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厚かましくももう1つ質問です。モスキート夜戦型とHe219の性能比較を誰か教えて下さい。実際の戦闘における記録も併せてお願いします。 フェイル-セイフ |
- モスキートNF.XXX
全幅16.51m 全長12.47m 全備重量9,530kg
最大速度655km/h 上昇時間4,570mまで7分30秒
航続距離2,090km
エンジン・ロールスロイス・マーリン76 液冷V型12気筒1,710馬力双発
武装・20ミリイスパノMk.II(イスパノスイザHS404)4挺(胴体下面ガンポッド)
He219A-7(スペックはR1仕様)
全幅18.50m 全長15.54m 全備重量15,200kg
最大速度670km/h 海面上昇率550mまで1分
航続距離2,000km
エンジン・ダイムラーベンツDB603G 液冷倒立V型12気筒1,900馬力双発
武装:固定武装は主翼の30ミリMK108 2挺
R1 MK108 6挺(主翼2、腹部ガンポッド2、シュレーゲムジーク2)
R2 MK108 4挺(R1からシュレーゲムジークを除いた組合せ)
R3 MK108 4挺(主翼2、シュレーゲムジーク2) MG151/20 4挺(腹部ガンポッド)
R4 MK108 2挺 MG151/20 4挺(R3からシュレーゲムジークを除いた組合せ)
He219の方が大型で重く、エンジン馬力と機体設計の分、最大速度はやや速いですが上昇力でわずかに劣ります
武装に関してはドイツ夜戦を目標にするモスキートはやや軽く、イギリス重爆を目標にするHe219はえらい重武装です
レーダーの性能は探知距離で同等ですがモスキートの方がやや軽く、アンテナの空気抵抗では大きく優ります 電波の波長もモスキートの方が短く、妨害に強く映像も鮮明です
He219のコクピットは重心から離れて機首先端にあるため機動時のパイロットへの負担が大きいとされます
機動性そのものはHe219がやや優るといわれますが、当時の夜間戦闘では大きい意味はもちません
まなかじ
- イギリスが戦後にHe219の試験を行ったら、590km/hしか出なかったという話もありますね。実用上昇限度も10000mに届かないと判定されたとか。まぁ、あの国はそのあたり低く判定する傾向があるようですけど。
黒鼬
- 便乗して質問です。
He219のデータはWeb上で検索するとまなかじ様の回答された内容のものが出てきますが、
それらの出所はどこなのでしょう?
飛行性能か機体スケール(主に重量とサイズ)のどちらかが間違っているとしか
思えないのですが。
たかつかさ
- >1
スイマセン、たしかA7あたりから
重量のせいでスペックが低下したはずではなかったでしょうか?
He219が不採用になったのも、夜戦装備を追加した結果
飛行性能が悪化したためのはずでは?
>3
He219の場合、胴体のスリム化など機体の空気抵抗を減らすことで
高速を実現しています。
必要装備を追加し、突起部ができた結果、
その利点が打ち消され、飛行性能が悪化しています。
He177やHe100でも空気抵抗を減らすためだけに
凝ったギミックを多用し重量増加、メンテ上のトラブルを招いていますし・・・。
木
- He219に付いてはこのような情報もあります。
http://www.stud.uni-hannover.de/~ortmann/index.htm
(英語サイト)
高性能を示しながら、大量生産に入らなかった機種紹介のSITEです。
各国機を含み、LW関係は、Ar240、Fw187、Ju288、He100、He219、
He280、R4/M(ロケット弾)等があります。
内容は機体説明(簡潔で的確)、寸法性能表、写真(始めて見る物が3割位)、
作者のコメント(独自の切り口)など。
He219の実戦における速度不足などに触れられていますので是非ご覧ください。
なお以上の紹介文は下記のURLから一部抜粋させていただきました。
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/kdejima/svenortmannhot.htm
ちなみに、ざっと見だけでも、He219Aの実際の速度が580km/hを越えた事は無く
高度8000では500km/hが良いところと言うことがわかります。
実際の速度もイギリスでの測定に近いと考えたほうが良いと思われます。
ただプロトタイプに近いA-0か(モスキートを落したのはこちらです)
装備を追加した後のA-7かはコメントされていませんが…
でもHP側のコメントは結構好意的です。(笑)
木
- いささか古い資料ですみません。G. Aders, ”History of the German night fighter force 1917-1945”, Jane’s, London 1979,(ドイツ語版は1978年)p263. では、He 219 A-0, A-2で最高速度560km/h at 5,700m, A-5で585km/h at 7,400m, A-6で615km/h at 11,000m, A-7で669km/h at 7,000m,(部隊配備1機のみ) として、このデータは製造メーカーによるもので、フレーム・ダンパー、外装搭載物、レーダー・アンテナ、斜銃なしの状態であるとしています。ただしA-5だけはレヒリン・テストセンターか実戦部隊によるものとしています。
”Luftfahrt Bilder, Texte, Dokumente 6”, E. S. Mittler & Sohn, Herford, 1978, には、1944年5月15日付のハインケル社資料がのっていて、その2495頁には性能グラフが掲載されています。フレーム・ダンパー、レーダー・アンテナ付き、戦闘出力で、He 219 A-2で最高速度560km/h at 6,300m, A-5で585km/h at 8,400m, 離陸重量における海面上昇率A-2で7.0m/sec, A-5で8.2m/sec, 機体重量12tで実用上昇限度A-2で8,600m, A-5で9,200mです(数値は私がグラフから読み取ったものです)。同書2498頁による離陸重量は、A-2で13,302kg, A-5で13,575kgとなっています。
>4:「He219が不採用」
He219が不採用になったという話は、寡聞ながら聞いたことがないのですが。
中年受験生
- 6>
>He219が不採用になったという話は、寡聞ながら聞いたことがないのですが。
失礼しました。
おっしゃる通り、夜間戦闘機として『採用されて』います。
『量産』されなかった
の間違いでした。
ありがとうございます。
木