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戦略爆撃機に護衛戦闘機がつかなくなったのはいつごろからなんでしょうか? イラク爆撃やアフガン爆撃なら迎撃機などほとんど存在しないので護衛機がいない、というのはわかります。 たとえば冷戦真っ只中のB58などにも護衛が必要だったんでしょうか? もし護衛がなければどうやって迎撃を避けたのでしょうか?_ ぽち |
- 戦略爆撃機が高速度で敵の防空網をかいくぐり戦闘機の迎撃を振り切ることができれば護衛戦闘機はいらないわけで、まさしくB58や試作に終わったXB70がそういう発想です。でも、じきにソ連の迎撃体制の強化が進み、爆弾倉が小さく戦略空対地ミサイルの運用ができないこともあって一線を退いていきました。
また、長大な航続距離を持つ戦略爆撃機に随伴して飛べるほどの航続能力を持つ戦闘機は必然的に大型・高価格化し、コスト・パフォーマンスが良くないという問題点もあるのでは。
アリエフ
- スピードとECMが爆撃機の防御、と考えていいのでしょうか?
もうひとつ疑問なんですが、現代の戦略爆撃機の運用というのは日本本土空襲のように多数機を集中させて爆撃、なんてことはしないのですか?
大編隊をくんだB2、というのは想像しにくい気がします(理由はなんとなく・・・ですが)。B52あたりだとまだ想像できるんですが。
ぽち
- 民間人を巻き込む戦略爆撃は猛烈な非難を受けますし、精密誘導弾を使えば少ない弾数で目標を破壊できるわけですから、多数の機を投入する必要もなさそうです。
(それに核運用を行うなら、1目標1機でも構いませんよね。)
レギオン
- 爆撃機に同行出来る長距離援護戦闘機に関しては、P-82の後 ジェット化を目指しXF-88・XF-90等が数多く試作されました。
その中には、超音速プロペラを持つものや爆弾倉収容のゴブリン、TOMTOM(爆撃機と翼端接合)といった無茶・・もとい意欲的な試みも有りました。
結局 F-101(後に戦術戦闘機/迎撃機として完成)をもって長距離援護戦闘機への試みは終了しました。
グリーネマイヤ智久
- なるほど。スマート爆弾の開発で爆撃機の運用も変わってきたんですね。
今回のイラク空爆も単機での爆撃だったんでしょうか?
ぽち
- コソボ空爆の時には、開戦直後、
まだユーゴの早期警戒網が機能している間にB−2が投入され、
レーダー基地、防空指揮システム関連施設、飛行場が
集中的に攻撃されました。
そして、早期警戒網が無力化された後に
非ステルス型の機体が大量投入されます。
このように、ステルス機が登場したおかげで、空爆作戦を通じて、
直援機の必要性はかなり低くなっているわけです。
また、機数の点でいうと、
コソボ空爆の時に投入されたB−2は6機に過ぎません。
(ほかにB−52、B−1がそれぞれ12機)
そうなるとそもそも大編隊を組むこと自体ができませんよね。
一方、F−15、F−16などの戦術航空機は合計460機
(うちF−16は187機、F−15はC型とE型を合わせて81機)、
艦載機が60機投入されています。
これらの、爆装した戦術航空機に対しては、
先行して防空網の制圧をするSEAD機が
随伴していた可能性はあります。
今回のイラク戦争についてはまだ詳細は明らかではありませんが、
アフガンの時はB−52が単機で上空待機し、
特殊部隊からの情報を利用して精密爆撃を行っていますね。
ただし、強固な防空システムを持っている国を相手にした場合には、
援護戦闘機を付けなければこのような運用はできないという意見が、
米空軍の中から出ています。
(だからF/A−22が必要だ!という主張に結びついていくわけですが)
ポトマック
- 今日の戦略爆撃が核弾頭搭載の長射程空対地ミサイルにより、敵の防空網になるべく引っかからない所から攻撃する戦術が主流になっているわけで、米空軍が保有する戦略爆撃機はそうした作戦が本来の任務であったわけです。ただ、通常爆弾も運用できる能力を持っているから、B52による大量の通常爆弾投下のような「戦術爆撃」任務にも使われているというわけで。(戦略爆撃と戦術爆撃は必ずしも明確に区分できないけど)
戦略爆撃機がこうしたミサイルを運用するようになったため、敵の対空防衛のど真ん中に入りこんで爆弾を落とす必要が薄れたことも、護衛戦闘機が不要になった一因でもあります。
アリエフ
- ありがとうございました。
ぽち