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レシプロエンジンについて質問です。 栄から誉に設計を移行したとき7シリンダー三列 21気筒エンジンの案は出なかったのでしょうか? 1)栄と誉を比べると重量が約1.5倍になっている。つまり 三列にしたほうがシリンダー3本多くたせる。 2)冷却に関しても栄はすかすかなので うまく空気を流してやれば三列目まで冷却できそう。富嶽のエンジン設計時に誉の2列(つまり四列)が検討されている。 3)多列化したときの エンジン部品の強度を上げなくてはいけないのは主にクランクのみ。 などと浅知恵ながら 疑問に思ってしまうのですが。 できれば 重量1.5倍 直径栄と同程度 馬力2300オーバーのエンジンになったような、、、 新人無知蒙昧 |
- エンジン直径が栄と同じぐらいならば、シリンダー1本あたりに対する流入空気量は、1/1.5になります。これにシリンダー間を上手く抜けるのは大変だとかが加わるので(当然ですが複列より三列はどうしても不利)シリンダーあたりの冷却空気量は栄よりも相当少なくなります(そして、それは主に後列が被る)
それと、後列のシリンダーは、前列を抜けてきた熱くなった空気を流される事になります。この為、後列のシリンダーは冷却空気量に対する要求が非常に大きくなります。
並の栄の1/1.5以下の量で、そして前二列を抜けた非常に温かい空気で一列分500馬力を冷やすのは非常に難しいといえるでしょう。
SUDO
- 1.5倍になるのがシリンダーの重量だとして、それを支えるためにはもっと重量増加が必要ですね。誉よりもかさばるし重い発動機になってしまいそうです。
片
- 4ストローク・サイクルエンジンは2往復に一回しか発火せず、星型エンジンはクランクシャフトの構造上周回順にしか発火できないので、常に震動問題が付いて回ります。
星型エンジンの基本構造と発火順序は胃袋三分の一さんによる資料をご覧ください。
http://www.warbirds.nu/kakuki/sanko/hosigata1.htm
日本の星型複列エンジンの殆どは前後マスターロッド位相 180 度で、前後のシリンダで上下交互に発火させていました。この構造は「シリンダ周回順に発火する」事によって起こる一次震動を押さえるのが目的でした。しかし前後に離れた気筒が上下交互に発火することによって起きる二次震動に悩まされたようです。
さて星型7気筒×3列21気筒だとマスターロッド位相が 120 度となって、発火順序はこんな風になるのでしょうか。
前 1-3-5-7-2-6-4
中 3-5-7-2-6-4-1
後 5-7-2-6-4-1-3
これだとクランクシャフト1回転ごとに 120 度離れた位置ごとに発火することになり、三次震動が発生しそうです。これにクランクシャフトが共振したりすると大変ですね。3列星型エンジンというのは世界的にもあまり例がなく、おそらく実用化には単列・複列とは全く異なるノウハウが必要となるでしょうし、それは戦争には間に合わないのではないかと思います。
ささき
- みなさま ありがとうございます。
SUDOさん 空気流入量のお話ですが正面に9本もシリンダーをもった物で2列にするより7本のシリンダーで 風通しのよい物を三列つなげた場合とでは 空気流入量もかわってくるのではないでしょうか? つまり 管の中にスカスカのフィルターを3枚、ある程度距離をおいて並べ 管のさきから2気圧の力をかけたものの出口での空気流出量と 同じく目の詰まったフィルター 2枚を重ねて計ったものでは空気の圧縮性を考慮した場合 スカスカ三列フィルターのほうが空気流出量は 多くなるような気がします。もっと数式で表せればよろしいのですがわからないもので、、ご容赦ください。 あと時速300キロを超えるような世界ではシリンダー温度が150度を越えるような場合でも カウリング内を高速で空気が流れている場合、空気の温度が比較的低い世界でそこまで廃熱を気にする必要があるのでしょうか?つまり 前列9シリンダーにして流速を落とすものより 流速の維持を基本とした冷却システムのほうが 効率がよいのでは?流速を落とすから排熱を気にしなくて名ならなくなるのでは?(レーシングカーの世界のインタークーラーは市販の前置きインタークーラーと違いひらぺったく目の詰まったものではなく、もっと厚みのあるものにしてあります。これはそのまま厚みを増した物ではなく 幅を削り 目の詰まってない厚みがあるものにしてあります。エンジンルーム内に余裕のあるRX−7のチューンドカー RE雨宮のレース使用のインタークーラーをみてください。)
