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質問させてください。 北朝鮮関連で話題になった<コブラボール>について興味を持ちました。 @ 北朝鮮の何を偵察しているのでしょう?(何をどれくらい偵察する能力があるか) A ミグ4機に追尾された、とのことですが護衛はついていなかったのか? B 自衛用の武器等は装備しているのか? C 至近距離に近づいたり、レーダーをロックオンした、ということですが、どこまでいくと戦闘行為となるのか?たとえば、慌てて操縦を誤り、空中衝突や墜落を起こした場合、戦闘行為となるのか? 皆様よろしくお願いします。 としろー |
- 世界の傑作機新版No.43「KC&C-135」によれば、RC-135S「CobraBall」はソ連のICBMの情報収集を目的とした特殊な光学/電子偵察機で、ソ連ICBMの発射実験の際、公海上から弾頭の大気圏再突入および着弾までを光学機器で観測し、同時にミサイル誘導電波のモニタリングを行う任務についていたそうです。
この任務は1992年まで継続されたものの、冷戦の終結に伴い別用途に転用されたそうです。
該当号は93年11月発売ですのでそれ以降の情報は手元にないのですが、転出先が第55航空団(55WG)とのことで、55WGはRC-135系SIGINT機(信号諜報)の元締めのような部隊ですから、おそらくSIGINT機として改装されたのではないでしょうか(北朝鮮をモニターしてたことから、弾道弾観測能力は残しているのかもしれません)。
SIGINT(Signal Intelligence)とは、ある信号がどのような情報/指示/命令と対応しているかを調べるための情報収集で、その性格上膨大なサンプル数を必要とするので、可能な限り長時間(可能なら常時)、幅広い信号情報をモニターしつづける必要があります。
ただし、私はSIGINTとELINT(電子諜報:どのような周波数の電波をどのような目的で使用しているかを知るための情報収集)とのはっきりした違いを認識していないので、間違っている可能性もあります(ぉ
以下は推測になりますが、上記した通り原則として常に行われる必要のあるミッション(状況が緊迫化したときにだけ行われるような性格ではない)なので、おそらく護衛はついていなかったのではないかと思われます。
直接的な武装はしておらず、ECM機器のほかにチャフ/フレアディスペンサを装備しているかもしれません(乗員が機内に持ち込んでいる小火器はあるかもしれませんが)。
戦闘行為の定義は非常に難しいものがあると思いますが、この場合発砲がなければ戦闘行為とはならないのではないでしょうか。
とはいえロックオンは当然ながら“発砲の一歩手前”の段階ですので、戦闘行為に極めて近かった、とは言えるかもしれません。
なお、丸囲みの数字などは、マッキントッシュなどでは文字化けの可能性もありますので、ネット上ではご使用にならないことをお勧めします。
ヒロじー
- 戦闘行為について
例えば、イラク上空を飛ぶ米軍機の場合、イラク軍のレーダーサイトから対空ミサイルの誘導電波が照射されているとわかった時点で、攻撃があったものとみなし空爆を行っています。
今回のケースでもレーダーをロックオンということですから、対空ミサイルの誘導電波がRC135に照射されていて攻撃を受けたとみなされる段階だったのではないでしょうか。
アリエフ
- >(4) 至近距離に近づいたり、レーダーをロックオンした、ということですが、どこまでいくと戦闘行為となるのか?
敵対的行為と戦闘行為とは分けて考えた方がよろしいでしょう。
相手の後方に付いてレーダーをロックオンするのは敵対的行為ですが、それがただちに戦闘行為になるとは思えません。
レーダーをロックオンするとは、言ってみれば銃口を相手に向けるようなものですが、
銃に実弾が入っているのか、ほんとうに引き金を引く意志があるのかは、その行為だけからでは分かりませんから。
>たとえば、慌てて操縦を誤り、空中衝突や墜落を起こした場合、戦闘行為となるのか?
ご存じとは思いますが、実際その通りのことがアメリカの電子偵察機と中国の迎撃機との間で起きました。
でも米中両国とも、それを戦争につながる戦闘行為とはしませんでした。
アメリカは不運な事故として処理しようとし、中国はアメリカの挑発行為と宣伝しましたが。
要するに、これこれの要件を満たしたら自動的に戦闘行為となる、と言った国際的に認められている基準はないということです。
便利少尉