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3137 お久しぶりです。今回は双子エンジンという珍しい形式にも関わらず、いまいち無名のAlison V-3420について質問させていただきます。

V-3420はUSAF Museumの記述を見た限りではたった四機種(XB-19、XP-58、XB-39、XP-75(P-75A))にしか使用されていませんが(おまけに全て試作止まり)、このエンジンはそれほど扱いにくい代物だったのでしょうか。
冷却器などの補機類にえらい重量を喰われそうですが、ギア周りのトラブルなども聞きませんし(実は故障続きだけどもあまり生産されなかったために問題にならなかったとか?)、基本がV-1710だけにそこまで使えないエンジンだったとは思いたくないのですが…。
グリマルキン

  1. XB-42を忘れてる。あれは、いい機体だ
    にも

  2. 回答ありがとうございます。XB-42はV-1710二基搭載と思っていたのですが、V-3420を搭載した機体も存在したのでしょうか?

    グリマルキン

  3. V-1710の双子とV-3420の区別がついてないです。すみません
    にも。

  4. 私はエンジンについて評する知識を持ちませんので、J.Bougher 氏の U.S.Military Aircraft からの抜粋情報だけを記しておきます。

    http://home.att.net/~jbaugher2/b19.html
    http://home.att.net/~jbaugher2/b29_14.html
    http://home.att.net/~jbaugher1/p58.html
    http://home.att.net/~jbaugher1/p75.html

    XB-19 は当初空冷 18 気筒 R-3350 を搭載したが過熱に悩まされ(巡航時でもカウルフラップ全開にする必要があったそうな)、V-3420 に換装し XB-19A となった後は「冷却に悩まされることはなくなった」とあります。

    XB-39 については良かったとも悪かったとも書かれていません。「(B-29 に比して)多少性能は向上したが、量産に移すほど魅力のあるものでもなかった」と記されています。

    XP-58 は冷却について記述がなく、「ターボ過給器不調でテスト飛行がままらなかった」とあります。

    XP-75 は「エンジンはカタログ出力を出せず」「冷却は不足であった」と記されています。


    ささき

  5. 回答ありがとうございます。
    出力はともかく、構造が複雑だったり冷却が面倒だったりして設計、運用側としては採用して大量に生産するほどのエンジンでもなかった、ということなのでしょうか。

    追加質問をさせていただきます。
    このエンジンの構造はクランクシャフトが二本で、それをギアボックスで一本の軸に束ねているのですよね(タイプによって違うと思いますが、この場合は一軸にまとめたタイプです)。
    V-3420は片方のクランクシャフトが停止した場合(片側12気筒のうちどれかが焼き付いたとか)に、ギアボックス側でその軸を切り離すことで、出力半減状態で稼動することが可能だったのでしょうか。
    グリマルキン

  6. XB-42に積んだV-1710の双子とV-3420はどう違うんですか。
    にも。

  7.  >5 グリマルキン さん

     >出力はともかく、(中略) 冷却が面倒だったりして

     #4のささき さんがいう P-75の「冷却は不足であった」は 多分 エンジン本体のことではなく 延長軸ギアボックスの過熱問題のことではないでしょうか
     たしか それ専用に エンジン本体用とは別にエアインテークを付けたはずです
     あと V-3420の簡単なスペックを見てみましたが 空冷のR-3350とかR-4360とかと比べると V-3420は 高さは前2者に比べると小さいものの 幅はかなり大きいです
     また 重量も以下略
     液冷は 空冷(星型)に対し前面面積が小さいというのが長所の1つであるはずなのですが V-3420では R-3350とかR-4360等に比べ その長所がありません
     V-3420を採用している機体が殆ど無いのは それが大きな要因であるのかもしれません
     あと これが一番大きな要因かもしれませんが 登場が遅すぎたというのも問題でしょう
     大戦後の旅客機や現在の軽飛行機を見ると判るとおり 液冷のエンジンはWW2以降は用済みとなったのです
     蒸気表面冷却方等は別ですが それを使わない普通の液冷エンジンでは エンジンナセル・カウリングの空力的洗練化、シリンダの冷却フィンの改良、強制冷却ファン装備 等を行った空冷エンジンに対して 出力あたりの抵抗面積の点で 優位さが無くなったのです
     この優位さが無くなった現在 複雑さを我慢して液冷を使う必要が無くなったのです

     追加
     個人的な主観的判断ですが B-39はともかく B-19もP-58もP-75も エンジンが何であろうが まともな機体に思えません

     >6 にも。 さん

     V-3420は V-1710を横に並べた(サイドバイサイド)形で あくまでも1つのエンジンです
     だから 過給機のインペラも1つで24気筒を賄います
     B-42のV-1710×2は 直列(タンデム)に並んでいます(多分)
     水上機速度世界記録を持つMC.72みたいな感じでしょう(両機ともコントラペラですし)
    セミララ

  8. 手元に一枚だけ V-3420 の写真があったのでアップしておきました。
    http://www.warbirds.jp/BBS/gazo2/img/1466.jpg
    ささき

  9. 皆様詳細な解説ありがとうございます。レスが遅れまして申し訳ありませんでした。

    セミララさま
     V-3420を搭載した機体がほとんど無茶な機体ばかりであることには同意します。
     ただ、このエンジンが#5の追加質問の辺りからHe177の搭載していた双子エンジンのやや成功した同類ではないのかという疑問が浮かんできてまして…。
     とはいえ前面投影面積がV-1710二基分にもなる代物を無理なく搭載できる機体はそうそういないでしょうが…(ゑ、R-40Cの連中が居る?)。
    グリマルキン

  10. 大変申し訳ありません。#9の疑問は過去ログを検索し直した所解決しました。
    http://www.warbirds.jp/ansq_old/A1000222.html
    http://www.warbirds.jp/ansq/1/A2000913.html
    上の二つのログの通り、そのまま同類のエンジンという事ですね。

    後、重箱の隅をつつくようですみませんが、XB-42のエンジン配置は並列だそうです。この機体に関してはV-3420とあまり変わらないのかもしれませんね(苦笑)。

    質問に回答して頂いた皆様、ありがとうございました。
    グリマルキン


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