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よく、日本機を評価する際に、米軍がテストした性能ではなく、日本側ので評価していますが(世界の傑作機No.53強風、紫電、紫電改等)、実際、前述した本でひどすぎる(泣)評価を受けた紫電はテストでは時速670?kmというすさまじい速度が出ていますので、日本側の性能は当てにならないような気がするのですが、なぜ、日本側の性能にこだわるのでしょうか? 新高校1年生少年 |
- 計測した性能が悪ければその性能評価は当てにならないという訳ではありません、むしろ日本側の計測は普段使用している状況に近い条件で試験しているのでは無いかと考えれば日本側の計測値にこだわるのは妥当ではないかという事がわかるかと思います。
で、他の機体と比較したい場合はまたその比較するやり方によってどの評価を使用するかは違ってくる訳ですが。
で、一般論なんですが、Aと言う機体の性能を計測した値が何種類(無論計測条件も違う)かあったとします、で、そのうち一番性能のいいものがAと言う機体の正しい姿を表していて、その他の値は間違っているのでしょうか?そうではありませんよね。
一番性能のいい計測値の条件はあまりにも理想状態での運転に近いもので常識的に考えられないような条件なら、その計測方法自体疑ってみる必要がありますし、その値も使えませんよね。
で、一番悪い計測値の条件が実際の運用に即しているならば、むしろその値がその機体の本当の姿を表しているとも言える訳です。
身近な例としては、車なんかがいいでしょう、アレの燃費をカタログ値と計測値で調べてみると面白いと思いますよ、カタログに書いてある値も一応ある程度のテストを行なっている数値なんですから。
ooi
- 末期の大馬力発動機搭載戦闘機の場合で米軍の飛行試験時の最大速度が日本側の計測値と大幅に食い違っていることについて、燃料その他、高品質、高性能のものを使用した為であるとする説明が一般的だと思いますが、必ずしもそうとは言い切れません。
まず日本側の計測条件は陸海軍とも正規全備状態で連続運転が許される回転数、ブーストで計測することが定められています。米軍が用いたような緊急ブーストに近い運転条件は日本海軍では「戦闘馬力」(離昇運転に近い条件で10分以内 19年末以降採用)と呼ばれますが、この状態での計測は性能表には記載されません。
次に問題となるのが、一部発動機に存在した運転制限です。戦闘機用の誉二〇型発動機は機構上のトラブルから長い期間、陸海軍ともに爆撃機用の誉一〇型と運転条件を同一に押さえるよう規定されています。離昇2000馬力ではなく離昇1800馬力の発動機として扱われていたということです。この制限は戦争最末期にほぼ解消されつつありましたが、それによって性能表が書き変えられることはありませんでした。
燃料が良かった、プラグが高性能だった、という説明よりも影響の大きな要因が上記のように二つある訳です。
紫電改が赤ブーストを引いてF4Uを引き離した、というような事例は現実にあり得ることです。ですから日本側の計測値と米軍の計測値を混用して性能比較することにはあまり意味がありません。
BUN
- わかりやすい解説ありがとうございます。さきほど、駄作だと思っていた紫電のテスト結果を見て、びっくりしてしまい、興奮していたものでして、
落ち着いて考えればそうでした。今後気をつけます。でも、やっぱり米軍の結果はすごいですね(^^)
新高校1年生少年
- 3.を書いた直後にBUNさんの記述を発見し、拝見させてもらいました。日本側の計測方法については全く知らず、米軍と同じように緊急ブーストの状況だとばかり思っていました。とても参考になる資料を有り難うございます。
大変ためになりました。運転制限というのを初めて知って驚きました。それにしても紫電改がコルセアを引き離すと言うのには驚きました。でも、あり得るんですねえ・・(感動中)。紫電改は特に好きな機体ですので。
新高校1年生少年