QQCCMMVVGGTT
2879 よく太平洋戦で急降下爆撃で撃沈、大破した!と言われてましたが
最低限、どの位の距離まで降りないと急降下として扱われない
のでしょう。

また、急降下すると言う事は反対に相手側の戦艦等も<射程距離圏内
に十分入る!>と言う事になるんですよね。

そんな恐ろしい事をよく出来たものですね”
それこそたたき落とされるのを覚悟で急降下するんですか?
なんか神風と同じ様な気がしたんで”

急降下中に被弾すれば落下傘脱出なんて無理ですよね。
その辺をお聞かせ下さい。それと当時の急降下爆撃の成功率(相手の損害はさておき、生還出来たと言う意味で)も詳しい方おりましたらお願いします。
コンバットカラス

  1.  特に何メートルまで、ということはないのですが降下爆撃には緩降下と急降下の二種類があります。
     一般に急降下爆撃というのは降下角度が30度以上になるものを言うようです。それに満たないモノは緩降下。
     急降下は当然スピードが速くなることと、爆弾を落とした後の急上昇(45度で降下した後45度で引き起こすと結果的に水平になる、ってことで)が必要なこと、この二点から機体の構造が頑丈でなければなりません。
     急降下が可能な機体は急降下を行い、できないものは緩降下で我慢している、というイメージで結構かと思います。
     で、肝心な降下高度ですが、日本軍では600〜800メートルでの投弾を基本にしていたようです。ただ、これはあくまでも爆弾を落とす高度であり、爆弾を落とした後も機体は降下を続けているということをお忘れなく。
     投下後に機体の引き起こしをして水平飛行に移れるのは300メートル以下らしいです。100メートル以下というケースもあるようですが、そこはケースbyケースのようですね。
     投下高度を低くすれば命中率は上がりますが引き起こしが難しくなります。しかしながら無理して低高度で退避すれば対空砲火に捕まりにくいという利点もあるそうなんですが……<ここはちょっと自信ナシ。
     急降下爆撃は自身の被弾する確率を上げれば(相手に近寄れば寄るほど)命中率も上がるという諸刃の剣です。
     大戦後半に米軍の対空砲が強力になると凄い被撃墜率を上げるようになりました(^^;
     ちなみに降下中に被弾しても爆弾を落とすしかありません。(捨ててから逃げるってのはありですが)
     急降下を始めたら爆弾を落として機体を水平に戻すまでまったく脱出のチャンスは無いと言っていいでしょう……(T_T)/
     急降下爆撃の精度は敵の対空砲火の精度と相関性があります。
     対空砲火のまばらな目標に練度の高い爆撃機が行う場合、相手が動いていても命中率は80%以上に達することがあります。
    例としてはインド洋で英空母ハーミスが日本の艦爆に襲われたときは90%とされています。これが一番高い例でしょうか。
    スタンダードな例としてはミッドウェイで日本の三空母が被弾したときはおよそ三割。
     撃墜さえされなければ大型艦に対する命中率は三割程度とかんがえていいようです。
     急降下爆撃の生還率は雷撃と比べれば高いものの、機体の脆い日本機では後半になると厳しかったようです。
     VT信管(そういう強力な対空砲の信管が開発されたと思って下さい)以前は二割、以後は八割の損害と思っていいのではないでしょうか。ただ、爆撃法を変更し、命中率が低下するかわりに被弾率を落とすようになってからの被害は六割くらいのようですが……。


    ビス

  2. 原則的には緩降下爆撃の方が高速で降下します。
    急降下爆撃は機体の引起しの関係から投下高度を高く取らねばならず、速度もかなり押さえて降下しなければなりません。これに対して緩降下爆撃は引起しが緩い為により高速で降下でき、低い高度で爆弾を投下することができます。
    低い高度で爆弾投下すれば命中率は向上する反面、爆弾の撃速が低下して装甲貫通力が低下しまいますが、その分を降下速度の向上で補い得るというのが緩降下爆撃法の理論で、決して急降下爆撃法の代用戦法ではありません。
    戦争後期の日本海軍急降下爆撃機の降下角度が一般に浅くなる背景には高速化した新型機により緩降下爆撃のメリットが更に高まり高速降下による損害軽減も含めて、急降下爆撃法よりも有効な戦術として主用されるようになったという戦術の転換が存在します。
    BUN

  3. 日本海軍の急降下爆撃の基本的パターンに考察を加えつつ、こんな考え方じゃなかったのかな、というところで、
    ・出来るだけ高々度から20度程度の浅い角度で降下することにより速度をつけ、高速で接敵する。奇襲効果を得るため。
    ・高度2000mで失速反転して機速を殺し、45〜70度の急降下に入る。急降下照準中は抵抗板を出して速度を抑える。急降下に入ってから600mで投弾するまでの所要時間は15秒に満たない(降角60度の場合)。急降下に入った時点で発見されたとしても、敵対空砲火の照準に必要な秒時もあるし、急降下中は敵に向首しているので機体の面積が最も小さくなっている。
    ・引き起こし中は角速度が大きくなるので、対空砲火の追従が間に合い難い。
    ・投弾後は海面すれすれの高度ゼロで出来るだけ早く敵を離れる。必要以上に上昇に転じることで速度を失わない。


  4. 皆様、ご丁重に有り難うございました。

    いゃ〜爆撃にもさまざまな投下法がある
    んですね!!
    コンバットカラス

  5. 芦屋基地のエアフェスタ(航空際)でF-1のフライトプランを見たら降下爆撃は30度
    緩降下爆撃は15度になっていました。30度でもかなりの角度で降下してるように見えます
    vought

  6. 蛇足ですが。
    角度の実感は、スキー場などで斜面を上から見おろすと多少はわかるのではないでしょうか?
    30度の斜面は定規で見るとたいしたこと無いように思えますが、上から見るとまっ逆さまに感じます。
    kazz


Back