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たびたび質問します。 10数年前に児童向けの零戦の本(当時でもボロボロで古そうな本でした)をみていたところ、機銃の威力に関する解説がありました。その中には以下のような解説。 【13mm銃−−−機体に大きな穴を開けることが出来る。 20mm機関砲−−−これを数発喰らうと機体はバラバラになる】 とあったのです。おおむねこれで正しいのは分かるのですが7.7mm銃の項に『7.7mm銃−−−ブスブスと機体を突き抜けるが、エンジンかパイロットに当たらない限り撃墜できない』とありました。つまり「貫通はするが実効果はない」と私は解釈したのですが、実際そんなものなのでしょうか? 航空ファン |
- 7.7mm にも焼夷弾はあります。木製や布張りの機体だと直接の引火効果が期待でき、また徹甲弾などで射貫した燃料タンクから漏れたガソリンに引火させて撃墜を狙うこともできます。しかし 7.7mm 徹甲弾の貫通力は 100m/90 度で 10mm 未満、また 7.7mm 程度の穴はゴム被服防漏タンクで塞ぐ事が可能であり、装甲板と防漏タンクを装備した機体を 7.7mm で撃墜するのは至難の技です。
ささき
- 第二次大戦時の航空機の多くは応力外皮構造ですから、外板に穴が開けば強度が下がりますので、7.7mmでも多数打ち込まれたら速度が出せなくなるとか、翼等がちぎれるといった事態は起こるでしょう。
以前、高速道路を走っていたときに、車の窓ガラスの雨よけカバーの取り付け台の一部が外れたんですが、あっという間に風で雨よけカバー(かなり分厚いプラスチック)がめくりあがり、数秒後バキンと折れ飛んでしまいました。たかが120km/hでもこんなもんですから、被弾で外板に傷やめくれが出来たら、かなり怖い事になるでしょうね。
SUDO
- SUDOさんのおっしゃるとおり、一度に被弾数が多いと生還しても機体を工作廠に還納して重度の修理が必要になったりします。
問題は、そんなに多数の命中弾を一時に与えられることがチャンスとしてしばしばあり得るかどうかですよね。空戦で被弾といっても、一、二発程度ということもよくあるし、大口径弾なら命中弾数が少なくとも大損害を与えられます。
片
- 7.7から7.9mm口径の被弾というのは青島攻防戦に海軍航空隊が初めて出撃した時から発生しています。この時は翼を貫通されただけで、燃料タンクもエンジンも操縦索も無事でしたので帰還できたのですが、元々、小口径弾はそういう物だったのです。本来それで良かったのですが、頑丈な全金属製の機体になってから角度によっては機体外板が機銃弾を跳ね返す事もあり、また金属化された主翼桁やその他構造材を破壊できないなど、相対的な威力が不足し7.7mmの普通実包の武器としての効率が悪くなった為に7.7mm徹甲弾の一般化や機銃そのものの大口径化が進んだという事で、効率よく全金属製機にダメージを与える為に「大きな穴をあける」13mmクラスや、主桁を折り翼を破壊できる20mmクラスの機関砲が必要とされて行くのです。
BUN
- 答えになってなくてすまんのですが、その本は秋田書店の「ゼロ戦と戦艦大和」では?
strafe
- >5
おぉ! そんなタイトルだったように思います。よくご存じで。
それにしても皆様、短期間の内にたくさんのご解説を頂きあらがとうございます。
航空ファン
- > おぉ! そんなタイトルだったように思います。よくご存じで。
秋田書店は子供向けの軍事ハードカバー本を出しておりました。(というより、子供向けの軍事本を出している出版社は他になかった?)
