炸裂弾頭は貫通力が低いので必ずしも強力とは言いがたい部分があると思います。

    K 型は正真正銘扱いが難しい機体でしょう。
    降下すると速度が出すぎますし、低空旋回性能まで悪くなり、さらに Mk108 は当たらないし・・・。

    まあ航続距離で負けてるのは太平洋で戦わねばならない P51 とヨーロッパ用の 109 との差だと思いましょう。
    アガスティア

  12. > 9.
    西殿、私はこの比較だと P51 は相当ロールレートがいいと思えるのですが。
    P51はこの中では最速クラスの機体ですし、Fw190 はロールレートの良さでよく知られた機体。
    しかし旋回による速度低下の大きいことを考えれば、P51 が旋回性能で劣っているとは思えません。
    みんな Fw190 は旋回性能が悪いっていいますものね。
    むしろ高速息であれば旋回性能に優れる Spit よりロールレートがいいってことの方が恐ろしいです。
    P51D は B より飛行性能は若干劣るんでしかね?

    P51 の売りは圧倒的な速度、ことに機体が重い分空気抵抗が小さくダイブの加速がいいことが第一でしょう。
    機体が重いので上昇力は悪いが思ったより上昇しますし、重い分ズーム上昇がよく、
    さらに最高速度をかなり上回る速度域でも舵が利き、高速状態であれば座りがよく射撃がしやすいと、
    一撃離脱に大変有利な性能を有しています。
    そのうえで旋回性能もかなりいいのですから、鈍くさいというイメージとはかけ離れた機体だと思います。

    ただ、爆撃機の護衛につけて侵攻するには最高クラスの機体かもしれませんが、迎撃など他の用途では必ずしもよい機体だとはいえないでしょう。
    あらゆるシチュエーションを考えると、最良の機体は変わってくるでしょうね。
    あ、あくまでパイロットから見た話ですけどね。
    アガスティア


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