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U−2のような高高度航空機は長大なアスペクト翼を有しますが、一般にアスペクト比を大きくとるのは翼端渦流の影響を減らすための筈。すると高高度を飛行するには翼端渦流が大きく影響するということなのでしょうか?空気が薄いにも関わらず… 富士通BIBLO |
- 翼端渦流の影響というのは、これによって翼下面から内回りに巻き込まれた気流が、翼周辺の気流を全体として下向きに曲げて揚力の発生方向を後傾させ、その後ろ向き成分が空気抵抗となる、すなわち翼の揚力発生に対応する抵抗の増加=効率低下ということになります。
高高度飛行においては、空気が薄いために翼に当たる空気の量が少なく、しかもエンジン出力の低下により、「速度を出して翼に当たる空気流量を稼ぐ」ことも困難になります。そこで、少しでも翼の効率を改善するために高アスペクト比を選択するのです。
Schump
- 回答いただき恐縮であります。すると高高度でアスペクト比を大きくするのは第一に薄い空気を掻きとるのに適しているから。翼端渦流への配慮は第二であるというような考えでよいのでしょうか…
富士通BIBLO
- そういう理解でいいと思います。同じ高々度飛行をする機体でも
SR71の様に、「パワーで音速なんかお構いなしに引っ張っていく」機体
でしたら、空気の薄さは速度で補えます。
# どうやって高々度でも出力を確保するかという問題が出てきますが
SADA
- ありがとうございます。更なるご指南ありましたら追記願います。
富士通BIBLO
- >1,2
舌足らずのようだったので追補。
前段で翼の効率の話をしましたが、これは「同一翼面積≒同一揚力なら、翼単過流の影響が少ない高アスペクト比の方が空気抵抗が少ない」ということなので、「高高度でエンジン出力が低下=打ち消せる空気抵抗が少ない」状況下では、高アスペクト比のほうが揚力が大きく得られることになるのです。
「翼の掻き取る空気の量」は、翼を完全な平面と考えると、面積S、迎角αであれば、翼の正面面積はStanαで一定ですので、アスペクト比とはあまり関係ありません。
Schump
- 訂正。
(誤)Stanα (正)Ssinα
Schump