無論子供の小遣いでおいそれとは買えるものではなかったのですが、中にはソフトカバー(背綴じ?)の安価な本も若干ありました。その一冊が「ゼロ戦と戦艦大和」です。その内容は今想いだしてもすごいものばかりです。(艦橋の「露払い」の13ミリ機銃手の手記や、沖縄へ特攻した大和へ米戦艦部隊が攻撃をかけようとしていた話とか)
そしてきょう戯れにgoogleで検索したところ、なんと秋田書店のハードカバー本は今でもカタログに載っているものがあるじゃないの!こちらこそ、子供の頃の記憶を呼び覚ましてくれたことを質問者の方に感謝します。
strafe
- 秋田書店の1972年発行、写真でみる大平洋戦争シリーズ全6巻。A5判上製
箱入のことかな。真珠湾攻撃/シンガポール攻略戦/ゼロ戦と隼/空母/大和と武蔵/神風特攻隊 の全6巻1972年当時1冊540円。
ゼロ戦と隼(8393-211003-0028)監修 冨永謙吾、野沢 正 著 の
P170には、「機関銃砲の威力(ゼロ戦 隼 ものしりコーナー)」として、
7.7ミリ級では命中しても小さな穴があくだけで、げきつい効果はすくないが、12.7ミリ級では射程が大きく、うすい防弾板をつらぬくほどの威力がある。20-30ミリ級は命中すると瞬間的に爆発するからげきつい効果も大きい」(ひらがなの部分は原文のまま)とあり、7.7ミリの貫通した機体の写真と機関砲(海軍では機銃と呼んだ、20-37ミリ級)のあたった状態として、ぼろぼろになった機体の一部の写真が対比されて掲載されています。この本は全部ルビ付きで、難しい漢字は使われずひはがなで(軍事用語は漢字)あきらかに小学生程度を読者層にしていると思われます。箱絵やイラストに故小松崎氏のものも多く、宝物になっています。
98式直協機
- > 秋田書店の1972年発行、写真でみる大平洋戦争シリーズ全6巻。A5判上製
> 箱入のことかな。(略)全6巻1972年当時1冊540円。
質問者の航空ファン氏が見たのは表紙が厚く堅ければ「ゼロ戦と隼」で、A5版コミックのように薄ければ「ゼロ戦と戦艦大和」でしょう。いやどっちでもいいんですが。
私事で恐縮ですが私が欲しくても高くて買えなかったのは上製の「世界の戦闘機」や「世界の軍艦」の、「写真で見る世界シリーズ」。「〜太平洋戦争シリーズ」はまだ出ていなかったので、戦史は別の出版社ので済ませた。
「ゼロ戦と戦艦大和」がいかに安かったかというと、7.7mm〜20mmの威力比較図がイラストなんです。ですから質問者の記憶の解説が写真ならその本は「ゼロ戦と隼」で、20mm弾でバラバラになるP-40の絵なら「ゼロ戦と戦艦大和」と思われます。
いやどっちでもいいんです。今となっては「飲み残した一杯のアブサン」ですので。
strafe
- 便乗質問でスミマセン。秋田書店のそのシリーズのなかに吉田俊雄著作の「◯◯(失念しました。壮烈だったか?「写真でみるヨーロッパ戦線」シリーズのタイトルと混同しているかも)水雷戦隊」という本がありませんでしたか?
確か長門乗り組みの士官が天津風で航海長をするエピソードから始まっていた筈ですが。
>8・9
- ↑ 失礼しました。>8・9は質問の冒頭に書き込むべきでした。
けーくん
- > 「◯◯[略]水雷戦隊」という本がありませんでしたか?
ありました。秋田書店のWebページの刊行物検索→検索方法選択→シリーズ名(オプション)から「ジュニア向け単行本」を択んで検索した142件のリストの中に「壮烈!水雷戦隊」が。
リストでは写真で見るヨーロッパ戦線/太平洋戦争/連合艦隊全部残っています。
他にも「拳銃画報」「世界の戦闘機」「ハトと小鳥のかいかた」など、今すぐ飯田橋まで行きたくなる本ばかりです。でも「ゼロ戦と戦艦大和」はありませんでした。
strafe
- ↑早速の回答ありがとうございました。ただ、私は「壮烈!水雷戦隊」が回答8や回答9の写真で見る太平洋戦争シリーズ「全6巻」のなかに入っていなかったので、特別の事情があったのかと思ってしまったのです。
けーくん
- ↑12
まだ販売している可能性あるわけですね。1冊540円はとんでもない高い本
だったので当時10才程度、手に入れるのに配本のタイミングに合わせ必死
に資金を稼いで(使わない)いました。でも、第5回配本の空母だけは間にあわず、手に入らず。今だ販売しているようですので手に入れたい!当時540円
今800円というのは。。strafe様、感謝します。
98式直協機
- >13 >14
全集本の配本がが必ずしも第一巻から順番になるわけではないし、予定通り全巻配本されないことがある、ということが子供の頃はなかなか理解できませんでした。ですから巻数について記憶違いが生じるのは当然と思います。秋田書店に目録があってよかった。
私は「栄光の名機・名鑑・名戦車」の入手可否を調べます。というのは「ゼロ戦と戦艦大和」絶版後、その内容を半分くらい受け継いだ本が出たところまでは調べたのですが、その書名がわからなかったのです。これがそれのような気がするのです。
感謝はヒントをくれた元の質問者・航空ファン氏へしようじゃありませんか。
それと秋田書店からリンクを辿るうち、十数年来探していたミリタリーマンガグッズの販売先を見付けてしまいました。益々元質問者に感謝。
strafe
- >9
そうです。イラストです!! しかもかなり幼稚っぽい飛行機のイラストでした。P−40までかどうかは忘れましたが、3つのイラストがあって、それぞれの種類(7.7o&13o&20o)の弾丸が命中した状態のイラストでしたよ。本を開いた時、そのイラストは左側ページの中段、ないし下段あたりだったと思います。まぁ話すと長くなるのでこの辺で。ありがとうございました。
航空ファン