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海軍航空隊の偵察員が使った航法計算盤とはどのようなものでしょうか。 「うちわ形の航法計算盤」とかいった記述を読んだことがあります。計算尺の航法専用型かとも推測しますが、何を入力して何を求めるものでしょうか。 どなたかご教授願います。 gsz |
- 団扇というよりもフライパンか大きな虫眼鏡上の形で、柄に物差しがついていて、フライパンの真中でもう一つの目盛りを刻んだ物差しに交差しているもので、大雑把に言えば飛行機が飛んでいる間にどれだけ風に流されるかを計算する為の道具です。
BUN
- BUN様、早速のご回答ありがとうございます。「風にながされる」というニュアンスからは横風のことと思います。これが向かい風や追い風なら、航法計算盤で求めるものは距離や時間になりますが、横風なら飛行針路を求めるものと思います。この解釈でよろしいでしょうか。
gsz
- GPS や電波灯台(VOR)、レーダー誘導などを活用できる現代の飛行機乗りも教習過程で航法計算器の使い方を仕込まれます。飛行機がA点から機首方位H速度Vで時間T飛行してB点に到達したとしますね。地上目標が観測できるなら、出発位置A点から現在位置B点までの距離と方位を地図(厳密に言えば航空図)から読み取れます。無風ならベクトルH×V×TはベクトルA−Bに一致するはずですが、風があれば流された位置に着きます(横風がなくとも、例えば完全な向かい風ならばV×Tで想定される位置より手前に着きます)。航法板はこの座標位置のずれから風向きと風速を逆算する補助に使います。風の向きと風速が推定できた場合、今度は次の目標(例えば方位H’)に向かって速度Vで飛ぶとき、機首を何度どちら向きに振れば風に流されず直線で飛べるか(英語ではクラブ…カニを取ると言います)を算出するのにも使います。
ささき
- ↑おっと間違い。AからBに飛ぼうとしてずれた位置B’に着いた場合、飛行機の大気ベクトルA−B(=H×T×V)と対地ベクトルA−B’の差分から風のベクトルを逆算する、ということです。
ささき
- ささき様、ありがとうございます。
ベクトル図を書いてみて分かりました。
gsz