3061 |
私の知り合いの叔父が「中島飛行機飛行機につとめていて神風号を作った」と言っていたらしいので、柳田邦男氏の「零式戦闘機」にある九六式陸攻に金星を載せた機かと思いましたがそちらはニッポン号でした。(この機はは1939年に世界一周の最短飛行時間記録を出しているようです) 神風号が1937年に立川〜ロンドン間の最短飛行時間記録をうち立てたことはわかったのですが、この機の詳細を教えて下さい。 Seraphic-gate |
- 三菱キ15(制式後、九七式司令部偵察機となる)の試作二号機を、陸軍の承認の下、朝日新聞社が購入したものです。
昭和11年5月 一号機完成
12年3月19日 二号機工場完成
25日 二号機三菱へ引き渡し
4月 6日 東京発
4月10日 ロンドン着
5月 逓信大臣並びに帝国飛行協会より三菱社表彰
〃 九七式司令部偵察機として量産開始
片
- ニッポン号の世界一周は国際航空連盟公認記録にはなっていません。しかし、外洋におけるADFや夜間着陸装備の運用データ収集に成果を残した意義ある飛行ではありました。
さて、記録飛行後の神風号ですが、英国国王戴冠式の取材フィルムを本社に持ち帰るために5月14日にロンドンを出発して21日に東京に帰還(実飛行時間48時間12分30秒)、その後も朝日新聞社機として記事原稿・写真の輸送等に活躍します。
昭和12年11月 6日 上海で離陸事故を起こし、大破
昭和13年 3月 3日 横須賀海軍工廠での修理を終え、業務に復帰
昭和14年10月 6日 台湾沖の海上に墜落大破、改修されるも廃機となる
昭和15年10月20日 生駒山の「神風記念館」の展示物となる
昭和20年暮れ 米軍により焼却
なお、他に民間で使用された九七司偵には、以下のものがあります。
(朝日新聞社)
「朝風」(I型、12年4月就役、同8月海軍に徴用)
「さちかぜ」(朝風の代機)
「天風」(II型、14年海軍より貸与)
(毎日新聞社)
「金鵄」(II型、14年就役)
(同盟通信社)
1号機(II型?、13年9月納入、10月焼失)
2号機(II型、15年6月就役)
Schump
- (補遺)
毎日新聞社にI型が1機、同盟通信社にII型がもう3機あったようなのですが、ある資料で示されている登録記号が、他の資料では別機種に振られているなど、よく分かりません(軍から貸与されたのを民間登録せずに使用したのか?)。どなたかフォロー願います。
Schump
- >1
三菱へ引き渡してどうするんだ。
「朝日新聞へ」でした。
片
- そういえば、神風号のエンジンは中島製でした。
片
- 小川利彦氏の「日本の傑作機」の中で少し触れられていました。
エンジンは九七司偵1型のがハ−8とされていますので中島製ですね。
どうやらこのエンジンに関わったようです。
お二方ともありがとうございました。
Seraphic-gate