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3028 実機でも模型飛行機でもヘリコプターは速度が遅いにもかかわらずジェット機より操縦が難しく不安定で事故が多いと聞きますがどうしてですか?
ロックマン

  1.  ヘリコプターは、運動を基本的にメインローターに依存します
     だもんですから、ローターの方向とパワーを下手に操作するとあさっての方向にすっ飛んでいく可能性が常に存在するのです。
     このバランスの取り方(操縦)には独特の慣れが要求されると同時に、ローター周りは複雑な構造なので設計・整備にミスると致命的なことにつながりやすいのです。
    SUDO

  2. 機体を支えられる固定翼がないから、回転翼が停止すると、浮いていることが出来ません。
    と言うことはエンジン故障は墜落に直結します。(オートローテーションは除く)

    通常の固定翼機では垂直上昇やホバリング、後退、定置旋回は出来ません。
    操縦の自由度が多い分、よけいな操作が必要になります。

    kazz

  3.  風見鶏を考えてください、常に風が吹いている方向に頭を向けますよね。飛行機は上下左右とも風見鶏的な安定性があり、常に風が吹いている方向に頭を向けて安定する性質があります。そして飛行機は着陸寸前でも時速 100Km/h くらいの速度で飛んでいるので、余程強い横風が吹かない限り「自動的に進行方向に頭を向けて安定する」性質があります。
     ヘリコプターにはこの安定性が無いわけではないのですが、弱いです。しかもヘリの着陸は殆ど前進速度のない状態で行われるので、風見効果による自律安定は望めません。自律安定性が無いということは、機体が僅かに傾いても元に戻す力が働かず、むしろ傾きを増大する方向に働くということです。そのため、飛行機ならば機体の空力性質で勝手に修正されるような僅かな姿勢の乱れを全てパイロットの操作で補正しなければならず、これが「ヘリコプターは難しい」と言われる所以です。
     ヘリコプターでも前進飛行している間はある程度の風見効果が働くので、離着陸・ホバリング程の難しさは無いと聞きます。つまりヘリコプターは「速度が遅いのにも関わらず」ではなく、「速度が遅いからこそ」難しいとも言えます。
    ささき

  4.  もうひとつ、カップリングというのもあります。例えばホバリング状態にあるヘリを前進させるとき操縦桿(サイクリック・スティック)を傾けて前進方向の推力を作りますが、こうすると垂直方向の推力が減って高度が下がります。従って左手のコレクティブ・スティックを引いてローターピッチを上げて推力を増やします。するとメインロータートルク増大に伴って機首を振る力が発生(上から見て反時計回りのローターであれば機首が時計回り…右に振れる)するので、左ペダルを踏み込んで修正する必要があります。ヘリの機動では全ての操作においてこのようなカップリングが発生するため両手両足を協調させなければスムーズな飛行とはならず、その間も常に上記の姿勢修正を行い続けなければならないのです。
    ささき

  5. >質問者の方へ
    皆さんから固定翼機との操縦の違いが指摘された上で、基本的な事を踏まえておきたいと思います。 回転翼機の事故率(通常飛行時間当りで示す場合が多いですね)が、例えば、同程度の乗員数のビジネスジェット等より多かったとするなら、この事故原因の多くは運用条件の厳しさに起因しているはすです。

    質問者の方が挙げられた"ジェット機"は、軍用機でもないかぎり地上の障害物に衝突する可能性のある低空を延々と飛行することはありません。反面、ヘリコプターは農薬散布にしろ、高圧線の保守にしろ、貨物の運搬にしろ、地上の障害物と隣り合わせで飛行します。 また、ヘリコプターはしばしば、エンジン停止の際に安全に着陸できない高度・速度域(Inside of High-Velocity Curve、通称デッドマンズ・カーブの内側)での運用を強いられる問題もあります。天候もしかり、例えば(米国での例ですが)ヘリコプターは地表から1200フィート以内の非管制空域(Class G)に於ける有視界飛行で、視程の制限が設けられていません。

    これら困難な運用条件こそが高い(のでしょうか(笑))事故率の本質であって、操縦、正確に言えば操縦技術の会得の、固定翼機に対する幾分の困難さ(これらは技量証明取得の段階で克服されているべき問題です)は二義的な要因だと思いますよ。
    みなと


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