ただ今イベント向けに紫電用の自作デカールを作っておりまして、おまけのブックレットに乙型についてまとめている最中ですので、分かる範囲でお知らせします。大村基地にいたとされる紫電の写真は少ないのですが、今のところ機番が確認できるのは「オＳ-184」号です。お持ちでしたら、文林堂「日本軍用機写真集」247ページ下段に零式輸送機と並んで左舷から見た尾翼のみ確認できます。右舷から見た写真はデルタ出版ミリタリーエアクラフト��012「太平洋戦争日本海軍機写真集」69ページに彗星夜戦のプロペラで隠れてしまっていますが「オ」の一部と「84」の書体が確認できます。急いで書いたのか書体が少し乱れています。また胴体塗り分けから鳴尾製の機体であることが確認でき、おそらく一一甲型と思われます。同じ機体は同書202ペ−ジ「オＳ」の書体が確認でき、203ページでは同機を後ろから撮影（零式輸送機の主翼の下でよく分かりませんが）しています。同じ写真の手前の方に別の紫電が写っており、角度の関係で残念ながら機番は分かりませんが「オＳ」の書体がはっきり分かります。こちらの機体は零戦に書かれていた「オ」とよく似た書体で整った印象を受けます。「オＳ」の記号をつけた部隊がどこなのか未だに分かりません。
残骸でしたら、二式中間練習機の写真「護-405」号のバックに紫電の尾翼の残骸が確認できます。機番はよくわかりませんがオＳは確認できます。機番は1列に普通に書かれています。
　なお、一一乙型の水平尾翼ですが、いわゆる「角型」尾翼は一一乙型には使用されていません。甲型と同じものを付けています。また、乙型は姫路製作所でのみ生産されていますので、胴体塗り分けに気をつけてください。
　私もその昔アリイから改造しようとしましたが挫折してしまいました。

ＯＣＴＰＡＱ

御丁寧に解説いただきましてありがとうございます。角形水平尾翼の件ですが「世界の傑作機」の５１ページにある角形水平尾翼の紫電の解説には後期生産型としてあるのですが、別の呼称があるのでしょうか。
ビギナー

紫電一一乙型は筑波海軍航空隊にも配備されています。筑波基地の引渡目録によれば終戦時１１機存在した紫電の内訳は、一号局地戦闘機２機、紫電一一甲型４機、一一乙型５機となっています。7月にP51と空戦して圧勝した機体がこれらではないかと思います。番号は黄文字のツー○○と考えて良いのではないでしょうか。
ＢＵＮ

機番の確認できる写真の紫電の尾翼は前期生産型タイプという意味ですね。失礼しました。
ビギナー

一一乙型は後期生産機になると角型の水平尾翼を持つとされ、写真も残されていますが（世傑51ページ下段）この機は乙型ではありません。
　まず、乙型の特徴である機首銃の銃口が後退していないこと。
そしてこの機体は甲型であることです。
　左翼上面を見てください。台形のパネルラインが見えますね。これは甲型の機銃点検窓の形状です。乙型ならば、紫電二一型のごとく長方形のパネルで構成されているはずです。
　現在写真で残されている乙型の写真（元山空、谷田部空、姫路製作所で量産中の写真等）の水平尾翼が甲型と同じ丸型の尾翼であり、角型のものはありません。
　
ＯＣＴＰＡＱ

量産効率を向上させるために甲型の一部か後期生産型に角形水平尾翼をつけて実戦配備してみたけれど、前線からエレベーターの効きが悪いと言ったようなクレームがきて乙型では従来型に戻されたということでしょうか。とすれば従来の定説がくつがえされますね。私だけが知らなかっただけだったりして。
ビギナー

2.5.6＞ファインモールド社の７２の「烈風」１１型が角型水平尾翼になってます。一応それらしい理由も書いてありますが、では紫電改はどうなんだとなると角型は見当たりません。そんなことからファ社が何らかの資料を発見したか証言を得たということがなければ、個々の機体を丹念に調べるしかありませんかな。
オンブー

ファインモールド社が参考にしたと思われる資料は手もとにありますが、ちゃんと根拠も証拠もあることです。そのうち、ちゃんとした形で発表できると思います。お待ちください。
ＢＵＮ

↑　待ちます。でも人生って短いので、あまり長く待たせないでください。
オンブー