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飛行機の風防は大体 1、上に開くもの(例、F-15) 2、横に開くもの(例、T-4) 3、後ろにスライドするもの(例、零戦) に分けられるのですがそれぞれのメリット,デメリットは何があるのでしょうか? 0918 |
- 後方スライド式は飛行中に開け放つことができ、特に開放式コクピットからの移行期に好まれたようです。ただ P-51 の半水滴風防などは相当な重さがあり、また飛行中は風圧もかかるので人力でスムーズに動くとは限りません。多くの機体では手廻しクランクでキャノピーを動かすようになっていますが、これは開閉に多少の手間がかかることを意味します。キャノピー投棄機構のない場合、開閉に手間がかかる事は脱出確率に関わってきます。
横開き式は地上で素早く開閉でき、キャノピーのロック機構・投棄などもスライド式より簡単になります。ただし飛行中は開閉できません(P-51A/B はキャノピー側面窓がスライドして開く)。また、強度が足りないと風圧に負けて内側へ陥没する事故も起こり得ます。なお、横開き式には機体の乗り降り方向が限定される欠点?もあります。
上開き式は構造的には横開き式の変形と言えるでしょうが、現用ジェット戦闘機に多用されている所から見てベストの方式と思えます。大戦機には採用例が少なく P-38 くらいですが、これには理由があります。尾輪式の機体は地上での前方視界が悪いためキャノピーを開いてタキシングするのが習わしですが、上開き式でこれをやると「ペラ後流に負けてキャノピーが閉められない」という問題が出ます。三輪式で視界の良い(かつ、双発のためペラ後流がキャノピーを直撃しない) P-38 だから採用できた方式です。もちろんジェット機ではペラ後流の問題はありませんが、キャノピー開状態でのタキシング速度は制限されています。
ささき
- P-39や英国で好まれた(?)カードアタイプはどうしましょう?分類しなくていいんですか?
kazz
- こまかいところに拘りますと、
風防(windshield)は、読んで字のごとく風を遮るもので、前の透明部分(たいていは固定)を指します。
ご質問の開閉部分はキャノピー(canopy)と呼んで、風防とは別扱いです。
キャノピーは天蓋なんて訳しますね。
F-16やMiG-21初期型のように、ウィンドシールドとキャノピーが一体になっているものもありますが。
便利少尉
- kazz様
>P-39や英国で好まれた(?)カードアタイプはどうしましょう?分類しなくていいんですか?
すみませんそういう方式があるのを忘れておりました。この方式のメリットデメリットにはどんなものがあるのでしょうか?
便利少尉様
>こまかいところに拘りますと、風防(windshield)は、読んで字のごとく>風を遮るもので、前の透明部分(たいていは固定)を指します。
>ご質問の開閉部分はキャノピー(canopy)と呼んで、風防とは別扱いで
>す。
すいません区別がついておりませんでした
>キャノピーは天蓋なんて訳しますね。F-16やMiG-21初期型のよう>に、ウィンドシールドとキャノピーが一体になっているものもあります
>が。
こういう場合はなんと呼ぶのでしょうか?
0918
- 自動車型は乗り降りが楽です。それは現在の小型民間機(セスナ、パイパー等)が自動車型を採用していることからも明らかです(笑)。戦闘機パイロットの場合は落下傘を背負って救命胴衣を着けだぶだぶの飛行服のポケットに地図やら懐中電灯やら信号拳銃やらを押し込んでいますので、上から乗り込むのは意外と大変だったりします。ベル社の P-39 テストパイロットだったジョン・キャノン(John Canon)氏も機体の優れた点として視界の良さ、3輪式による地上での扱いやすさ、乗り降りの楽さを挙げています。デメリットは機体に大穴を開ける必要があるので強度低下を及ぼしかねないこと、着水時に水圧でドアが開きにくくなる可能性があることでしょうか。P-39 はエンジン〜プロペラ間の剛性確保のため胴体下部を強靭な強度材を通した一体構造とし、その上にエンジン・コクピット・機関砲を乗せる構造になっています。コクピット回りはただの外板で強度を受ける必要がないからあんな構造が実現できたとも言えます。またタイフーンのドアは P-39 ほど大きくなく、開口部を小さくして強度低下を抑えようという意図が感じられます。
ささき
- >4
風防一体式キャノピーとでも呼ぶほかないでしょうね。
Jane'sを見ると、
”single-piece birdproof forward canopy section”
”Windscreen and forward canopy are an integral unit without a forward bow frame”
などと記述してあります。
便利