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大戦当時の偵察機のはなしですが、パラソル式高翼機と低翼機を比較すると同じ速度を出すのに必要な出力は高翼のほうが倍近くいるのだそうですが、どういうふうに抵抗が発生するのでしょうか。 ビギナー |
- 98式直協偵察機の開発段階での話なのですが、最大速度300Km/h以上の要求にはパラソルタイプで850馬力必要だけれど、低翼だと450馬力ですむとのことで陸軍の技官が強く主張して低翼にしたそうです。なにも書き込みがないので古い軽飛行機を比較してみたのですが、N62イーグレットと富士F200ではエンジンは同じだし大きさもほぼ同じなのですが、最大速度も似たようなもので、次にセスナ182とビーチクラフト33デボネアでは最大速度が269Kmと314Kmでビーチクラフトの方が少しよいくらい。でもビーチクラフトは引っ込み脚で比較できないかも。先の質問はまとはずれだったのでしょうか。書いてた人は技術大佐にまでなった人なのですが。
ビギナー
- すみません詳細データを持たずに書き込みマス・・・
N62イーグレットは、高翼機ですがパラソル式か?と見るのは??です。また・・
>セスナ182とビーチクラフト33デボネアでは最大速度が269Kmと314Kmでビーチクラフトの方が少しよいくらい。
その50Km/hの差は当時の飛行機にとって「圧倒的な!」速度差デス
さて、直協偵察機の要求仕様を思えば、まず離着陸距離が筆頭であったと思われますが・・・それは低翼機で達成出来る要求だったのではないでしょうか?
次の要求として、最大速度300Km/h以上となれば、ネックとなるのは
各種支柱の、いわゆる空気抵抗だと思われますが、それよりも
パラソル式高翼機レイアウトで、その速度域に対応した機体強度を得るためには・・・重量増が予想され・・・その分、エンジン出力が必要となる。
というのが、例の技官の主張かもしれません。
この技官は「最大速度300Km/h以上の要求にはパラソルタイプで850馬力必要だけれど、低翼だと450馬力ですむ」と主張した際に
「それは空気抵抗がアルからだ・・」とは言わなかったのではないでしょうか?
sinn
- プロペラ後流が主翼の上を通るか下を通るかで航空力学的に違いが出るのかと思ったのですが、そうでもなさそうで。
当時の諸外国の偵察機はほとんど高翼機で、偵察関係者の要望としては視界の関係から高翼機を要求する声が圧倒的であったのを、先の理由と不整地離着陸性能が良くなり、操縦性、戦闘性能もすぐれた機体ができるため、低翼機を主張したそうです。
後のキ76と比較するとキ36は515hpで最大速度349km、キ76で310hpで220km。用途が違うので比較するには無理がありますね。
ビギナー
- 空気力学の入門用としては
http://www.jal.co.jp/jiten/dict/p051.html
↑が参考になると思います。さらに、やや専門的な所としては
http://www002.upp.so-net.ne.jp/a-cubed/index.html
↑ココも良いかと。
98式直協偵察機に関しては >2 でsinnさんがほとんど書かれている通りだと思います。
補足的に記すならば、パラソル式高翼機では、低翼機に比して(仮に前面投影面積や翼面積が同じだとして)支柱や胴体部の伴流と翼の干渉が不利になると思われますが、具体的にどの程度の有害抵抗が生じるかを論じるためには詳細なデータが必要です。
当時の空気力学や風洞実験を考慮するならば、空力設計に関しては(推測ですが)多分に経験則に拠るところが大と思われ、むしろ離着陸性能や脚強度、重量、運動性等の要素から低翼が求められたのではないかと感じます。
生茶