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航空用レシプロエンジンのキャブレターをインジェクション式に改めれば、キャブと違いフロートバルブ等に生じる吸気抵抗が無いから僅かばかりのエンジン出力の向上が出来、着氷にも有利と聞きました。キャブからインジェクションに改めただけで、エンジンの性質が変わるのは本当はどうなんでしょうか?車とかバイクの場合、インジェクションよりキャブの方が断然出力を出し易いですけど・・・・。 タケ |
- インジェクションの最大の利点は機動の自由さにあると思います。
重力の制約を受けない(背面飛行など)で運転可能だからです。
着氷については、燃料の気化熱により、メインジェット付近が
冷却されます。キャブではここにスロットルバルブがあれば、
空気中の水分が着氷します。
(昔、RZ350やDT125で全開時に着氷し死にかけました)
例に挙げられている車やバイクの場合、出力を出しやすいというのは
正しくないと思います。
キャブでは通常負圧以外の制御がないので大出力時に必要な濃混合気を作りやすく、
インジェクションは制御回路によって適正濃度に制御されているので、
結果的に出力の差になっているのでしょう。
たとえインジェクションであってもこの辺を調節すれば同じ事です。
ただし、市販の車両ではインジェクションの調整が実質不可能なだけです。
kazz
- 飛行機でのキャブレター着氷は死活問題で、セスナ機の教習では何度も何度もリハーサルさせられます。セスナには着氷を防ぐキャブレターヒーターが付いていますが、これを入れるとエンジン効率が下がるため普段は切っており、着氷の恐れがあるときだけ ON にしています。噴射式だとその心配がいらない由。
なおセスナ 152 のキャブレターは簡易なチョーク/フロート式ですが、第二次大戦中のレシプロ戦闘機はもっと高度なディフューザー型もしくはインジェクター型キャブレターを使っているはずです。インジェクター型は吸気マニフォールド中に置いたベンチュリー管に発生する陰圧をダイヤフラムで検出し、これと連動したレギュレーターで燃料噴出量を調整するものです。
ささき
- キャブレターの着氷防止として、少なくとも第二次大戦中の日本製エンジンの多くは、エンジン内を循環して暖められた潤滑オイルをキャブレター周辺に導くことによって行っています。
同様に、キャブレターをインジェクションにした利点としては、各気筒ごとの燃料供給量が均一になり、気筒ごとの燃焼にばらつきが無くなる点が一番の利点としてあげられています。特に空冷星型エンジン場合、キャブレター式だとその構造上、下部の気筒の方が混合比が濃くなり安いという問題をかかえており、過給器入り口の形状を工夫する等の対策がとられています。
胃袋3分の1
- 二重星型エンジンのキャブは一つだけですから、これを前列シリンダーと後列シリンダー毎にせめて1づつキャブが在ればそれなりの性能向上を見込めませんか?
やはり、スペースや着氷の問題で無理ですか??
タケ
- 車でも、インジェクションの方がキャブより馬力を出しやすいです。
(競技車両のエンジンを参照ください)
市販車のチューンで、インジェクションよりキャブの方が馬力を出しやすい理由は
「キャブの方がプライベーターでもセッティングを出しやすい」
からです。
無頼庵
- 燃料噴射は星型エンジンの各気筒への混合気の分配をより理想的に行う為に行われているはずです。
BUN
- >前列シリンダーと後列シリンダー毎にせめて1づつキャブが在れば
星型エンジンの場合、どこへ付けるんでしょうか?(^^;;;;; それと、過給器まで考えるとほとんど不可能な気がしますけど・・・。
胃袋3分の1
- マッキ MC.72 の双子エンジン、フィアット AS.6 には8連のキャブレターが装備されていました。キャブレターから出た気化器はまとめてスーパーチャージャーに送られ一本のインダクションパイプから24本のシリンダーに分配されます。見るからに調整が大変そうな代物です…。
ささき
- お久しぶりです>諸氏
>4
それをやると、パワーダウンするものと思われます。
というのは、
・空気過給:空気のみを圧縮してからガソリンを噴霧
(キャブでもインジェクションでも霧吹きであることは変わりませんので)
・混合気過給:ガソリン噴霧されたガスを圧縮する
とを比較すれば、後者の方が圧縮に伴う温度と圧力の上昇が減らせ、
必然的に圧縮に要する動力が減らせるばかりか充填効率も良くなり、
さらに(混合比がばらつかなければ、ですが)ノッキングも生じにくくなります
(ONR:要求オクタン価が減る)
なお、「キャブの方がパワーが出せる」については無頼庵さまのご指摘どおりの
理由によります。
ただ……個人的にはインジェクションの方が楽だと思いますよ。
たかつかさ