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B747のエンジンは15万馬力ぐらい、という表現がありますが、ジェットエンジンの推力を馬力にして表す公式のようなものがあるのでしょうか? ど素人 |
- 1馬力=75kg重m/秒 ですので、飛行状態のジェットエンジンの推力を無理矢理馬力換算すると、
飛行速度(m/s)×そのときの推力(kg)÷75
ということになりますが、「そのときの推力」というのが曲者で、高速飛行中のジェットエンジンは吸気の押し込み効果(ラム圧効果、とも)によって過給された状態にあるため、カタログ上の推力(静止推力)よりもかなり大きい推力を出すことができます。
さらに、ジェット戦闘機にみられる可変式のインテイクによる吸気の減速による加圧、周辺の空気密度による酸素分圧(高高度で出力低下)・排気効率(高高度で効率改善)の変化、吸気温度による出力変動などの要素があるため、「ある速度を出しているときの推力」を特定することは難しいのです。
Schump
- ここで求めたいのは最大馬力でしょう。
そこで最大推力で等速直線運動になる速度=最大速度であると仮定してB747とF-15で計算を行ってみました。すると
B747:(240kN×270m/s)÷735=88000馬力
F-15:(115kN×800m/S)÷735=125000馬力
となりました。(いずれもエンジン一基当たりです)
ところがこれは計算元となった推力に比べて馬力に差がありすぎます。(-_-;)
最大推力はカタログデータからの引用で間違っているはずはないので、速度が違うのでしょう。
ということは前提となってる条件、最大推力=最大速度が事実に反するものと思われます。
私も素人
- 上の式に括弧はいらねぇ(-_-;)
私も素人
- 速度が一定なら
「ある速度を出している時の推力」=「その速度での全抵抗」
加速中なら
「ある速度を出している時の推力」=「その速度での全抵抗」+「その時の余剰推力」
で、「その時の余剰推力」は、「その時の機体重量」と「その時の加速度」から求められると思います。
第3の素人
- どうもです。
ど素人
- 1000馬力、重量2000kgのプロペラ機が500km/時(=138m/秒)で飛んだとして。
138×2000÷75=3680馬力・・・?
ものすごい勘違いをしているような・・・・。
阿呆
- >6.
重量じゃなくて推力を入れないと…
(N)
- 6>
1馬力当たり1.5kgのプロペラ推力が発生可能と何かの本に書いてあったので、
138m/秒×(1.5kg/馬力×1000馬力)÷75kgm/秒=2760馬力。
まだ変だ・・・???
阿呆
- #最大速力時に最大推力
…なのはほぼ間違いないのですが、1.で説明したようにその最大推力自体が飛行条件によってかなり異なりますので、カタログ値=海面高度・静止状態での推力は使えません。また、エンジンの構造や機体への装備状態による各飛行状態との相性(ターボファンのバイパス比、吸気ダクトやノズル・アフターバーナーの構造等々)も考慮しなければいけません。
#速度の求め方等々
F-15とB747が例に挙がっていますが、両者とも圏界面高度での速度であることに注意。この高度での気温は-55℃くらいですから、音速は約296m/s。よってマッハ2.5≒740m/s、マッハ0.86≒254m/sとなります。さらに、戦闘機用の超音速ターボファンはアフターバーナーが半分ラムジェットとして作用していること等による推力上昇を、旅客機用の高バイパス比ターボファンは高空巡航状態では地上における最大静止推力のせいぜい2〜3割程度の推力しか出せない(具体的データなしすまん)ことを計算に入れなければいけません。
あと、F-15は双発機でB747は四発機ですね。
#余剰推力
…は「まだ仕事をしていない」ので、瞬間の状態を切り取っても仕事率である馬力の計算にそのまま導入するのは無理があります(この点「とりあえずブレードの空気抵抗に対抗してプロペラぶん回してる」のとは違う。あるいは、噴射ガスや周囲の空気の移動量を正確に算出するのが極端に難しいことに注意)。
#零戦らしきプロペラ機の推力
式に重量を導入したのが間違い。プロペラの推力が直接に対抗しているのは機体の空気抵抗ですので、重量はとりあえず関係ありません(重量が増せば迎角を大きくして揚力を稼ぐ=抵抗が増えるので無関係とまではいえませんが)。そうすると、式は
139m/s(秒速)×t(推力)÷75=1000(馬力:高度条件は?)
となり、t≒540kgfとなります。ただし、これはプロペラ効率や機体によるプロペラ後流の減衰等を経たあとの値であることに注意してください。
Schump
- 少し利口になりました。
阿呆−1
阿呆