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世界の傑作機Mig15/Mig17を読んでいたら、鳥養鶴雄氏の解説で「遠心式圧縮機だから、エンジンルームはプレナムチャンバー(気密室)にしなければならない。」とありました。これは初耳でしたが、いかなる理由なんでしょうか?機体設計でも軸流式とそんな所にも違いが合ったとは読んだ事がなかったので、??? カズ |
- まずは、
http://history.nasa.gov/SP-4306/p133.htm(断面図)
http://www.1903to2003.gov/essay/Aerospace/Rolls-Royce/Aero54G5.htm(全体写真)
をごらんください。
これをみると分かるように、エンジン正面は補機類駆動用のギアボックスが占めており、ここにダクトをつないで吸気させることはできません。圧縮器の吸気は背中合わせになったインペラの入口(エンジン前部外周の金網が貼ってある部分)から行われるのです。つまり、ダクトを通ってきた空気はいったんエンジンルームにためこまれて、エンジンはここから空気を吸うことになります。
これは、インペラを2枚使うことによって吸気量をかせぎ、さらにエンジンルームをバッファとして使うことによって、機体の姿勢変化や横風などによる短時間の空気流量の変動の影響を緩和するためです。
現在でも、ヘリ用のターボシャフトエンジンや低速機用のターボプロップエンジンではこのような「エンジンルーム+側面吸気」として空気流量の変動に備えています。
ただし、遠心式=側面吸気ではなく、ハインケルやチュルボメカのエンジンでは正面にインテイクを設けています。
Schump
- 詳細なご説明ありがとうございます。ニーン等の側面吸気エンジンに限定された話だったんですね。納得しました。最初疑問に思ったのはギャレットやチュルボメカなどのヘリコプター用のエンジンでもそうなっているのかな??とかんがえたので。ありがとう御座いました。
カズ