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以前の過去ログで坂井氏が「雷電で敵戦闘機を撃墜したのは○○ぐらいなもんだ」と、雷電で敵戦闘機と格闘することは無謀のような言い方をしているようですが、 高速重武装の雷電は「敵機を捕捉し撃墜する」とために使うという発想はなかったのでしょうか? アーリータイムズ |
- 雷電は高速と言ってもカタログ上 600Km/h そこそこで F6F より同等か劣り、F4U や P51 には大きく見劣りします。日本機の中では優秀とされる横転や急降下性能も米軍機と大差ないか逆に劣る程度ではないでしょうか。坂井氏が「最高の雷電乗り」と評する厚木の名手・赤松貞明中尉も、相手が戦闘機だと事前にわかっていた場合は零戦で出撃したそうです。
ささき
- 追加質問ですけど雷電はあのズングリした胴体は失敗でF6FやFw190のようにすればよかった、って聞いたことありますがこれは事実でしょうか?
\Zhjy
- >2. 学研の「雷電」で胃袋三分の一氏が考察されていますが、おそらく「結果から言えば失敗だったろう」と思われます。空力的には太い胴体によるプロペラ後流阻害や排気ジェット効果利用の稚拙さ(Fw190 では剥離防止と吸出しによる冷却促進に使っている)が挙げられますが、個人的には先絞りカウリング+延長軸による過熱・震動問題で稼働率を落としてしまった事が痛手だと思います。
ささき
- >1
対戦闘機戦においては、零戦は雷電より効果的と言うお話ですが、
なぜですか?零戦が優れている点は旋回性能ぐらいだと思うのですが。
taka
- 雷電についての搭乗員の評価は様々ですが、どうも雷電の飛行特性にはかなりトリッキーな傾向があり、垂直旋回すら危険を伴ったとの回想があります。そういった意味で事故率の高い雷電を「殺人機」と呼んだ文章は「きけわだつみのこえ」に収録された戦没学生の手紙にさえ見られます。「雷電は空戦に向かない」のではなく不可能または危険だったという事なのでしょう。事実、雷電部隊に対戦闘機戦は期待されていません。これは同じく乙戦として開発されながら甲戦としての任務も兼ねた紫電、紫電改とは大きく異なる点です。
BUN
- >4. 渡辺洋二氏の著書「局地戦闘機雷電」には赤松氏に率いられて F6F 相手の空戦に参加した列機の回想が引用されていますが、「優位から一撃をかけて一機に白煙を吹かせた。もう一撃で落ちる!と思ったが、後ろを見ると別の敵機が占位しつつあった。中尉は深追いせず、全力上昇で戦場から離脱した」とありました。雷電と P-51、F6F 程度の性能差では、余程条件がよくない限り二撃以上の攻撃は難しい(不利な体勢に追い込まれかねない)のでしょう。
ささき
- >6 ささきさん、雷電でF6FやP-51に対して有利ではないのはわかるのですが、
なぜ零戦のほうが良いかが疑問なんです。第二撃をかけられないのは零戦でも
かわらず、最高速度が遅い分、離脱にも不利だと思うのですが。
taka
- 坂井三郎の零戦操縦術には「F6F編隊相手に、なんと格闘戦をやってこれを撃墜。」数行あとには、「格闘戦では雷電は零戦にすら勝てなかったからだ。」と記されています。
深読みすれば「一撃離脱ならば」と云うことかも知れません。
早房一平
- >7
零戦のほうがみな乗りなれてるからではないでしょうか?
車も同じですが乗って日が浅い、なおかつ>5でいわれてるようにクセが強い雷電より零戦のほうが有利に戦えるということで。
しかし、F6F、P-51に対し雷電は難しいクセさえなければ戦えたと思います。
F6F、P-51に無くて雷電にあるものはご存知のとおり上昇力と加速力です。
ささきさんが書いたようにケツにつかれて高度優位で突っ込んで上昇力の鈍い米軍機が相手とはいえ急上昇で逃げ切れる戦闘機ってそうないと思いますがいかがでしょう?
だいたい空戦なんて最高速度なんざおまけみたいなモンですし・・・
P-kun
- >7 零戦の方が雷電より信頼性が高い分、対戦闘機戦では心理的な安心感があったのでは。雷電は飛行中、しょっちゅう故障してたそうですから。対B−29戦なら攻撃中に不調をきたしても離脱できますが、戦闘機と交戦中に故障してはひとたまりもありません。「四式戦より一式戦3型を選びます。」と陸軍のさるエースパイロットの方は言われてました。
NX
- >7 私の推測なのですが、旋回なら「絶対に負けない」という安心感があったのではないでしょうか。遅いといっても零戦と雷電では大差という程の速度差でもなし、それなら信頼できて自由に振り回せる零戦のほうが対戦闘機には有利だと判断されていたのではないかと思います。もし雷電が 700Km/h 級の高速機であれば(例えば雷電の代わりに震電であれば?)、また別の使い方もあったかも知れませんが。
ささき
- 試作機のJ2M1(雷電一一型、二一型より10kt遅い)についてですが、
「加速は零戦に対して大差ない。追尾されれば離脱困難」
「速度では決して敵戦闘機を凌駕していないにもかかわらず、空戦性能も到底及ばない」
「ゆえに局地戦闘機として使用されるべきで、敵機との空戦は成る可く避けるのが至当である」
という所見が横空の実験結果の中で出ていたようです。
速度に頼って逃げようとしても駄目、零戦ならば旋回とすべりに頼れるところも雷電ではそれが出来ない。
片
- J2M1は急降下でも零戦に捕まってしまっておりますね。
下手な速度で降下しても劣位に陥るだけ、ということのようです。
片