2595 |
尾翼の翼型なんですが、一部の機体の尾翼には翼型が上下反対(逆キャンバーで良いかな?)になってる機体が在ります。何故あの様な翼型にする必要が在るんでしょうか?尾翼には、下向きの揚力が発生してるって事だから・・・主翼の揚力とのバランスを取っているって事でしょうか?? タケ |
- おおむねご推察のとおりです。
通常配置の機体においては、前から「重心−主翼の空力中心−水平尾翼の空力中心」の順番になっているため、主翼が揚力を発生すると、重心を支点にして頭下げのモーメントが発生します。これを打ち消すため、水平尾翼には下向きの揚力を発生させることになります(テコの原理により、水平尾翼の下向き揚力は主翼の揚力よりかなり小さくて済む。)。
水平尾翼に下向きの揚力を発生させる手段としては、逆カンバー・裏返しの翼型の他に、取付角(正確には飛行中の迎角)をマイナスにする(前縁を下げる)とか、中立点を上げ舵にしておく(抵抗が増えるのであまりやらない)という方法があり、これらを組み合わせることになります。
重心から離れた燃料タンク、前後に長い搭載スペース、物件の投下等によって(特に飛行中に)重心が大きく変動する機体や、遷音速〜音速突破時やフラップ使用時に主翼の空力中心が後方に移動する度合が大きい機体においては、これらによる釣り合いの変化を抑えるため、水平尾翼(水平安定板)の取付角(ジェット戦闘機のように全遊動式の水平尾翼においては中立位置)を調整できるようにするのが定石になっています。
なお、先尾翼機や揚力尾翼機においては、「主翼又はカナード−重心−水平尾翼又は主翼」の順番に並んでいますので、主翼の揚力に対するバランスをとるためのカナード又は水平尾翼の作用は「上向きの揚力」によることになります。
Schump
- 主翼はその後方で吹き降ろしが発生するため主翼の配備位置(例えば高翼式)によっては通常の翼型の尾翼では下向きの揚力を発生してしまうので尾翼に逆キャンバーを付ける場合もあるようです。まー、しかしこれも空力中心と重心位置の関係でどうにでもなるので設計思想としか言いようがないですね。
jas1