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2780  多発(爆撃)機の機銃の混載について教えていただきたいのですが。

・動力銃座その他の関係で大口径機銃を置きたくても置けないことがある
・哨戒任務等での大型機同士の戦闘、または装甲を備えた地上目標への射撃が考慮されている場合に、一部を大口径としたくなる

 のは判るのですが、対戦闘機戦闘が主と思えるような場合に、あえて大口径との混載をし(続け)ている例があるのはどういった企図に基づいてなのでしょうか。
 端的には、B29の尾部銃座になぜ12.7ミリ連装でなく20ミリが積んであるのだろう・・・と悩んでおります。
はたの

  1. 尾部銃座は防禦の要となる銃座だからです。
    尾部銃座に威力の大きい機銃があると、攻撃する側にかかるプレッシャーが非常に大きくなるのです。

    飛行速度が速く、常用高度の高い爆撃機に対してスクランブルをかけるとしたら、後下方から追いすがる形勢になりやすいのではありませんか?
    このとき、最もうっとおしいのが腹部銃座で、その次が尾部銃座になるでしょう。
    そして、腹部銃座は後上方攻撃には対処できませんが、尾部銃座は高度差の浅い後上方攻撃にも対処できます。
    戦闘機の立場に立ってみれば、腹部銃座はうっとおしいけれども狙いやすい目標でもあります。九六中攻やJu52、Ju86の垂下銃座やHe111のゴンドラ、B-17やB-24のスペリー球形銃座など、いつも真っ先に狙われるホットな部署です。
    しかし、尾部銃座は高速で移動する機体の一番後ろの端にあって、比較的照準しにくい目標となります。

    また、飛行速度が速くて常用高度が高いという状況では、後上方攻撃はあまり深い角度をつけたくないですね。角度を深くすれば射点後落しやすく、また速度も乗らず、射撃可能時間が減り、照準も難しくなります。
    従って、後上方銃座(または上方全周旋回銃座)だけでなく、尾部銃座の射界に敵戦闘機が入ってこようとする公算は非常に高いです。
    後上方銃座は尾翼が邪魔になって射界制限があることが多いので、とりあえず旋回圏内全てを自由に撃てる尾部銃座がそこに頑張っていると戦闘機の攻撃コースをふさぐという意味で非常に大きいものがあります。

    戦闘機が高速で高高度性能が優れているとしても、正面反航はこれまた射撃時間が極端に少ないですし、前上方や後方斜めからでもあまり状況は変わりませんから、後ろから追いすがって長時間射弾を浴びせたいところです。
    しかし、尾部銃座があればこうした攻撃法はとりにくいですね。

    ゆえに、尾部銃座はたいていの爆撃機で最強またはそれに準ずる威力を持った銃座とされます。
    一式陸攻でも、四式重爆でも、ウェリントンでも、ランカスターでも、He177でも、B-17でも、B-24でも、そしてB-29でもそうなってます。

    逆に言えば、墜とすべき爆撃機に尾部銃座がなければ、短い射撃時間に一撃必殺するための大口径機関砲を積んだり、頑丈な防弾装甲をしたりして機体を重くするようなことや、接敵戦術に工夫を凝らしたりする必要があまりなくなるわけです。
    これはB-17初期型とか、九七重爆とか、ドイツの双発爆撃機とか、ブレニムとかハンプデンについて見れば理解できるかと。
    特に、九七重やHe111が苦し紛れにしっぽの先に小口径機銃を1挺だけ固定でくっつけたことからも、尾部銃座の重要性がどういうものかが窺えるのではないでしょうか。
    まなかじ

  2. >あえて大口径
    フィアット BR20 背面の 12.7mm とか、百式重爆の背面 20mm とかも含まれるでしょうか?

    (1) 射程増大
     戦闘機が射程距離に入る前に爆撃機からの射弾が届けば、撃墜とはゆかなくとも攻撃を断念させることができるかも知れません。

    (2) 威力増大
     当たり前ですが大口径弾の破壊力は大きいです。しかし投射密度や連続射撃時間を考えると(当てるのが難しく、すぐ弾切れになる)、必ずしも小・中口径に対し有利とは言い切れませんが。

    (3) ハッタリ効果
     パッパッと昼間でも見える閃光と共に火の玉みたいな曳光弾が飛んでくるのは、攻撃する側にとって不気味です。また時限炸裂榴弾で空中に弾幕を張れば更にハッタリ効果は上がるかも知れません。

    B-29 が尾部に 20mm を積んでいるのは、米軍が決して 12.7mm 機銃の威力や射程に満足していた訳ではない事を示していると思います。
    ささき

  3.  おふたかたありがとうございます。

     特に
    >米軍が決して 12.7mm 機銃の威力や射程に満足していた訳ではない
     にはいろいろと考えさせられるところがありました。
    はたの

  4.  B-29の尾部銃座の20mm(携行弾数125発) あれってものすごく不評で 現地(前線)で取っちゃったこともあったような
     B-29B(?)には尾部銃座が12.7mm×3のものもあったけど それが一番良かったとのこと
     B-29で一番(日本機を)撃墜を記録したポジションが12.7mm×2の尾部銃座だそうです
    セミララ

  5. ↑相対速度の関係で機銃弾の威力が増すからでしょうね。
    勝井

  6. ↑12.7mmと20mmでは弾道が違うために狙いにくかったということでは?
    ヒロじー

  7. 勝井山、また適当な事を言ってないかい?
    BUN


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