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旧日本軍航空機の無線機は陸軍でも海軍でも使い物にならなかったんですか? 凶鳥 |
- 無線機は無線電話と電信があります。この場合は電話のことだと思いますが、陸海軍で多少異なりますが更に電話に関しても後期になればなるほど改善されています。もともとアンテナ線を長く張れない戦闘機は無線電話が苦手なのですが、電話の感度は戦闘機の機種により大きく異なります。良く聞こえる機種と聞えない使い機種があるのです。使い物にならないというのは大袈裟な表現でしょう。
実際にコールサインのようなものを打ち合わせしている部隊がありますし「僚機とは話せた」という話も聞いています。電話に関してはひょっとしたら運用面の問題も大きいのではないかとも思います。
BUN
- >1
便乗質問です。
機種によって電話の感度が変わる理由は何でしょうか?
ツカドン
- >2
アンテナ線の取り回し、発電能力、艤装の違いによるノイズの大小といった事が上げられます
SUDO
- 陸軍の64戦隊では無線(ツートンのやつ)を使いすぎて参謀から文句をいわれたことがあるそうですけど・・海軍の坂井三郎氏は無線が欲しいと、ずっと思っていたらしいですけど・・。
凶鳥
- 『無線』
『エンジン』
でAandQ
に検索をかけると、
無線機の話が出てきます。
木
- 坂井三郎氏の頃から無線電話は使われています。このあたりはよく調べなければならない問題なのです。
BUN
- 元陸軍飛行第64戦隊の黒江保彦大尉の回顧録「あ々隼戦闘隊」には、アキャブ沖の輸送船団護衛中に空戦にとなった味方隼編隊の交話(「右のやつをやっつけろ!」「気をつけろ!上にも小型!」などの)を黒江機がアラカン山系で聞き付ける場面が出て来ます。回顧録では基地や僚機との電話による通信を頻繁に行っている様子が伺えます。元飛行第68戦隊の梶並進軍曹の回顧録「あ々飛燕戦闘隊」でも僚機との電話が隣で話しているように鮮明に聞こえると書いてある場面がありますので、一概に使えなかったとするのは早計かもしれませんね。
チャッピー
- 個人的主観ですが、海軍より陸軍航空の方が無線電話をちゃんと使えていたような気がするんですが。
凶鳥
- 最近お話をうかがった海軍の零戦乗りの方からは、無線電話が通じてくれたおかげで九死に一生を得たという貴重な経験をうかがうことが出来ました。昭和17年のことです。このように場合によっては使えたし、使おうと思って努力し続けたともうかがいました。
片
- これも個人的意見ですが、部隊や基地によって無線電話の聞こえ具合にばらつきがあったような印象があります。
あるいは、部隊指揮官の熱心度、無線担当の訓練度、資材調達の難易度等により格差がついたのでしょうか。
SAW
- 当時の電子部品の品質と、ラジオ技術者のレベルの問題、
艤装上の問題・・・いろいろあると思いますね。
実家にある機上無線機の残骸も、30年前に確認した限りでは
同時期の民生用のラジオよりは良い部品が使われていましたが、
特に真空管とコンデンサの品質が問題ではないかと思いました。
kazz
- ついでに回顧録の中に登場する無線電話関係の話をもうひとつ。元陸軍飛行第4戦隊の樫出勇大尉の回想「複戦屠龍北九州B29邀撃記」(雑誌「丸」エキストラ)によれば、邀撃前エンジン始動後の各機の指揮所との無線調整がうるさいぐらいだったようです。また邀撃高度や敵の侵入方位などを含んだ出動命令も無線電話で受けています。離陸後は指揮所から矢継ぎ早に発される敵編隊情報を受信しており、それが哨戒中の操縦者の唯一の楽しみで途切れるとすぐ誰かが指揮所に情報を請求したとのこと。また、樫出機が友軍高射砲に砲撃されたときは、彼は自分への砲撃中止を要請し果たして砲撃は止んでいます(高射砲部隊も飛行機の無線を聞いているとのこと)。樫出大尉はB29相手に激戦を演じていますが、常に他機からの無線を聞き大体の状況を把握した上で戦っています。他機の攻撃開始の合図などは無電と表現されている部分もあるのですが、セリフなどから推測すると電話を使用していたように思います。
チャッピー
- 旧日本軍航空機の無線機についてはあまり良い評価を聞きませんが。
状態を区別して見た方が状況を判断出来る様に思います。それは航空機対航空機とか基地と航空機での通信状況です。
本土防空戦のケースでは先に書かれた通り基地からの地上情報は聞き取れていた様です、この通信?は双方向の通信ではなく現在のラジオ放送の様なもので「交通情報を聞きながら」的なものではないかと推察しています。
2HB
- 屠竜部隊だったと記憶していますが、夜間迎撃戦終了後に基地への方位を知るため管制官との間で交信していたそうです。管制官へ対して「キホ知らせ」というと「発振せよ」と来るのでブザーを押すと地上で電波測量して「キホ00度」と基地への方位を知らせてくれた、との記事を読んだことがあります。本土防空戦では無線機も最新(改修も含めて)の機材を使っていたのかも知れません。
早房一平
- 双発機の方がエンジン位置の関係で雑音を拾いにくかったという話を聞いたような気がします。
その他にも
機体の空中線を二重にはった。
基地の機器の出力を上げた。
雑音がひどく難聴になった。
敵機高度を雑音で聞き間違い苦戦した。
無線機を下ろして戦隊長に怒られた。
後方の敵機の存在を連絡できずに味方が撃墜された。
最初はだめだったが関係者の努力でなんとか使用可能になった。
紫電改の隊長が「集まれ」と味方機に無線で呼びかけた後に行方不明となった。
関係者の涙ぐましい努力が察しられるエピソードが多いようですね。
使い物にならなかったというのはあたらないと思いますが、いつでもどこでもだれでも使える(標準的整備や訓練度条件等で)というレベルにはなかなか到らなかったということなのでしょうか。
また、2HBさんが言われるように空対空や空対地等の条件によっても区別する必要があるようですね。
紫電改のエピソードは空対空通話も可能な場合もあったという事例ですね。
(たしか丸に載ってたと思う。)
SAW