2962 |
陸軍の飛行機は海上で使えないと本で読みましたがこれは飛行機に 問題があるのですか、それともパイロットの関係ですか T |
- いつの時代の、どこの国の話でしょうか? それによって違ってきますよ。
tac
- 旧日本軍の太平洋戦争中の話です。書き忘れました。
T
- 使えないということもないのですが・・・。
よく言われているのは、
海の上を飛ぶときの参照航空図は海図を元にしたものを使います。
というのは、一般の地図というのは陸地のみを測量して製図するので、陸地の地形は正確に描かれていても、海の距離が正確に描かれていません。
陸軍の持っている、地図から引き写した航空図では、海上距離に誤差が出ます。
距離の誤差は方位誤差にも重なり、結局長距離の海上翔破をして海の中の点のような島なり目標の艦隊なりに目標にたどり着くことは不可能だと。
では、海軍なり逓信省なり(当時の逓信省は今の運輸省・・・えー、国土交通省ですね、を兼ねていましたので、商船の運航にも責任を負っています)から海図を譲ってもらってそれで飛べばよいかというと、海図の縮尺は船舶で使うのに都合のよいように浬(海里・ノーティカルマイル)で作ってあるので、計器がKm表示の陸軍機では計算間違いをやらかしやすいのであると。
ただ飛ぶだけでも「六割頭」になるのが飛行機ですから、これはかなり重大な問題になるのだと。
しかし、実際には海軍は陸軍仕様のままの百式司偵を貸してもらって何度となく長距離の海上偵察飛行をやっています。
九七司偵の海軍型の九八陸偵は計器からスロットルから海軍仕様になっていたそうですが、開戦早々に九八陸偵が陳腐化し、彩雲が出てくるまではこの借り物百式司偵が事実上海軍唯一の頼りになる「千里眼」でした。
また、対艦攻撃に出撃していた四式重爆の計器がノット表示に改められていたという話も聞きません。
隼で海上飛行して仏印に進出した例もあります。
要は準備と訓練でどうにでもなるものなのだと思います。
ちなみに、米陸軍機もマイル(哩)表示の計器ですが、これがノット表示でなくて海上飛行に困ったという話は全く聞きませんね。
まなかじ
- 横あいから追加で質問してよいでしょうか。
飛燕の戦隊がニューギニアに進出中、機位を失い、半数が脱落し
一戦も交えぬうちに操縦者ともども機体が失われた事件があったと聞いています。
また、海軍と異なり洋上飛行に慣れていないため、本土からの進出には
海軍以上に日数を掛け、島伝いに飛行したとも聞きます。
これは事実でしょうか?
らおこーん