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よく「日本軍の航空機防弾設備は不十分で、逆にアメリカ軍は充分に防弾されていた」などなどといわれますが、第一次世界大戦で航空機の軍事運用が確立されてから、航空機の防弾設備はいたい何時ごろから施されるようになったのでしょうか? 出来れば初めて防弾設備が施された軍用機の名前なんかも知りたいと思います。皆様よろしくお願いします。 代々木 |
- 防弾、というだけなら、1915年の春にモラン=ソルニエL型(仏)がパイロット前面に防弾ガラスをつけています。といっても、これは同調装置が導入される前にプロペラに防弾板をつけて機銃を撃っていたとき、ここから跳ね返ってくる自機の弾を防ぐものでした。
敵弾からの防御としては、すでにWW1中頃には地上攻撃に投入された機体に現地改造で防弾板を追加することがあったようで、戦争末期にはソッピース・サラマンダー(英:キャメル爆装型)のように標準装備化したものもあります。ただし、空中戦においては、エンジン出力がまだ低かったせいもあり、機動性を殺ぐ防弾装備はほとんど使われませんでした。
さて、最初から装甲を取り入れた設計の機体といえばユンカースJ.1(独)で、エンジン、燃料タンク、パイロット、後部銃手までを納めた区画を厚さ5mmの鋼板で作るという、シュトルモヴィクの先駆のような構造になっています。ラジエターはこの区画外ですが、地上から見ると装甲区画や金属性主翼の陰になるので、やはり充分な防御がなされています。
Schump
- >1
何かおかしいな…J.1の主翼はいくら金属製だからといっても、厚さ1mm程度のジュラルミン板外皮なわけで、それ自身の防弾性能は疑問ですね。ただし、内部は鋼管をトラス状に組んでありますので、地上から打ち上げた小銃弾がまっすぐラジエターに達する可能性はまぐれに近いでしょう。
Schump
- なるほど J・1ですか。WW1の時から防弾設備はあったんですね。そうやって考えると、WW1にちょこっとしか(というか無理やり)参加しなかった日本は飛行機の重要性には気づいても、防弾に対する認識は甘くなってしまったのかも知れませんね。 Schump さん有難うございました、とっても参考になりました。
代々木