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零戦21型が高速飛行時に横転性能が著しく悪化するのはよく聞きますが、隼の場合はどうだったんでしょうか。 新高校1年生少年 |
- 調べてもいないので頭から信用しないでください。
ロール方向の安定性が良すぎると、戦闘機の場合 横転性能が悪いという欠点になります。
たとえばハリアー2なんて主翼にあえて下半角をつけていますし、
安定性の悪い P-47 は逆に横転性能は良かったといいます。
零戦は主翼によるロール安定性の良い機体です。
高速では主翼の発生揚力が大きくなりますから、横転方向の安定性はさらに良くなり、
戦闘機としてはむしろ良すぎて横転性能の悪化とみなされるほどになるのでしょう。
隼も安定性のよい機体といいます。
あの巨大な主翼をみるかぎり、零戦と同様に高速では横転安定性が良すぎて横転性能が悪くなってしまうかもしれません。
P-47 や F4FU など低速で横転方向の安定性の悪い機体も高速では安定し、操縦しやすくなるそうですが、
逆に横転性能が悪くなるという話は聞きません。
これは、高速状態ではエルロンの効きがよくなるからでしょう。
零戦はその操縦の伝達機構の剛性が低く(わざとですよ、ご存知ですよね?)、
高速での舵の効きが悪かったといいます。
従って高速では安定性が良くなりすぎるのに舵が効かなくなりますから、
著しく横転性能が悪化する結果となります。
隼の場合は高速状態でも舵は効きますから(ですよね?)、
高速でも零戦ほど著しい横転性能の悪化はなかったのではないかと思います。
以上、憶測です。
アガスティア
- 結論から言えば、零戦同様に細長い補助翼を装備する隼の高速時の補助翼の効きは悪くなり横転性能が悪化してると思えます。
低速時の旋回性を追求して補助翼面積を大きくしてしまうと、高速時に措ける補助翼の効きは悪くなってしまい逆に補助翼面積を減少させてしまうと、低速時に措ける補助翼の利きが悪くなり相反します。
横転性能に関係する補助翼は、昇降舵、方向舵、補助翼の3舵の中で最も軽く動く必要が在ると言われてます。この為、構造重量を軽くするのに羽布張り構造にしてましたが、高速時には羽布の表面が内側に凹み肉痩せする事で補助翼表面を流れる境界層(空気の層)が厚くなり、操縦力が重くなり結果的に横転性能を低下させてしまいます。ヨーロッパの機体には、補助翼が羽布張りでなくジュラルミン板張りの応力外板構造の機体があります。
のんびり
- 零戦の高速時横転については、過去ログ
www.warbirds.jp/ansq/1/A2000839.html
を参照してください(私自ら間違っていますが、零戦の補助翼操作系はロッドによるものです)。
ここでもとりあげられているように、零戦の高速時横転性能低下には、補助翼面積の過大(艦上機である以上、低空低速時の操縦性の優先順位が高いので仕方がない)と主翼の捻り剛性不足による補助翼の効き低下が二大要因であると考えられます。これらを隼についてみると、
#補助翼面積
前線飛行場からの爆装出撃まで考慮したSTOL機なので低速時操縦性の優先度高く、高速時には過大かと思われる。
#捻り剛性
単桁式の零戦よりは三桁式の隼の方が有利。ただし材質・板厚も考慮すべきなので一概にはいえない(急降下制限速度も似たようなものなので、強度全体としてそれほどの差があったか?)
となり、零戦に比べて明白な差があったとは思えません。
羽布張り補助翼の高速時変形・破壊(適用場所によって違うのでしょうが、補助翼では「膨らんで破裂」が問題視されていたようです)については、F4U(主翼本体にも羽布張りあり)やMe163の例もあるので、WW2レベルの速度性能においては本質的な問題ではないような気もします。
Schump
- 零戦の場合、主翼翼型MAC118の影響という可能性もあります。
MAC118で重かった一式陸攻の補助翼が、MAC357に変えたとたん軽すぎるようになった、という話があり、雷電でもどうようなことが起こっています。
片
- どうやらスピットファイアに措いてはトーションボックス構造の羽布張りの補助翼が高速時に「膨らんで破裂」でなくて、羽布が内側に吸い込まれて痩せた断面になり操舵が重くなってしまうのが問題だったらしいです。
のんびり