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グローバルホークのステルス性は、高いんでしょうか?どの様に検索しても、ヒットしません。プレデターは、バロバロ言ってるから撃ち落されても当然だけども、グローバルホークは、へーきなんでしょうか? UAVファン |
- グローバルホーク(GH)はアスペクト比の高い直線翼の機体なので、前後方向からの被探知性はあまり低くなっていません。しかし、エンジンを背負い式に装備したり基本的に真下向きのセンサー窓をもたない(写真で見る限り)ことで平滑になった機体下面、真横からのレーダー波をあさってのほうに返すV尾翼や尾翼に隠れたエンジン排気口(横から見て)といった部分でそれなりにステルス性への配慮をしていることがうかがえます。
GHのセンサー類は機首上面から側面(追加センサー類も胴体側面を想定)に装備されており、偵察対象の周囲を旋回しながら飛行することになります。よって側方から下方にかけてのステルス性が考慮されたのでしょう。
しかし、GHの本当の強みは、巡航高度60000〜65000ftという高空を飛ぶことにあります。ただでさえ機体規模が小さくて探知しにくいのに、戦闘機にせよミサイルにせよ到達に時間のかかる高度を飛ばれてしまうと、撃墜がはなはだ困難になるわけです。
プレデターはGHとは全く性格の異なる機体で、ウルトラライト機用の自然吸気型レシプロエンジンを積んで、常用高度はせいぜい1500ft、到達限界高度が26000ftくらいの機体ですし、積んでいるカメラの性能からしても目標からそれほど離れて飛べない機体なので、撃墜されやすいのも道理です。
なお、プレデターのような任務の機体をタービンエンジンで作ると、もっと撃墜されやすくなるのですが、その理由はあえて書かないことにします。
Schump
- 誤記。
「常用高度はせいぜい1500ft」→「常用高度はせいぜい15000ft」
Schump
- 余談ですがプレデターの自然吸気型レシプロエンジン(Rotax 912、排気量1.2L)は現行型では同排気量ながらターボチャージャー付きのRotax 914に喚装されたようですね。
みなと
- 初めての質問に、こんなに丁寧な回答をいただき感涙モノです!感謝。ご好意に報いる為、プリンターを使わずに一言一句メモさせてもらいました。一時、このサイトに全くアクセス出来なくなったので、ハッカーにメチャメチャにされたんだと、絶望していました。 教えていただいた事から察するに、Fー117がボールベアリングだとすると、グローバルホークのレーダー反射面積は、チーズケーキ大ぐらいなんでしょうか? ナイトホークとBー2以降の軍用機と、ステルス性の関係が頭のなかでゴチャゴチャになっていたので、大変助かりました。 それでは、よいお年を。
UAVファン