ささきさん これは盲点でした。ありがとうございます。真実一路での投稿 いつもだまかまだかと楽しみに読ませていただいてます。(半年は〜長かった〜)お言葉を返すようですが V型12気筒のエンジンは星型7気筒の三列エンジンより長くなるなるように思われるのですが、、この場合、振動はどうなるのでしょうか?また、V型であるため上下振動だけではなくいろいろな振動も出てくるとおもわれますが それよりもひどい振動になるのでしょうか?液冷の場合クランクにカウンターウエイトがついてますが、これは星型での場合 反対側のシリンダー達がその役目をはたしているのでは?、、、
新人で無知蒙昧で頑固な人間ですが なにとぞご教授ねがいます。
新人無知蒙昧頑固一徹
- 素人が失礼します.
以前読んだ「エンジンのロマン」によると,V型とか直列とかの列型エンジンの振動対策は現代でも苦労するところだとか.
外目には分からなくても,内部では強い応力が発生しているんだそうです(私にはよく解りませんが).
それに比べると星型は非常に素直な特性なんだそうです.
どん
- >4
レーシングカーのインタークーラーが厚いモノになって理由は、中を高圧過給された吸気が通るからです。狭いところに通すとせっかくの高圧過給を減らしてしまうからです。レーシングカーは走行条件が市販車よりも限られているので(つまり高速で走るので冷却空気量は稼げる)容積あたりの冷却性能を落として代わりに高過給圧を無駄なく通そうとしているのです。つまり最適解は条件によって異なるのです。
で、廃熱が問題にならないのなら、空冷エンジンってのが成立しません。
高空では、空気の温度も下がりますが、気圧も下がってるので、冷却効率は悪いんです。
また流速で言うなら、シリンダーを抜けた後ではなく、抜ける前を見てください。
18気筒の後列には、間9本を抜けた空気が当たりますが、21気筒後列には14本を抜けた空気が当たります。どちらの方が多いか考えるまでも無い事でしょう。
冷却に苦しんだ誉は、あれでも栄より少しは口径大きいですし(流入空気量が増えてる)一応は正面から見て、後列シリンダーが見えます(つまり吸入冷却気の何割かはそのまま直接後列に当たる)それから考えた場合、21気筒の3列目にあたる冷却空気はどうしたって少ないんです。
勿論、スカスカフィルター3枚は詰ったフィルター2枚よりも流速は出るでしょうが、抵抗が無いという事は、冷却フィンに当たってないって事で、冷えないんです。
真面目な話。一本のシリンダーに必要な冷却フィンの熱抵抗が栄・誉・21気筒で同じならば、一本あたりの空気抵抗も凡そ同じなんです。
ならば、それを口径の限られた中に、ちゃんと全部が冷気に当たるように配置したら、18より21のほうが抵抗は大きくなります。それはもう、どうしようもない事です。
SUDO
- ここで出てくるような空冷エンジンは バイクのようなものとはかなり違い シリンダ周囲にとても細かい冷却フィンがあって 更にその周囲をバッフルプレート(導風板)で囲んであり 非常に狭い冷却フィンとフィンの間に空気を流すということによって シリンダの冷却を行っています
この導風板があることによって 前列シリンダを冷却した空気は後列シリンダのシリンダ間を通り抜け また 前列シリンダ間を通り抜けた空気が後列シリンダの冷却にあたるようになっています
