2545 |
先日読んだ「日本軍ろ獲機秘録」光人社刊、に昭和20年2月16〜17日の米機動部隊関東襲来時、撃墜捕獲した米軍機の無線機のアース要領を手本に自軍航空無線機の改修をしたら途端に感度が良くなり実用に耐えるようになったとの記述があったのですが、そんな改修だけで無線機の性能って上がったりする物なのでしょうか、自分そっち方面はてんでダメなものでよろしく御教示お願いします。 のほほん大佐 |
- そんな改修って・・・・アーシングってすげえ重用なんですが・・・
SUDO
- それから20年に入ってからの海軍の戦闘機は、支柱から尾翼までの長さだった空中線を、折り返して2倍の長さに展張する様になっています。この効果も大きかったようです。
片
- 電波はアンテナだけでなく、アースにも乗せないといけないです。
地上ではアースはほぼ完全に実施することも出来ますが、
航空機では地面が使えないので、機体が基準電位となります。
アンテナに如何に有効に電流を流すか、電流の腹をどこに持っていくか、
とっても重要な問題です。周波数が低いほど相対的なアンテナの長さが
短いので苦労します。(周波数が高いと真空管が苦労します。)
kazz
- アースには重要な2っの面が有ります。
送信と受信面です。受信時ではアースの取り方が悪いとノイスの為S/N比(ノイズとシグナル)が悪くなり弱い信号はノイズに隠れてしまいます。
送信面では既に書き込みされている様に電波が効率良く放射されない結果となります。
詳しい内容は覚えていないのですが、日本軍でもアース処理を改善し航空機の通信距離を延ばした例もあります。
2HB
- 便乗質問です。
小型の受信機を人が手で持って使う場合、あまりアースの大切さって聞いたことがない(私が知っているのは50〜450Mhzぐらい)のですが、やはり重要なのでしょうか。静電気が走る冬など、ゴム底の靴だと地面でアースが取れているとも思えないのですが・・・? 受信機使用直前に素手で地面に触れることでS/N比が改善するならぜひ励行したいと思っています。
はたの
- >5
アマチュア無線のリグについてだと思いますが、
免許とるときに無線工学の教科書に載ってたはずです・・・
人体の静電気は、一時的なノイズにはなりますが、電力輻射や
電界強度にはあまり影響しません。
アンテナは言ってみれば縄跳びのロープとか、釣り竿みたいな動きをします。
(電気的にですよ、イメージね。)
八木アンテナのラジエータやダイポールアンテナは
両腕に釣り竿を持って交互に揺するような物ですね。
自分自身を支える必要が無く、両方の竿をしっかり握って力一杯揺すれば良いのです。
反動はもう一方の竿の揺れとなり、効率も良いのです。
一方、単一型(ホイップアンテナ)は本当にホイップだけで機能しているのではありません、
無線機本体や、グランドプレーン、アースなどを利用して、
ホイップのミラー(鏡像)をアース側に発生させ、機能します。
アースがしっかりしていないと、鏡像が弱く、効率が低くなります。
うーん、言葉で説明するのは難しいなぁ。
で、本来のご質問に関する物としては、キーワードは「共通インピーダンス」かな。
飛行機の機体や車の車体などは、金属で出来ているので、
どこに繋いでもアースが取れそうに思えますが、
どこかに大きな電流が流れているときは、うまくいきません。
たとえば、発電機とバッテリーの間は大きな電流が流れており、
しかも整流器(あるいはブラシ)のノイズが含まれています。
無線機のアース端子とアンテナ用のアースが機体の異なる電位の
場所に繋がっていると、流れているノイズを受信電波に混ぜてしまい、
受信信号のSN比が悪くなってしまいます。
もちろん、発電機からの発生ノイズを押さえる事も重要な問題です。
kazz
- SN比から、ややこしいノイズの話になってしまいましたね。まぁ避けて通れない事ですけど。ノイズを整理すると自然ノイズ(雷など)と人工ノイズに大別さますが
今回はこの人工ノイズの話に成ります。
人工ノイズはいくつかに分類されますがこのケースでは、たぶん放電ノイズ(SW、リレーの開閉や点火プラグ、電動機等の摺動による)対策が行われたと思います。
またノイズにはその伝達ルートとして
空間を伝わる(放射)と物体を伝わる(伝導)に分かれます。
アースを取ると言う事は、安全面以外にこの伝導ノイズを取る行為でまた放射ノイズを低くする行為でも有ります。
また伝導ノイズは2っに分けられますが・・・ええい 簡単に書くと
無線機の性能が良くても
電源ラインにノイズ(ノーマルモードの事)が乗っていたり、グランド(アース)にもノイズが乗っている
(表現が良くないが・コモンモードノイズの事です)するとNGでグランドのインピーダンスも低い事は必要
こららを対策しても放射ノイズが有れば、結果としSN比は悪くなる。
と言う訳でエンジンや機体など総合的に改修(ノイズ対策)しないと効果が出にくいと言う事なんです。
もっと簡単に言いますと自動車に乗っている時、となりのバイクの点火フラグのノイズはカーラジオにバリバリと入った経験は有りませんか、これはバイクのノイズ対策が劣化し、そのノイズをカーラジオが受信しているのです。自車のエンジンがこのバイクの状態だとしたらよほど強い電波でないと内容は聞き取れないでしょう。
2HB
- 読み返したら誤字、脱字だらけ、すいません訂正します。
人工ノイズに大別さますが→大別される
こららを対策→これら
ノイズはカーラジオ→ノイズが
2HB
- EMC対策 の基礎については、
http://www.tdk.co.jp/tjbcl01/emcseminar.pdf
↑これなどどうでしょうか。
8頁程度の記事ですが、ノイズ対策の大枠は判るかと思います。
この手の記事は、EMC対策部品 に強いメーカーさんのWeb Pageに大抵あるので、それらを参考にすると良いかも。
mikey
- >のほほん様
参考に徳田八郎衛先生の「間に合わなかった兵器」(光人社FM文庫で復活)
を一読することをお勧めします。
星野
- 回答して下さった皆様、丁寧な回答有り難うございました。
星野様、早速取り寄せて読んでみようと思います。
のほほん大佐