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問1.第二次大戦で使用された過給機で遠心式とはどういう機構のもので、空冷エンジンではどこに取り付けられていたんでしょうか? また、ジェットエンジン(高バイパス)の空気圧縮過程の流用は過給の有効手段とはなり得ないんでしょうか?できれば軽量コンパクトになると思うんですけど。 問2.レシプロエンジンでは、ストロークがボア以上のものが多いように見うけられるんですが、なぜでしょう?星型空冷エンジンで小直径、大排気量ならボアアップした方がよいように思うんですが。(多気筒化をにらんで冷却しやすくするため?それとも燃焼がわるいから?) 問3.第二次大戦の傑作機FW190シリーズでクルト・タンクが用いた主翼(平面型、断面型)はどうなっていたんでしょうか? 素人 |
- 1-1. ハウジング内で放射状の突起を持つ円盤が高速で回転します。吸入器は円盤の中心部に向かって吹き込まれ遠心力で外周に流れ、それを円周上の整流板で受けて圧縮します。星型ではクランクシャフト後端に加速ギヤ(高低2段切り換えが多い)が設けられ、その後方に接続されているものが多いです。ちなみにキャブレターは通常過給器の直前にあります。
1-2. おっしゃることがよくわかりません、軸流圧縮器を持たないピストンエンジンが何故ないのか、という意味でしょうか?戦後ネイピア社で試作された「E.145 ノマッド」水平対抗ディーゼルエンジンは軸流圧縮器を備えていました。これが普通でないのは、そこまでの重量・スペース・駆動負荷を費やしてまで過給圧を上げる必要がない為だと思います。
2. ボアストローク比が 1 未満のいわゆる「オーバースクエア」エンジンは回転数を上げやすいのですが、燃焼が衝撃的になり発熱・耐久性に問題をきたすそうです。
3. Fw190 については数多くの専門書が出版されていますので、そちらを当たられることをお薦めします。
ささき
- 「問」は不適切かと思います。
また、複数の質問を一つに入れないで下さい。
以上、苦言。
それだけじゃアレなんで
1)
自動車のターボチャージャのコンプレッサーを見た事がありますか?
概ねあれの巨大な物だと思ってくだされば結構です。
取り付け位置は、空冷星型エンジンではエンジン後方、つまりペラの反対側の場所についているのが一般的です。
また遠心式コンプレッサーは一定範囲までの圧縮でしたら非常に効率が高いものです。
初期のジェットエンジンや現代でも一部のヘリコプター用エンジン等では遠心式コンプレッサーです。
現代のジェット機に使われる軸流式多段コンプレッサーは実は一段当たりの圧縮率が小さいのです。それを多段に積み重ねる事で大きな圧縮比を発生させていますが、エンジンの補機である過給器に用いるには軽量でもコンパクトでもないのです。
またバイパス比はターボファンエンジンでエンジン燃焼室に通さず、そのまま推力に用いる度合いを表す数字で、コンプレッサーの機能や性能を表す用語ではありません。
失礼ですが、用語だけでモノをイメージしようとしていませんか?
2)
ご指摘のように燃焼の問題です。ピストンが大きく下がる前に、燃焼室全域に焔が伝播してくれないと、効率が悪化してしまうのです。
この一つの目安というか限界がボア150mm級だったわけです。(ツインプラグ等で頑張ってますがこれ以上は広げても排気量あたりの力量が増えにくいわけです)
勿論、星型ではレイアウトの都合などもあり、ストロークで稼いだ方が作りやすいという可能性もありますが、最終的にはビッグ・ボアには限度があり、すでにそこに到達してしまっていたと見るべきでしょう。
3)
なんかどっかで見た記憶あるんだけど出てきませんでした。
SUDO
- 1-2:たしかドイツのJU388で実用化しようとしていたBMW801TJという
エンジンが軸流のターボ加給器を装備していたと思います。
もちろんエンジン本体側は通常型の遠心式です。
むかし読んだ本によればドイツの場合はジェットエンジンの技術の
応用だそうです。(中空のタービンブレードとか)
なんという本だったかはいまはもうわかりません。コピーだけが
あります。昭和30年から40年代に出版された本だと思います。
wittmann
- 確かに「問」は不適切でした。
ついでに言葉もたりませんでした。すみません。
過給機について「排気式、機械式を問わず、高高度性能をあげるには中間冷却が必要だ」と、どこかのHPで読んだことがあります。
そこで、ジェットエンジンでいう燃焼室付近のバイパス内にフィンなんかをつけて冷却できるようにすれば軽量コンパクトですむ。っと考えたのですが、実際にそんなものに実用性はあるのだろうか?と思いおたずねしたしだいです。
実際に検討されて、その後残らなかったということから、実用性はなかったということですね。
みなさん、ありがとうございました。
素人
- >4. 大戦末期の日本機では、水メタノール噴射による効果に期待して中間冷却器を省略した設計が見られますね。
ささき
- >4
本とはエンジンの解説書でも読んで欲しいのですが
基本的に
A:過給器で圧縮された空気は高温になる
B:高温の空気は膨張するので容積あたりの酸素密度が低い
C:エンジンには構造的に耐えられる過給圧がある
結果的に、強烈な過給器を備えても、高温で酸素密度の低い空気をエンジンに提供してしまう事になります。
またエンジンはこの過給された空気に燃料を混ぜた混合気を吸気するのですが、混合気は高温になると自燃しやすくなり、エンジンの圧縮行程で異常燃焼しやすくなります。
これを解消するには過給圧を落とすとか、圧縮比を下げるとかの対策が必要になります。(つまり馬力が落ちる)
つまり、高温の吸気は歓迎できないのです。
高高度仕様のつまり大容量過給器を備えたエンジンでは、過給器が強烈であるがゆえに、どうしても吸気が高温になります。
高温吸気は歓迎できないので、中間冷却機を備えた方が宜しいという事で、高高度性能を上げるのに必要なのは大容量の過給器であり、それの効率を確保するには中間冷却機という手段も存在するという事です。
なお、ささきさんが述べられた水メタノール噴射ですが、高温高圧下で異常燃焼を避ける方法としては燃料に工夫すると言うのがあります。
英米のエンジンではハイオク燃料を用いる事でエンジンの異常燃焼を回避して、より多くのブースト圧を可能にしていますし、
日独で用いられた水メタノール噴射は混合気に水を噴射する事で吸気温度を下げて充填効率の改善と異常燃焼の回避を狙ったものです。
SUDO