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基本的な質問なのですが、後退翼に関する説明でよく機体進行方向の気流と翼前縁に直角な気流が交錯する図を目にします。 http://aerodyn.org/Wings/wings.html#plan (ここのSpeed and Wings Sweep の説明図です) そうしますと翼面の気流は翼内側に流れるように思うのですが、何故、外側に流れてしまうのでしょうか? ご存知の方、宜しくお願いいたします。 少年航空パイロット |
- 失礼ながら、少年航空パイロットさんは、この図を根本的に誤って理解されていると思います。
この図の言わんとするところは、後退角Λの翼に速度Vの気流が当たっている場合、
この気流を主翼前縁に直角の成分VcosΛと、前縁に平行の成分VsinΛとに分けて考えることが出来る、
と言う意味です。けっして速度Vの気流と、速度VcosΛの気流が当たっているわけではないのですね。
んでもってこれはベクトル分解ですから、二つの成分をベクトル合成すれば元のVに戻ります。
つまりこの図では、後退翼に当たった気流は、前縁後退角に関わりなく、元来た方向に流れ去ると仮定しているのです。
実際には、少年航空パイロットさんもご存じのように、気流は外側(翼端側)に流れるのですが、
その理由は直感的に、気流でもボールでも、斜めの物に当たれば逸れるよね、ってことでとりあえずよろしいのでは。
便利少尉
- 回答ありがとうございます。後退翼はそもそも衝撃波の発生を遅らせることに意義があるわけでそうしますと速度成分を2つに分けて考えることに何か意味があるのでしょうか?
単純に>直感的に、気流でもボールでも、斜めの物に当たれば逸れるよね
でよいように想われるのですが。
少年航空パイロット
- 図の説明は便利少尉氏がされているので、Outflowが起こる訳ですが、
翼上面を流れる気流から見れば、圧力分布から翼端側のほうが相対的に低圧となる為と理解しております。
グリーネマイヤ智久
- 回答ありがとうございます。翼端側のほうが相対的に低圧となるから、つまり気流が速くなるので低圧になるわけですね。それから後退翼の「衝撃波の発生を遅らせる効果」と「速度成分の図」は別に関係ないことなのでしょうか?
少年航空パイロット
- 少年航空パイロットさんが後退翼の意義をどのように理解しておられるのか覚束ないのですが。
後退角に速度Vの気流が当たっているとして、それを前縁後退角に直角の流れと、
平行の流れとに分けて考えることが出来ます。
この場合、後退角に平行の成分(速度はVsinΛ)は、摩擦抵抗を及ぼすだけで、
抵抗や揚力に関係するのはもっぱら後退角に直角の成分(VcosΛ)だけと仮定できます。
すなわち後退角Λの翼は、気流の速度をcosΛだけ遅らせたと同じことになるわけです。
これが後退角を付けると遷音速域の抵抗を少なく出来る理由です。
もっとも実際にはそれほど上手くは行かないのですが。
後退翼で気流が翼端側に流れるのは、とりあえずは抵抗とは関係ありません。
便利少尉
- 回答ありがとうございます。
>すなわち後退角Λの翼は、気流の速度をcosΛだけ遅らせたと同じことになるわけです。
それで、後退翼の説明に於いて速度成分の図が必ず添付されているのですね。色々とご説明いただきありがとうございました。
少年航空パイロット