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2863 今、自家用操縦士の資格がほしくて、航空関係の専門書を読んでいます。

ピストンエンジンは外部温度と湿度の影響でキャブレタ−に氷が付着して、
出力低下が起きたり、最悪、止まったりする。

その防止にキャブレタ−に熱い空気を入れる。とあります。
疑問は熱い空気を入れて、氷が溶けて水になる、のは理解できるのですが。
その水はエンジンの燃焼室に吸い込まれるのでしょうか?
それとも、気化器から外に流れ出てしまうの構造なのでしょうか?

気化した燃料と一緒に吸い込まれたら、エンジンに悪影響はないのだろうか?
不思議でその記述された書物が見あたらないのでよろしく教授お願いします。
たまご

  1. えーとですね、飛行機って雲の中や雨の中を飛行します。
    燃焼室に入った水は熱い燃焼室の温度で蒸発してしまいます、ミネラル分が燃焼室の壁面に付着する可能性
    はありますが、カーボンの付着よりは量が少ないでしょう。

    ピストンエンジンで怖いのは「砂」です、シリンダーやバルブがダメになるそうです。
    道をゆく大型トラック用エンジンでもお猪口のハカマ(お酒を入れるほうではなく反対側の部分)一杯分の砂が
    エンジンを通過するとオーバーホールが必要になると聞き及びます。
    早房一平

  2. インテークマニフォールド内の着氷には、燃料に気化熱を奪われ冷却した空気中の水分が凝結するFuel Iceと呼ばれる現象と、スロットルバルブの開度が低い際、スロットルバルブを通過時の空気の圧力が低下するために拡張冷却するThrottle Iceという現象があります。Fuel Iceはもちろん湿度に依存しますが外気温が4℃から30℃の広い領域で、またスロットル開度等の条件によっては38℃程度まで発生し得る現象ですが、特に外気温10〜15℃で湿度の高い日は要注意、このような日は
    エンジンをかけてもアイドリングを維持するとものの10秒程でエンジンが止まってしまうことすらあります。

    さて、ご質問の着氷の融解した水ですが、そのままエンジンに混合気とともに取り込まれます。混合気の量と比して比較的少量なので御心配なく。
    離陸前のエンジンチェックで、キャブレターヒートをApplyしエンジン回転数が100回転程「落ち」れば正常、逆に回転が上がってゆくようなら着氷しています。
    十分融氷して再度チェックしてから離陸しましょう。
    また、キャブレターヒートの機構は大抵の場合、エアクリーナーを経由せず、排気管の周囲の暖気を直接インテークマニフォールドに取り込むので、砂塵を取り込む可能性のある未舗装の滑走路等での使用には注意が必要です。
    頑張ってください。

    みなと

  3. 早房一平さま、みなとさま、御教授ありがとうございます。

    アイドル継続時間・・・10秒間!
    キャブヒ−トの操作後、回転数ダウン(正常)と上昇(着氷中)
    未舗装・・滑走路の砂は厳重注意!

    しっかり、記憶いたしました。
    たまご

  4. >アイドリング10秒間
    条件が悪く、且つエンジン始動直後等の極端な場合にそのような経験をすることがあります。エンジンが十分に温まっている場合はそこまで極端ではありませんが、飛行中、エンジン回転計を常用域(グリーンで記されている回転域)より下に落とす場合(着陸進入時等)、アイシングを事前に回避する目的でキャブレターヒートを併用すると考えればいいと思います。 もちろん、グリーン域であっても条件によっては時々着氷をチェックすべきですが。
    みなと

  5. キャブヒ−トを使用すると、エンジン回転が下がる・・・は。。

    たとえとして、暖かい空気は空気の粒が大きくなっている。
    それで、気化器を通る空気の量は粒が、大きい分通る数が少なくなる。
    よって、回転が下がると考えて良いのでしょうか?

    模型のエンジンで気化器の空気取り入れバルブを閉じると回転が下がります。
    気化器に着氷というのは、その閉じるという部分に相当すると思います。
    回転を維持するためにスロットルを加速位置に操作してる状況の中。

    キャブヒ−トを使用すると、氷が溶けて空気の流量が増えて、
    スロットル本来の位置に回転がもどる(この場合回転上昇)と
    考えて良いのでしょうか?

    間違った推論と思われるところの御指摘をよろしくおねがい致します。
    たまご

  6. はい。「空気の粒」という表現がちょっと目新しい感じがしますが、「粒」を空気の構成分子
    各々の、単位時間の平均行程を半径とする球状領域とでも理解すればそのような表現で概ね
    結構だと思います。
    要は吸入空気の温度<上昇>→吸入空気の密度<減小>→吸入空気、単位体積中の酸素量<減少>
    ということです。

    従ってキャブレターヒートを戻し忘れ、且つ、スロットルをハイパワーセッティング(離陸時等)
    に設定し直し、この状態を継続した場合、濃厚すきる混合気に由来する問題(プラグかぶり等)を
    誘引する可能性があります。
    (タッチ・アンド・ゴー等の練習時にこのようなミスを犯す可能性がありますね。タッチ・アンド・ゴー
    の操作手順でスロットルとキャブレターヒートをセットで操作することを教えられる背景には、このような
    問題を回避する意図があるのです。)

    また、通常キャブレターヒートを使った場合、エンジン回転数・エンジン出力共に若干落ちるという
    理解で構わないのですが、外気温が十分に低い場合(-10℃以下)、キャブレターヒートの熱が燃料の気化
    を促進する為エンジン出力が若干上がる場合もあることも、知っておいていいかもしれませんね。
    みなと


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