また 複列エンジンを前から見ると 例えば18気筒エンジンでは 前列シリンダが0、40、80、120、160、200、240、280、320度の方向を向いているとすると 後列シリンダは20、60、100、140、180、220、260、300、340度と並んでおり エンジンを前から見ると 前後列が重なった状態で ちょうど20度ずつずれてシリンダが並んでいるように見えます
このように 複列18気筒エンジンでは 前からエンジンを見ても 後列のシリンダが殆ど全てしっかりと見えるわけです(=後列にもしっかり風が当たる)
さて お題の3列シリンダですが 普通に考えると 前から見たシリンダが前中後列 合わせて360/21度ずつずれているように配置されると思うのですが これだと前からエンジンを見た場合 中列、後列が殆ど見えなくなる様な気がしてなりません
もちろん 導風板を工夫して このような配列でも中列、後列に十分な風を当てることができないこともないような気がしますが ものすごく複雑になりそうです
ところで 日本には4列のエンジンとして 寿エンジンの4列版 ハ54(36気筒)や 金星のダブル版 ハ53(28気筒)がありました
ハ53はどのようなものかは存じませんが ハ54は エンジン前面から取り込んだ空気を 1,2列目用、3,4列目用と分け 1,2列目用の空気は1,2列目のシリンダを普通の複列18気筒エンジンのように冷却し また 3,4列目用の空気は3,4列目のシリンダを普通の複列18気筒エンジンのように冷却します(1,2列目を冷却した空気は 3,4列目に当たらないように排出されます)
また アメリカのR-4360というエンジン(4列28気筒)では これまた導風板に工夫を凝らして4列を均等に冷却するようになっています
と 長々と書いてはみたものの....ピントがずれているはなぁ〜
セミララ
- 私が設計者なら7気筒3列21シリンダーにするより11気筒複列22シリンダーにするほうを選びます。冷却、クランクシャフト、などいろいろな面倒を引き起こすよりもはるかに手軽に実現できます。戦闘機用には不向きでしょうがね。
オンブー
- 3列かぁ・・・クランクシャフトが長くなって剛性確保が大変そうだなぁ・・・。R-4360のように一体型にするのも今さらって感じがするし・・・。
胃袋3分の1
- せみららさん ありがとうございました。
R-4360で検索したところ
http://www.wpafb.af.mil/museum/engines/eng34a.htm
を 見つけましたどうやら導風板の問題だけでできそうですね。
エンジン重量の問題がどうやら出そうですが、、、
さて 無知蒙昧 ただいまよりタイムマシンで昭和14年の中島飛行機に行こうかと思います。みなさま 何か戦史の本でも見ていてください、かわりますから。
ではでは ごきげんよう!!
無知蒙昧
- えらい目に会いました、、、
まず中島飛行機に行き 守衛に話しをつけ、中に通してもらい部屋に案内されたのですが、出てきたのはなんと 憲兵、、
しかも R-4360って なんだこらぁ!!って 怒鳴られるし、拉致監禁されるし
ようやく開放してもらい 街中の定食屋で味噌さば定食たべてお金払おうとして 一万円札だしたら ぼこられて 無銭飲食とやらで つかまるし、警察で一晩とめてもらって、 ここであきらめてはいかんと思って海軍にいけば 再び拉致監禁、
もういいです、あんな分からず屋 戦争に負けてもらってけっこう。 身も心もぼろぼろで帰ってきました。
無知蒙昧
- >10 無知蒙昧 さん
このページは導風板が余り付いていないようです
実際はこのようになります
http://enginehistory.org/P&W/R-4360/4360R.jpg
いいなぁ タイムマシンか〜
私もタイムマシンに乗って 戦時下に行って本当の歴史を知りたい
幽霊状態(物理的な干渉を受けず 与えず 誰にも見えず そして空間的移動が物凄く容易(速度無限大?)な為)にならないと厳しいのですが...
セミララ
- R-4360では高ブースト時に気筒に外から水を吹きかけて冷却するという記述を見たことがありますが
レーサーに搭載するときだけだったのでしょうか?
Navy