3114 |
STOVLモードがドックファイトで役に立つ事がありますか? 何か奇抜な使い方を思い付いたら教えて下さい。 ローシー |
- 奇抜かどうかはともかく、
フォークランド紛争の際、英国軍のハリアーは、「ビフィング」という推力ノズルの向きを変える空中機動を行い、アルゼンチン軍のミラージュを寄せ付けない強さを見せました。(アビオニクスでも優越していたのも大事ですが)
当時ニュースを毎日見ていましたが、ハリアーの強さには実際驚かされましたね。
しかも、コンテナ船から飛び立っての戦闘ですから、「シーレーン防衛なら、自衛隊もハリアーを装備するしかない!」と強く感じました。
クリスティー
- VIFF(Vectored-thrust In Forward Flight)ならば、
フォークランド航空戦では実際に使われなかったとする方が通説だと思うが。
便利少尉
- コンテナ船からの実戦飛行もなかったような。中間基地のアセンション島から航空機の輸送にあたったアトランティック・コンヴェア号からのVTOは、単に空母へ「飛び移る」ためだけだったはず。
ハリアーがミラージュに対して優位だったことについても、亜音速域での推力重量比の高さ(最大静止推力/半量搭載重量でシーハリアー1.147、ミラージュIII0.873)とロールレイトの高さといった面で「実は機動力も上だった」ことを見逃せません。
空戦状態のSTOVL機は確実に推力重量比が1を超えますから、これを下手に曲げたり逃がしたり、あまつさえノズルの展開のために空気抵抗を増やしたりするのではなく、素直に普通の機動をしても水準以上の格闘戦能力は発揮できるでしょう。
Schump
- まぁ、VSミラージュの場合はそれでいいですけど、あくまでも相手がミラージュクラスの機体の場合ですからね。VS F-16orF-2(空自)とかの現用第一線機相手だと単発機でも正攻法では勝てないですよね。そういった場合を想定しての「『奇抜な機動飛』は無いか?」とのご質問では?
IFV
- 申し訳ありません、「『奇抜な機動飛行』はないか?」でした。
IFV
- ええっ、そうだったんですか?(ビフィングと、コンテナ船)
私は、当時(5月の連休でもあったので)会社休んでまでニュースと解説にかじりついていて、その種の話がテレビを埋め尽くしていましたので、そうだったのかと思ってました。
当時の解説者も、現場を見ているわけではなくて、ある程度想像と観念で説明していたと思いますので、私の認識違いにつながったのかもしれません。
クリスティー
- >STOVLモードがドックファイトで役に立つ事がありますか?
直観的な判断ですが、低Gの機動なら敵には良い的、高Gの機動なら制御困難
、ゆえに有効性はではないと考えます。
>ええっ、そうだったんですか?(ビフィングと、コンテナ船)
私もそれらは誤伝と聞いています。
はつゆき
- >4
ドッグファイトだけならF-16になら良い勝負だと思いますよ(妙なSTOVLな技を使わなければ)
FBWで機動に組み込んでいたならば、より小さい旋回半径や、より優れたロール率・ピッチアップ等に活用できる可能性は否定できませんし、そういう使い方をしてくるでしょう。
つまり、将来FBWできっちりと作ったSTOVL戦闘機が出現するとしても、その飛行機は、奇抜な飛行を行うのではなく、より敏捷で、より小回りが効き、場合によっては加速力のある飛行機になるでしょう。
SUDO
- #妙なSTOVLな技
戦闘攻撃機として飛行に成功している各種方式の機体が「STOVL機構を使って」機動する場合、以下のような問題に直面します。
1)回転ノズル式(ハリアー)
前進飛行中にノズルを回転させると、そのぶん前進方向の推力をロスしますから、当然速度低下をきたします(特に推力の半分以上を占める前方ノズル)。しかも、各ノズルは重心からごく近い位置にありますから、テコの原理からして、機体にそれほど大きな回転モーメントを与えることができません(Su-37のように尾端にある変向ノズルと比べられたい)。
VTOL用の姿勢制御ノズル(翼端・テイルブーム)を使うテもありますが、これらはあまり大きな推力を出しませんし、エンジンから圧縮空気をバイパスしているものなので、これもまた推力のロスになります(以下共通)。
2)ノズル切替式(X-32)
VTOL用ノズルはほぼ重心位置にあるため、回転モーメントを与える効果はほとんど期待できません。しかも、このノズルを使うには推進用ノズルへのジェット排気を絞って推力を減らしたうえ、ノズル収納部のフタを開けてノズルを突出させる=空気抵抗を増やす必要があり、さらに速度の低下は大きくなります。重心付近に推力変向ノズルをつけたYak-36も、同様の結果になります。
3)推力変向+リフトエンジン・リフトファン(Yak-38/141、F-35等)
ノズルが比較的後端に近いので、推力変向の効果は大きいでしょう。しかし、CTOL機に推力変向ノズルをつけた機体のそれを上回るものではないはず。
リフトエンジン・リフトファンは、存在するだけでデッドウエイトであり、戦闘機動には不利です。しかもこれらを作動させるためには給排気用のフタを開ける(抵抗増)ことになり、しかも前進飛行中のこれらは極端な横風条件での運転になりますので、効率が低下するのはもちろん、正常作動の保証すらできません(リフトファンの場合、若干の推力低下あり)。
Schump
- まだ日の目を見ぬ最新鋭機が、どのようなドックファイトを見せるのか、大変想像力を掻き立てられました。
前に、「F−22は、必ずしもクリーンな戦いをしない」との声明を読んだので、アウトレンジから一撃じゃ、なんだかもったいない気がしています。
エースコンバットの世界は、ゲームの中だけになってしまうのでしょうか?
まぁ、戦争は、起こらないに越した事はないですけれど…
ローシー