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栄二一型エンジンの重量をご存知の方、教えていただけないでしょうか。 工房 |
- あと、これとは関係ないことですがもう一つ質問させてください
震電の骨格等の材質を教えてください。
普通の炭素鋼でしょうか、
それともアルミ合金系でしょうか?
工房
- 学研の零式艦上戦闘機2などによると、栄21型の乾燥重量は590sとなっています。
余談ですが、栄12型の乾燥重量は530sとなっています。
T216
- >1. ジュラルミンです。スミソニアンに保管されている震電は主桁が鱗状の剥離腐蝕を起こしていました。
ささき
- ご返事ありがとうございます。
ところで震電のことですが、ジュラルミンの種類は
解りますでしょうか?
零戦と同じ超超ジュラルミンでしょうか?
工房
- 超々ジュラルミンESDというのは、零戦でも主桁程度しか使われていません。
震電でも、もちろんESDは使われていますが、やはり強度上どうしてもという部分に局限されています。発動機装備位置を、閃電のように主桁とクロスする位置に下ろしたい、という要求に対して、それではESDの使用量が増加してしまう、とする設計側からの反発があったりしていました。
片
- ささきさんがおっしゃっているスミソニアンの主桁の状況が、いかにもESDらしいものなんだと、そういうことです。
片
- 大変勉強になります。
細かい質問で失礼します。
戦時中のESDは今のA7075(超超ジュラルミン)と同じ成分なんですよね?
なぜこういうことを聞くのかと言いますと、
A7075は銅、マグネシウム、亜鉛のアルミ合金のはずなのですが、
たまに「超超ジュラルミンはクロームを含んでいる」
みたいなことを書いてる本を見かけるんです。
ここん所どうなんでしょうか?
工房
- クローム入ってます。0.1〜0.4%。
成分としては、アルミニウム、亜鉛、銅、マグネシウム、マンガン、クローム、微量の珪素、鉄。
片
- >7
過去ログの航空機関係82番をご覧ください。
10番目の回答が、ご質問への回答になると思われます。
Ta
- 失礼。その微量の珪素、鉄より、まだ少ないのがマンガンとクロームです。
片
- 微量の珪素、鉄、マンガン、クロームは
不純物としてですか?
実教出版発行の「機械工作1新訂版」を見ますと
A7075はAl-Zn-Mg系だと書いてあるんです。
この「系」って文字がみそですかね?
工房
- では、零戦や震電に使われていたESD材は
記号的にはA○○○○には、入らないんですか?
工房
- アルミ合金である以上、分類するとすれば当然A○○○○になりますし、
Al-Zn-Mg系ですからA7000系に分類されるのも間違いはないでしょう。
ご察しの通り「系」ですから挙げられているのはあくまで主成分です。
A○○○○というのはJISで定められた規格でしかなく、様々な特性が
JISによって規定されていますが、その条件を満たしたもの(JIS審査に
合格したもの)がA○○○○を名乗れるというだけのことです。
PT
- 追加補足
A7075の組成は
Si:0.4%未満、Fe:0.5%未満、Cu:1.2-2.0%、Mn:0.3%未満、Mg:2.1-2.9%、
Cr:0.18-0.28%、Zn:5.1-6.1%、Ti:0.2%未満、Al:残
ですから8.で片氏が書いているものと成分的には一緒です。
おそらく全体的な組成としても似たようなものでしょう。
しかし組成が同一であっても結晶構造までが同一であるとは限りません。
組成が同一であれば特性の傾向は似通ってきますが、各成分が均質であるか
まばらであるかによって具体的な特性値に差が出てくるところもあります。
で、当時のESDの具体的な特性値が現在のJISのA7075に適合するかどうかが
ポイントになるわけです。
PT
- 11.のご質問に対し、僭越ながらPTさんのお答えに若干の補足と、便乗質問させていただきます。
>珪素、鉄、マンガン、クロームは不純物としてですか?
7075に関して云えば、Si0.4%は不純物ではなく、Mgとともに時効硬化性を持たせるために入っており、ある程度コントロールされています。Fe0.5%は許容限度内の不純物といえますが、この程度までなら強度向上に役立つとされています。Mnは他のジュラ(Al−Cu系若しくは2000系)に比べて若干低めに抑えられており、代わりにCrが多めです。どちらも熱間加工時の再結晶を抑制し、その結果強度の向上に有効、加えてCrは応力腐食性を改善します。因みに7075は1954年米国で、AA規格として登録されています。
・・・・・・というとこまではわかったのですが、
因みにESDはCrが0.1〜0.4とのことなので、7075規格からは外れますね。
が、このような熱処理系合金(ALの中でも加工硬化ではなく焼入れ焼き戻しによって所定の強度を得るもの)は特に、その製造工程(≒調質)で性能が決まりますので、問題のESDも、PTさんの仰るとおり、成分だけではなんとも評価の仕様がないと思います。そこで便乗質問なんですが、
そもそもESDってどんな造り方されたものだったんですかね?圧延?鍛造?鋳物?ミリタリーの世界では時々耳にしますが、実態がわからなくてなんとなく気になっていた上に、片さんのお答えの0.1〜0.4Crのジュラ系合金が、現在のAA規格に(当然JIS規格にも)見当たらなくて、ますます気になって来ました。ずっと2024系(超ジュラ?)と想像してたのですが、、、。相乗りですいませんが、どなたか私にも御教示よろしくお願いします。
theo
- >因みにESDはCrが0.1〜0.4とのことなので、7075規格からは外れますね。
先ほどいろいろとホームページを回っておりましたら、
A7075は新幹線や零戦に使われた事で有名である
と書かれたページがいくつか存在しました。
工房
- JIS A7075
JIS A7075-T6
JIS A7075BE-T6
JIS A7075P-T6
が存在するらしいです。
どれかがESD材に当てはまるということですか?
