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2840 モーターカノンといえばほとんどが液冷エンジンばかりですが、
空冷の実用例、ないし計画はなかったのでしょうか?
それとも構造的に無理があったんでしょうか?

#過給器の場所が苦しいかなと素人目にはおもえるんですが。
wittmann

  1. 星型エンジンのクランクシャフトとコンロッドの構造を見て頂ければ、中心軸に何かを貫通させるのは無理だとご理解頂けると思います。P-39 のように胴体後部にエンジンを埋め込み延長軸でペラ駆動して同軸機銃を埋め込むアイデアはイタリアのピアッジオ P.119 試作戦闘機に例が見られます。
    http://www.warbirds.nu/kakuki/sanko/hosigata1.htm
    ささき

  2.  モーターカノン対応のV型液冷エンジンは、クランクシャフト軸からギアを介して回転を上方(倒立V型なら下方)にあるプロペラ軸にもっていっています。こうするとVバンクの間を通ってきた機関砲の砲身がプロペラ軸の中を通ることができるわけです。
     空冷星型エンジンの場合、気流が全シリンダーに均等にあたるようにするためには、プロペラ軸はエンジン中心=クランクケース正面、つまりクランクシャフトと同軸になければいけません。ここに砲身を通そうとすると屈曲しているクランクシャフトの中を通すことになりますが、当然ながらそんなことは不可能です。
     空冷V型というエンジンもありますが、この場合、Vバンクの間は冷却空気を通すための貴重な通路ですから、やはりやめておいたほうがいいでしょう。
     空冷でモーターカノン対応にできる可能性があるとすれば、水平対向か直列になりますが、これらは戦闘機にするほどの高出力が出せる形式ではないので、問題外です。

    (以下ヨタ)
     空冷星型エンジンでプロペラ軸になるべく近い位置からタマを撃とうとした例としては、九七戦等が採用した「単列エンジンのシリンダー間の隙間から同調機銃を撃つ」というのがあります。当然、高出力化にともなって複列エンジンが主流になると不可能になりました。
     空冷星型でもクランクケースからずれた位置にプロペラ軸があるものとしてはイギリスのポプジョイ・ナイアガラというエンジンがあります(プロペラ軸位置を高くして機体の脚を短くするため)。ただし、90〜110馬力という発熱量の小さいエンジンなので許された技法ですが。
    Schump


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