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震電の量産型に搭載予定の発動機は43-44であったようですが、一方でハ45系説も多く見られます。この説の出所をご存知の方はおられませんか? たいへんもっともらしいのですが、一方で関係者の記事に言及がないのが気になります。 a0ri |
- 逆に云うと、推進式の誉61型(NK9M)の開発目的が良く分からないのです。この発動機は18年10月頃には19年3月完成予定で進められており、閃電のMK9Dよりも後発のものであるようです。推測としては、震電の初期にNK9A推進型搭載が候補に上がっていたのかもしれません。
ついでにいいますと、閃電用に開発されたハ43−41型を震電用に改めたのがハ43−42型と43型であり、44型はそのフルカン接手をあきらめハ43−51型に準じて1段3速機械式気化器としたもので、20年夏の時点での新型機への搭載発動機案としては納得のゆくものです。
片
- 時間軸から云うと、19年6月の計画要求書で震電の発動機として指定されているのがハ43−41型特、つまり閃電用発動機の改造案ですね。やはり、それ以前には誉搭載想定で進んでいた時期があったのではないでしょうか。
片
- 震電の基礎設計時点で誉が候補に上がることは大変自然なことだと思います。
ただ、私が見た限りのハ45系説は、何れも試作中に発動機の変更が検討されたことを示しています。http://www.warbirds.nu/data/jp/htm/J7W.htmの記述もこの線ですね。
もしそのような検討が行われたとすれば、ハ43系列の供給数が限られたものになることが誰の目にも明らかとなった1945年春以降のことかと推測します。ところが、公刊されている設計陣の手記や談話には、この件は全く出てきません。
そこが気になるのです。誤報にしてはハ45系説の出現頻度は大きいですし…
a0ri
- >3.あちこちで孫引きされていたとしても、引用の大元は一つなのではないでしょうか。
片
- ああ、伝承のされ方としては数種類あるようですね。
「8月12日誉四二型を搭載して第一回の試験飛行を行った」という説については否定しやすいと思います。実際の飛行記録は12日ではなく、3、6、8日のものが残っており12日には発動機故障中で飛行は行われていませんし、その後の誉への換装が行われていないのは現存する機体を見れば良く分かります。日付はともかく、「ハ四三」四二型と「ハ四五」四二型の混同があったと見なしても構わなさそうです。
片
- なぜそう云うかというと、20年当時誉の高空型として実際に試作されつつあったのは、予定の2200馬力実現が望み得ない「ハ四五」四二型ではなく「ハ四五」四四型だったからです。この発動機は離昇1900馬力であり、MK9Dの代替としては役不足です。震電は日本のMe163足るべく企図された乙戦闘機であり、上昇力はその生命線だったはずです。
片
- 片 さんの言う様に 巷にある震電のエンジンに関する記述では ハ43とハ45(誉)が ごっちゃになっているように感じます
誉42型も誉43型も誉44型も エンジンは推進式ではなく牽引式の型ですよね
ところで 誉61というようなエンジンを初めて目にしたのですが それはどのようなものに記載されているのでしょうか
また 日本の全エンジンが網羅されているような資料は何かありませんでしょうか
誉51型or誉52型がNK9Lとなっているので 誉24型もNK9Lではなかったか などと悩んでいる今日この頃です
セミララ
- >7.
誉二四型はNK9K−Sか−Lですね。二四型が二二型NK9Kの完成形であることからも明らかです。
片
- それから、牽引式かどうかということでいいますとそのとおりなのですが、仮に20年当時に二段過給器付推進型誉の計画が生き続けていたのだとすれば、その原型である誉四〇型系列の変遷に影響を受けるだろうということのつもりです。「誉四二型の推進型」という意味で「誉四二型」とされている可能性も考えてみたのです。でも、「震電3号機以降」の時期には「誉四二型ベース」は多分あり得ないよ、と。
片
- ↑↑もとえ。誉二四型はNK9K。
片
- ありがとうございました
丸メカニックなんかにも 誉24型ル(彩雲改(C6N2)や連山のエンジン)がNK9L-Lとなっていたので...
どこかにエンジンの海軍略号が全部載っているようなものはないのでしょうかねぇ
ところで 未だに-Lとか-Sとか-Oとかが判らないのですが これらはどこから採ったものなのでしょうか
-Sはスリンガー噴射だから判りやすいとして 排気タービンの-Lとか 何なのか全然わからん-Oとか....
セミララ
- ‐Oは酸素噴射かな、と。
片
- こちらの 誉24ルがNK9L-Lとなっているものには 誉31がNK9H-O、誉42がNK9A-Oとなっています
この2つのエンジンは 酸素噴射が為されているのでしょうか
それともNK9L-Lと同じく記述誤り?
セミララ
- 今頃なんなんですが(というか、相変わらず忙しすぎて資料を読み返してるヒマがない(^^;;;;;)、世界の傑作機・1978年10月号の「震電」によれば、1〜2号機が「ハ43−42」、3〜7号機が「ハ43−43」、8号機以降が「ハ43−44」となっていて、その解説には「誉」説はありません。なお、解説を書かれたのは元九州飛行機の技師で震電の動力艤装を担当された倉持勝朗氏です。
胃袋3分の1
- 「世界の傑作機」について、全パージョンで引用頂いた通りであることを確認しました。
今までの議論を伺っている限りでは、ハ43とハ45の名称混同説が納得できそうです。ありがとうございました。
誉説については、実は、終戦前数ヶ月の間に起きた中央と開発側の連絡不備から生じた説かと邪推しておりました。末期的に過ぎる上、混同説の方がよほど明快です。
ところで酸素噴射装置ですが、所謂「サ号装置」だとすると、既成機に後付け可能な体のものではないでしょうか?
a0ri
- >15 a0ri さん
海軍の1次資料ですら MK9とNK9がごっちゃになっていたりします
ところで 誉31、誉42とも 離昇出力が2200hp@回転数3200rpm@ブースト+600mmとなったものです(従来の誉21などは2000hp@3000rpm@+500mm)
これは酸素噴射によって実現したものなのだろうか
セミララ
- お話が収斂しつつある中で基本的な質問をするようで恐縮ですが、それら推進式と牽引式のエンジンには具体的にどのような差異があったのでしょうか?
みなと
- >17
震電用の場合は延長軸と吸出しファンですね。
SUDO
- >18
追加。
これは推進式だけとは言えませんが、推進式ですと出力軸が逆転してるはずなんで、ペラが逆ピッチになるか、もしくは減速歯車で逆転させていると思います。
SUDO
- >17 みなと さん
空冷エンジンでは(震電のエンジンの場合も) 冷却空気の流れが逆になることが大きい相違点でしょうか
シリンダ周囲にあるバッフルプレート(導風板)が 推進と牽引とでは逆に取り付けてあります
セミララ
- >18,19,20 ありがとうございます。軽飛行機用の推進型ピストンエンジン、コンチネンタルO-200Bに見られるようなフランジ/クランクシャフトの強化が考慮されていたかどうかが知りたかったのです。
みなと
- >13
遅くなりました。
十八試局戦で予定された四一型NK9Aが出力が足りないので、NK9A-O誉四二型に変更となって試製陣風となります。この発動機は酸素噴射ありなのです。
片