工房
- とある表を見ますと
A7075はCu1.5,Mg2.5,Zn5.5とのことです。
工房
- theo氏、私はCrは不純物としてだと考えます。
工房
- 文部科学省検定済教科書にAl-Zn-Mg系と書いてありますんで
確実だと思われます
工房
- 16.えぇ、類似のもののようですね。でも同じではないのかな?と。そうしてその成り立ちもよくわからず、発明メーカーのHP見ても現行品の呼称には残っていないようですし、5.の片さまのお話しから、まるで宝石のような扱いに、どんな造り方だったのか?とか想像が膨らみ(^^ゞ。
17.手元のJISの抜粋によると、どれも同じ合金(成分は一緒)ですよね? BE-T6とかは、形状と機械的性能を定めており、、、。
18.きっとどこかの社内規格ですよね?
19.先にお答えしました理由が書いてある文献と、わざわざ下限と上限を規定している点より、単なる不純物とは違うと思うんですが、、、(あ、もしかして不純物のCrのおかげで偶然出来たのがESD、とか?)
theo
- >Crは不純物
「不純物」という言葉をどのような意味で使っているのかは知りませんが、
A7075の場合(に限ったことではありませんが)は意図的に不純物を添加する
ことによって強度を高めているわけです。
ですから除去できないという意味での不純物ではありません。
>不純物のCrのおかげで偶然出来たのがESD
強度を増すために微量のCrを添加するというのは一般的な手法だと思います
のでCrの添加そのものは偶然ということはないと思います。
偶然性があるとしたら分量(比率)のほうではないかと
PT
- >強度を増すために微量のCrを添加するというのは一般的な手法
はい、PTさんの仰るとおりです。
アルミサッシ6063→スキーストック6061(Cr0.1→0.04〜0.35)
建築用内外装5005→飲料缶蓋、カメラ用5052(0.1→0.15〜0.35)など。
ただ、
Cr添加の効果というのがいつ頃から一般化したのか、そもそもその理屈もよくわかってない自分としては、ESDの成り立ちにおいて最初から不純物ではなかったとは、断言しかねたもので。
また、上の63、52の規格なんかだと、0.1%位なら放っておいても混ざっちゃう(まざっちゃってもいい)わけで、そういうのを不純物というならそうかも、とも。まあそれならSiやFeは不純物のチャンピオンですが。
あと、ゴミですが、
某109ハ〇ズの素材売場で売ってるALの角材の商品名は、1ランク鯖読んでますね。
A5052(DIN AlMg2.5)=ジュラ A2017(DIN AlCuMg1)=超ジュラと、、、、。ま、ジュラの名称の公の定義もないんで自由なんでしょうが。
で、ESDとは、、、?
theo
- すいません駄文のなかでもとくに訂正
誤 >また、上の63、52の規格なんかだと
正 A6063、A5005の規格なんかだと、
ついでに、
ま、JISの規格はおおらかなんで、
その通りに作ったら問題な製品が少なくないですが、
それ(JIS規格)にはそれなりの事情があったようで、、、
って、そういうのはものづくりの世界はどこも同じですかね(^^ゞ
theo
- A7075ってのは許容範囲が大きい規格なんですね
じゃあ、やはり零戦に使われているESDは
A7075ではないかと・・・
工房
- ESDの成分が解らんことには、
判定の余地がありませんが。
工房
- やはり、A7075でした。
詳しくはこちら↓
http://www.materialhouse.co.jp/tech/talk/alumi.html
工房
- これもご参考ください↓
http://www.ne.jp/asahi/aluminium/mania/al_column/al_colum_main0202.htm
工房
- >25.A7075ってのは許容範囲が大きい規格なんですね
いや、それは(少なくともALの)JIS規格全般にいえることでして、
実際は各社の事情若しくは固有の要求品質等による内規に基づき製造している場合があるという意味です。ただし、この成分規格から外れるものは、決してA7075とは呼べません。(一方5052の端切れに“ジュラ”というラベルを貼るのは許されるかな?それは規格ではないから)
従って、ESDの成分規格が 8.のお答えの通りなら、Crの規格が異なりますので、明確に「別物」です。
ただ、ご案内のHPにあるとおり、7075系統若しくは7075相当と表記するのは問題ないかと思います。2017若しくは2014の発展系がESD、その改良版が7075ということなんでしょうかね。 それにしても
>ESDの使用量が増加してしまう という発言が出るESDって、よっぽど作るのが大変(=高価)だったのか?
