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2436 写真や映画で観る米軍機はピカピカで、機体の表面に凸凹はなく、直線部はもちろん曲面部も綺麗に仕上げています。ところが日本機は、全体的には美しいのですが、機体表面の仕上げが悪く、凸凹を感じます。これも工業水準の差なのですか。それとも完成後に凸凹が出来てしまうのですか。
toku

  1. 米軍機の表面は確かに綺麗ですが良く見ると沈頭鋲の列に沿って外板が波打っている様子が見られます。綺麗に見えるのは特に主翼等で表面仕上げを行っていることも理由のひとつですが、それよりも機体外板そのものの厚みがあることが効いているのだと思います。日本機の中でも後期に開発された外板に比較的厚い板を使っている機体ではこうした波打ちは目立ちません。
    細かく言えば外板の波打ちは沈頭鋲の形式や仕上げ技術にもよると考えられますがやはり上記2点が大きいのではないでしょうか。
    BUN

  2. 内地で訓練等で酷使された古強者の零戦二一型で操縦席側面辺りの外板に皺が寄っている機体がありますが、私が写真を見た限りでは、不時着・遺棄・博物館入り等々、所謂「死んだ」機体がヘゴヘゴになってる気がします。塗装はボロ剥げでも、「生きている」日本機は結構綺麗ですよ(あくまでも私見)。BUN師匠のご指摘通り、パネルの厚みの差はあると思いますが、恐らく「ヘゴヘゴになる前に墜とされてしまった」のではないでしょうか。変な喩えですが、空家になると急にボロボロになるようなもんだと私は理解しています。そんな訳で、プラモでリベットラインに沿って外板を凹ませた作品は、博物館の展示機みたいで私はあんまり好きじゃありません。
    papagei

  3. 零戦の外板に打たれる沈頭鋲は確か通称「平山式」または「平山鋲」と呼ばれたと思うんですが、その鋲打ちの手順を見ると、これはベコベコするだろうなぁ、と思わせるものがあります。
    BUN

  4. 3>これはベコベコするだろうなぁ
    出来立てなら綺麗でも、ヘタレが早い、という事でしょうかしら。
    papagei

  5. いえ、そう言う事ではなくて、沈頭鋲を打つ工程で鋲の頭が沈む分を凹ませて加工する為に綺麗に仕上げることは、特に板厚が薄い場合、ほぼ不可能だと言う話です。
    BUN

  6. 実物の米軍機を見ると、カーチスヘルダイバーなんかは結構ベコベコしてますよ。
    やはり鋲を打ったところはベコベコするみたいです。大戦機はスピットファイア、フェアリーファイアフライ、98式直協機などなどみんなベコベコしてました。

    自分が見た中でひとつだけ異質だったのはベアキャットですね。
    塗装ははげているのに妙につるんとしていました。
    調べてみると当時の米軍機の中でも厚い板を使った上で溶接を多用したみたいですね。
    実際リベットの跡は取り外して整備する部分以外ほとんど見当たりませんでした。

    エラガバルス

  7. 航空機に一般的に使われているリベットはハンマーでつぶすムクのアルミまたは耐食鋼製の物、ブラインドリベットがあります。
    リベットをつぶすとリベット穴の周りに圧縮力がかかりわずかに伸びが発生します。
    翼、胴体構造部のようにあれだけの本数を打鋲するとこの伸びた分が蓄積され組み立て前は元々平らであった板にひずみとなって現れます。
    これは薄板であればあるほどこの傾向が現れますので、軽量化のため薄板を使用している日本軍機によく見られているかと思います。
    あとは現場の工員の技能にも左右されます。(薄板であるほど難しい)
    零戦54型の板厚を上げたのは制限速度を上げるための強度向上だけでなく、表面の平滑化による有害抵抗の減少、工数低減(板厚強化のためリベットの本数を減らせる)という面もあります。
    8ch

  8. 先日、白浜に零式艦戦を見に行ってきたんですが、明らかにレストアの時に外版を張り替えたと思われる機体後半尾翼付近はツルンとしているのに対し、コクピット周辺はベコベコしているのが印象的でした。これはやはり外版の厚さなどの影響が強いように思われます。
    ゲルググ

  9. 皆さんに謝っておく必要があるかもしれません鹿児島県鹿屋基地に展示されているゼロ戦外版を遊び半分でちょっと押したらへこんじゃいました(実話)
    0918

  10. 何かで読んだのですが、零戦を暗い格納庫からひなたに出すと、外板があったまって膨張し、ポコンペコンと音がするそうです。しかし、子供のころ家にジュラルミンの下敷きなるものがあり、1mmぐらいの厚さだったのですが、かなりの強度があったように思います。焼入れ後のジュラルミンが押しただけで凹むとは思えないのですが。
    オンブー

  11. ジュラルミンだと鋼と違い、焼き入れ(溶体化処理)後の時効硬化で固くなっているので、時間とともに過時効となって軟化していくのではないでしょうか。40〜50年も経っているとかなり変質していたのではないかと思います。
    波タカシ

  12. 後者はわかるけど、前者の過時効は俄かに信じがたいなぁ。
    いや。その現象は確かにあるんだ。
    ただ、厚板に限って目立って強度が落ちていくのですね。
    sorya

  13. 言葉が足りませんでした。過時効は>9.の方への解答で40〜50年も経っているとに繋がっています。>10.の方は普通の熱膨張ですよね。
    ところで、後で思ったのですが外板のように曲げて使う部在に焼き入れ(溶体化熱処理)とかするのですか?
    波タカシ

  14. 普通のジェラルミンならば、T3もしくはT4級の熱処理は行って然りでしょう。
    (あー。ちなみに焼きいれ処理はSi系Al。要はキャストアルミに限るので)

    と、いうか、わざわざ1100系のような純アルミ(に近いもの)って構造材でもある表皮に積極的に用いるのかしらん?
    耐弾性に積極的に欠くのに。…と、わしだったら思います。
    sorya

  15. >14
    専門ではないのですが「機械材料」なる科目を二年ほど担当させられたものですから、ジュラルミン板を加工後に熱処理したりするのかなと思ったのです。
    飛行機の外板も時間とともに変質してくるわけですね。
    波タカシ


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