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月光で酸素噴射装置の実験が行われらしいのですが、これはメッサーシュミットBf-109KのDB605エンジンに装備されていた亜酸化窒素装置と似た様なシステムだったのでしょうか? のんびり |
- 学研の歴史群像 NO.33「零戦2」で古峰文三氏と胃袋三分の一氏がそれぞれ言及されていますが、亜酸化窒素ではなく液体酸素を気化して吸気管に噴射するシステムだったようです。
ささき
- スーパーチャージャーで加圧されて熱くなってしまった吸気を、液体酸素で冷却しつつ高出力を得るって事でしょうか?吸気の流速が遅い時に噴射したら、バックファイヤを起こしキャブレターのバタフライバルブが損傷する事はないですか?
のんびり
- 単純に「より多くの燃料を燃やす」ために「より多くの酸素を供給する」事を狙った物です。
冷却効果は無いとは言えない程度で水噴射の方がより冷えるでしょう。
航空機用エンジンは全速回転でも3000回転ですからバルブのオーバーラップは少ないはずですし、そもそも酸素噴射する場合は馬力が欲しい場面ですので吸気の流速が遅くなる事は考え難いです。
早房一平
- 陸軍もキ−96双発単座戦闘機(試作のみ)で高高度迎撃用のデバイスとして試験しています。
で、亜酸化窒素噴射と違って液体酸素噴射が実用化されなかった理由ですが、
#重い
臨界温度(加圧による液化が可能な最高温度)が-118.8度(摂氏。以下略)と低く(亜酸化窒素は+36.3度)、ボンベに耐圧能力以外に断熱機能も持たせなければならない。また、酸素は沸点が低い(-183.2度。亜酸化窒素は-88.8度)ぶん、(同一温度での)充填圧力が高いので、ボンベの耐圧殻自体も厚く、重い。
#危ない
上記のように充填圧力が高いので、ボンベが被弾・破裂したときにそれだけで相当の破壊力がある。また、火災発生時にそれを助長してしまう。亜酸化窒素にも「大量に吸うと二度と目覚めないくらい深い麻酔がかかる」とか、「500度以上で助燃性・650度以上で爆発性」という危険はありますが。
#使いにくい
低温・高圧であるぶん、液体酸素のほうが製造・管理が難しい。また、活性が強いため、装置の腐食に気を使わなければならず、また、エンジン内で異常高温燃焼による焼損や腐食を起こしやすく、整備の負担が重い。
ただし、亜酸化窒素噴射も排気タービンやら2段2速過給器に比べれば「ごまかし」の謗りを免れないので、ドイツが採用したのも過給器開発の遅れと戦術上の必要性とのぎりぎりのバランス判断なんでしょうが。
Schump
- 中島の酸素加給装置は、液体酸素のままだとシステムのどこで気化して爆発的に膨張するかわからずたいへん危険なため、貯蔵容器から出た直後に液体酸素を過熱して、強制的に気体に変えてしまいます。
片
- ↑加給× 過給○
一応、陣風や電光で実用化の予定でした。
片
- ゴミ。(^^;
>深い麻酔
亜酸化窒素は、全身麻酔に使ういわゆる「笑気ガス」ですね。
MB
- >1
本題とは関係ないですが、くだんの本では「胃袋三分の一」氏ではなく、「胃袋豊彦」氏だったと思います。
kazz
- 前間孝則氏の著作では液体酸素を気化させた酸素ガスを径40mmのパイプで発動機に送ったとろ
地上運転では顕著な馬力増加がみとめられたので直ちに高空試験に移ったが、8000mくらいでは
ほとんど馬力増加が認められなかった、そうです。原因が判明して地上から8000mまで上昇すると
気圧低下のため馬力上昇に必要な酸素ガスは数倍に体積膨張して径40mmのパイプでは
流路抵抗が大きいため必要な流速が得られなかったといいます。
70mm程度まで太くしたパイプに変えたところ高空飛行の酸素供給時の馬力増加は顕著な増加が可能になった
ようです。
Navy
- ↑それは「元々25ミリのパイプを40ミリまで太くした」が正解ではないでしょうか。
上空では気圧が下がるため気化した酸素が膨張して薄くなってしまうので、パイプを太くして流れる酸素量を増したのです。
片
- ごみ、その2
>深い麻酔
いや、これが浅いんだ・・・・・
MACと言って、皮膚を切って半数の人が動かない濃度
要するに、手術が出来る目安の濃度が
吸入麻酔薬の強さの指標なんですが、
何とこれが105〜106(%)
最も基本的で多用されている麻酔ガスですが、
麻酔力上は脇役です。
値段的には脇役とは言えない値段ですけど。
RT