それとも使うのが(溶接とか残留応力とか)大変だったからなのか??
theo
- >2017若しくは2014の発展系がESD、
>その改良版が7075ということなんでしょうかね。
ESDってのは超超ジュラルミンって意味ですから、
ESD=A7000系ってことではないかと・・・
零戦に使われたそれがA7075だろうと私は言いたいわけでして。
>ESDって、よっぽど作るのが大変(=高価)だったのか?
今でもアホほど高いですよ(笑
材料屋.COM:http://www.zairyo-ya.com/product_A7000.htm
工房
- 1tでざっと300万ですからね
工房
- いろいろ御教示すいません、
っで、どうでもいいことかも知れませんがね(^^ゞ↓
>ESD=A7000系ってことではないかと・・・
それはいいとおもいます。が、
>零戦に使われたそれがA7075だろうと私は言いたいわけでして。
厳密にはそれは違う(適切ではない)と。
A7075(特にAとつけるのは、わざわざJIS規格内であると明言している)
と同定するのは厳密には正しくない、っていうだけです。
せめて「〜系」、「〜相当」ってゆうべきかなっ、と。
>今でもアホほど高いですよ(笑
ご案内のサイトのは、
少量在庫販売にて、流通経費も乗ってますが(~_~;)、
絶対的な価格として
当時はもっともっと、こんなもんではなかったのかな?っとは想像してます。
また、
他のAL(例えばここの関連サイト座敷牢に出てくる箔なんか)との比較では
どうだったかな?というのもあります。
ただそれは製造方法(≒調質=機械的性能)にもよるのです。
それで、作る側の実態はどんなもんだったのかいな?という興味、
それと、
設計側の反発の理由は他にあったのかな??
というのが29.の下段のカキコの主旨です。
もう少し自分でも調べてみようかと思います。
有難うございました。
theo
- A7075は一般的に超超ジュラルミンと呼ばれているそうです
http://members.aol.com/SASAMIC46/hitokoto11.html
工房
- A7078とかもかなり近いらしいです
工房
- あのー、A7○○○系ってのはご存知の方もいらっしゃるみたいですが元々米国アルミニウム協会のAA規格から来たもので日本の戦時中のアルミ組成とは全く関係無い物なのではないでしょうか。
米国規格を元に議論するのもおかしな話だと思います。戦時中のアルミの組成は黎明期のオリジナルな物であったはずであったであろうしCrは実際に片さんが述べているような混合比であった。それだけの話なのでは?
jas1
- >A7○○○系ってのはご存知の方もいらっしゃるみたいですが
>元々米国アルミニウ?ム協会のAA規格から来たもので
>日本の戦時中のアルミ組成とは全く関係無い物なのではないでしょうか。
そんなことは解っています。
A7075が零戦の主桁の成分に当てはまるかどうかを
話し合っているわけでして
工房
- >零戦に使われたそれがA7075だろうと私は言いたいわけでして。
それを断定したいのであれば
(1)零戦に使われたESDがJISに適合するかどうか試験する。
(当時の物を今試験しても腐食が進んでいるでしょうから無意味。
当時と同じESDの新品を入手して試験しなければならない)
(2)零戦に使われたESDと現在のA7075は全く同じ物であることを証明するデータを
住友軽金属に提示してもらう。
(3)過去に(といってもJIS制定後に)「零戦に使われたESDはA7075に適合する」ことを確認した
試験データを探す。(そのようなものが存在すれば、ですが)
といったことをしなければなりません。
断定するつもりがないのであれば零戦に使われたESDとA7075は別物として
扱ったほうがいいでしょう。(これは私のスタンスですが)
PT
- ESD(EnhansedSuperDuraluminかな)を7075系であると仮定して
無理矢理JISのA番号を付けると、A7N75P−Txxとか、表面に何かクラッドしてある場合
にはA7N75PC−Txxとかなるのではないかなぁ、、、、、、と愚考するのでありました。
愚考
- 別に当時の実物のESDがなくても
資料があれば比べられますよ
工房
- >>38
なるほど。
A7000系にもいくつかの種類がありますからね
工房
- >39.
だからさ、そのデータがJISに基づいて測定されていなければ
JISに適合しているかどうかの判断もできないでしょ?
PT
- そのESDを構成している成分が
JIS規格のA7075に収まればいいんですよ。
工房
- >42
Crの率が違うんだからJISのA7075の成分規格から逸脱してると#29でtheoさんが述べられてます。つまり「ESDはA7075」と述べる根拠は何処にもありません。
SUDO
- >>43
A7075の規格や、当時のESDのCr含有量が本当にその通りなら根拠はありません。
工房
- あれこれ想像するより、図書館で住友軽金属の社史を探せば済んでしまいますよ。
BUN