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2713 民間航空機の航空機燃料はケロシン系を使用していますが自衛隊の航空機
はガソリン系の燃料をいまだに使っていると聞きましたがこれは何故なのでしょうか?事故防止のためには引火点の高いケロシン系の方が安全性も高いうえ、民間
航空機と同じ燃料ならば非常時の調達などが楽になるようにも思えるのですが。
ノーズアート

  1. 民間ジェット機の使っている JET-A または JET-A1 はケロシン系ですが、航空自衛隊が使っているジェット燃料は JP-4(または JET-B) と呼ばれ、ケロシンとガソリン(ナフサ)を約 1:1 で混合したものだそうです。

    http://www18.tok2.com/home/soar/airplane/around/fuel/fuel.htm
    http://www.remus.dti.ne.jp/~wings/maedafuel.html

    米海軍の JP-5 は若干成分が違うものの民間用 JET-A とほぼ同じケロシン系。米空軍は 1996 年以降 JP-4 を置換するために開発された JP-8 燃料(ケロシン系だが JP-5 や Jet-A とか添加成分が違うらしい)を使用しているようです。
    JP-4 は流動性が高く低温で凝固しにくく始動性が良い利点があるものの、揮発しやすく引火しやすい危険性があります。米空軍が JP-4 から JP-8 に転換したのもこれが主な理由だったようです。
    日本も米国の動向に合わせ、JP-4 を JP-8 に転換する決定がなされたようです。
    http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200004/15/0415e050-400.html
    http://www.yomiuri.co.jp/minijiten/15991013.htm

    なお「民間航空機」といってもレシプロの小型機(ヘリコプターも含む)はガソリンです。自衛隊にも一部の機種(T-3 練習機など)にはガソリンを使うものが残っています。
    ささき

  2. ところでレシプロ発動機のガソリンのオクタン価のようなものはジェット燃料にもあるのでしょうか。ナフサが入ってる方が性能的には有利とか。
    NX

  3. こんなのが出てきました、御参考までに。
    セタン価 http://www.jari.or.jp/ja/kuruma/kuruma43/gas3.html
    燃料特性一覧 http://web.kyoto-inet.or.jp/people/macchann/hiroshi/tannkasuiso3.html

    なおアメリカで JP4 置換燃料の研究が始まったのは 1976 年のことで、JP8 実用化には 20 年の歳月を要しています。JP8 にはエチレンジブロマイド(Ethylene Dibromide, EDB)が添加されており、これによる発癌性や環境汚染を懸念する声もあります。空自の JP8 切り換え決定が遅れたことを「諸外国の動向に鈍感な職務怠慢」「石油会社と結託し閉鎖的市場を形成」などと批難したページにも遭遇しましたが、JP8 + Jet FUEL で検索すると沢山出てくる Personal Exposure とか Enviromental Hazard なんて言葉の羅列を見ていると、JP8 への置換決定を単純には喜べません。

    ささき


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