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2425 軽戦とか重戦の基準を翼面荷重で比較しますが、本来はそれぞれの飛行機の翼が発生する揚力と翼面積が関係する値に対して荷重がどれだけあるかの方が適正ではないのでしょうか。そうでないとP-51がたいして大きくない翼面積であれだけ長大な航続力があるのが説明できません。一般に翼面荷重が小さい方が航続力が大きいとされていると思うので。運動性に関してP-51が軽戦的なのか重戦的なのかしりませんが。ついでにスピットファイアのように大きな冷却器を翼下面につけている場合、その部分の翼断面部は揚力を発生するのでしょうか。
イーグレット

  1. 軽戦、重戦は翼面荷重で分けられるものではありません。
    元々軽戦、重戦という用語は日本陸軍が昭和十年代の半ば数年間に使用した戦闘機の区分で、その用語の定義も該当年の兵器研究方針によって明確にされています。航続力も大きく武装も強力な本格的な戦闘機である重戦闘機と軽武装で航続力を犠牲にしながらも敵戦闘機との空中戦のみを専門とする補助戦闘機的存在が軽戦闘機とされています。ですから外国戦闘機をそのスペックで重戦、軽戦と区分することにはあまり意味がありません。ですから旧態依然たる軽戦の時代が終わって新しい重戦の時代となったという訳ではなく、日本陸軍内部で軽戦と重戦の二本立ての構想が必要と考えられた時期が数年間あったということです。これは主に日本の発動機開発の相対的な遅れに起因しています。
    BUN

  2. P-51の長大な航続力は75ガロン(約280リットル)の増槽を2個装備出来たためだと思われます。増槽無しだと他の戦闘機とたいして航続距離は変わらなかったと思います。
    揚力を表す計算式というのがあるのですが、まーここで説明するのは省きますが揚力は揚力係数と翼面積に比例します。揚力係数は翼型によって決まるのですが詳しい数値は解りませんがそんなに変化するものではないでしょう。せいぜい10%位の世界じゃないかな?やはり翼面積の大小の比重の方が大きいと思われます。
    jas1

  3. 中高度を高速で(つまり、高い動圧で)巡航する場合には翼面荷重が高いほうが航続性能が
    伸びます。

    航続効率は揚抗比×推進効率ですので、翼面荷重で直接は決まりません。

    なお、翼面荷重で戦闘機を分類するのは間違って広まっている手法です。詳しくはBUN氏が
    すでに述べられています。
    たかつかさ

  4. ごていねいな御回答ありがとうございました。零戦の翼面積を各型で増減させることで前線から不満がでるほど影響があるものだと思ったので世界的にも一般的な指標かと思っていました。Bf-109が本格的な重戦として航空雑誌に紹介されていましたし。例えば零戦とF4Fは似たようなスペックの戦闘機だそうですが、アスペクト比と翼弦長が違うと思いますが、このことは運動性に大きくかかわるのでしょうか。
    イーグレット


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