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YF23などにみられる菱形主翼は、ステルス以外の利点にはどういうものがあるのでしょうか? カーフ |
- とりあえず、知っていることだけを…。
YF-23に採用されているような極端な菱形の主翼は、実は飛行特性がよくわかっていません。NASAにおいても、このような形状の主翼の実験機は作っていませんし、旧ソ連で作られた物は空中分解し、その後テストは行なわれていないようです。
Sparrow
- 菱形、とはいかないまでも極端なテーパーのついた直線翼を用いた戦闘機としては、ヤコブレフ1〜9系列があります。
同機についてよく言われる空力上の欠点としては、翼端失速しやすく、旋回中やループ頂点付近での不意自転を起こしやすい(前縁後退角が大きい)ことがあります。
また、質量が比較的重心付近に集中していたので表面化しなかったのですが、低速時に補助翼の効きが鈍かったといいます。これは、補助翼がそれ自身にかかる空気力だけでなく、その前方の主翼面の揚力を増減させることで効きを得ていることの裏返しです。
それでもヤコブレフが強いテーパーの主翼を採用したのは、強度面で不利な(大量生産のために木材の質を下げたのでよけいに)木製主翼を荷重に耐えられるようにするために、できるだけ付根を太くしたかったという事情によるものです。
Schump
- カリフォルニアのエアロバティック・パイロット、エディ・アンドリーニ氏は真紅の Yak-9 を駆ってアクロバットを演じますが、彼いわく「この機体でもっとも難しいのは単純なループだ。最新の注意を払って操縦桿を扱わないとすぐ軸線から外れてしまう」のだそうです。
ささき