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航空母艦のスキージャンプ甲板ですが、第二次大戦レベルのプロペラ機でも有効でしょうか? 井中かえる |
- 架空戦記でも「ラバウル烈風空戦録」の「伊吹」級しか見かけたことがありませんね。
井中かえる
- ・機速が離陸速度に達していなければ飛行機は浮きません、無理矢理持ち上げても失速して落ちます。
・機体重量と推力が決まっていれば、一定の距離を走ったとき得られる機速は決まっています。
・経路を持ち上げれば上向きのモーメントが得られますが、その分フォワードスピードを失います(エネルギー保存の法則ですね)。
以上のことから考えると、スキージャンプ甲板とは「前方速度と引き換えに機体に上向きモーメントを与えて押し出し、空中を滑走路の延長として必要な離陸速度獲得までの加速時間に用いる」ことではないでしょうか。
日本語でスキージャンプを検索したら架空戦記ばっかり出てきてまいっちんぐでしたが、英語で調べたところやはり「一端持ち上げ、高度を落としなら加速する」のがスキージャンプを用いた離陸手順のようです。
プロペラ機でもジェット機でも原理は同じですが、推力や揚力の規模が違うので単純に応用できるかどうかはちょっとわかりません。
ただ、着陸用アングルド・デッキを持たない空母にスキージャンプ甲板を設けると、前方甲板を待避&作業領域として使えなくなり物凄く使い勝手が悪くなるだろうことは想像できます。
ささき
- 尾輪式の飛行機でスキージャンプ台を使ったら危ないと思いますが。
weasel
- プロペラと甲板が干渉しそうな気がする。
どんべ
- 手前ミソですがhttp://www.ioctv.zaq.ne.jp/daaao201/Gunjitojieitaiyougojiten.htmlのスキージャンプ方式のところ参照。情報のきちんとした読解に失敗しているかもしれないのでツッコミ歓迎。
ザイドリッツ
- スキージャンプで飛び出すには充分な滑走速度が必要です(でなきゃジャンプ後に失速してドボン)。という事はジャンプ台以前の甲板長を使って加速する必要があります。という事は一機あたりの搭載量増大と引き換えに同時発進機数は減少するでしょう(甲板後方で主翼展開・暖気運転して待機できる機数が減る)。仮想戦記では特設空母や航空戦艦(笑)で一線級の重量機を運用する魔法の道具として使われているようですが、ただでさえ短い甲板の利用効率を更に悪化させて良いのでしょうかね?基本的に「通常甲板で離陸できない機体なら、スキージャンプにしたってやっぱり運用できない」と思っておくべきではないかと思います。
ささき
- つまり、スキージャンプ式甲板で運用する機体側の条件としては、
1)短い区間で所要の加速ができる
2)坂登りで致命的な減速をしない
3)大迎角状態(発艦後の落下状態)でも失速しない
4)短い着陸滑走距離(ただでさえ狭い甲板スペースを食わない)
といったことになるので、
推力重量比大
低速域での加速力大(プロペラ〜ターボファン)
極短距離・垂直着陸能力
が必要になる、ということでしょうか?
…って、ハリアーじゃん、これ。
少なくともWW2レベルの機体では推力重量比を満たしませんね。
Schump
- >7. ソ連の空母で CTOL 戦闘機をスキージャンプで飛ばすのがありましたが、MiG-29 といい Su-27 といい海面高度での推力:重量比が1を超えるバケモノ(失速させない限り揚力の不足を推力で補える)だからこそできる技でしょうね。運用機数の減少にも目を瞑っている(しょせん無いよりマシな母艦航空隊)感があります。
ささき
- アドミラル・クズネツォフでは着艦練習機としてSu-25UTG(複座練習機)も運用してますね。
ガンヘッド507
- 結局のところ、第二次大戦級の航空機では役に立たないと解してよいようですね。残念です。
井中かえる